お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

【マネーレッスン】「マイナス金利」は身近な問題なの!? 働く女性が覚えておくべきこと

風呂内 亜矢

ヨダヒロコ/六識

将来を考えるとき、お金の悩みはついてまわるもの。結婚・出産、転職など、ライフイベントによってマネープランの見直しは必須。だけど、何から手をつければいいのかわからない! そんな働く女子のお悩みを、FP風呂内亜矢先生に相談。知っておきたいお金のキホンや無理なく実践できるテクニックをマスターして♪

今回のお悩み

今回の相談者:こけこここさん

「マイナス金利が導入されて、普通預金、定期預金の金利が下がっているため、何らかの金融商品に乗り換えたいと思っています。しかし、お金を増やしたいと思ってはじめた株式投資も、現状株価ががた落ちで後悔している状態。そのため、金融商品を購入することのリスクが怖くて、なかなか手が出せません」

そもそもマイナス金利とは

編集部 今年1月に日銀(日本銀行)が「マイナス金利」の導入を発表し、金融市場が大きく動揺しました。マイナス金利と聞くと、今私たちが銀行に預けているお金が目減りしてしまうのではないかと不安に思っている読者もいるかと思いますが、そもそもマイナス金利とはいったいどんな仕組みなのでしょうか。

風呂内亜矢(以下、風呂内) マイナス金利とは、その名の通り、金利がマイナスになるということです。つまり、預金している金額分の利子を銀行へ払わなければならなくなります。しかし、今回のマイナス金利は、あくまで日銀と各金融機関の取引に適用されるのであって、私たち一般消費者の銀行預金の利子がマイナスになるわけではありません。

実は、各金融機関は日銀に当座預金口座を持っていて、一般消費者から集めた預金のうち一定額を預けなければいけない決まりになっています。これまで、日銀に預けるお金には金利がついていましたが、今後、一部の当座預金に関してはマイナス金利が適用されます。そこには、銀行の本来の仕事は一般消費者から預かったお金を増やすことだという日銀の意図があるからなんです。つまり、ただお金を眠らせておくのではなく、債券の購入や、企業への投資、住宅ローンなどお金の貸し出しを積極的に行わせることで、経済の活性化を狙っているんです。

●【図解】マイナス金利の仕組み

今まで

2016年2月16日から

私たちへの影響って?

編集部 そこまでしないと景気が上向いていかないだろうという日銀の判断があったわけですね。それにしても銀行も日銀にお金を預けて、それに利子がついていたとは知りませんでした。日銀は“銀行の銀行”だったんですね! 私たちの銀行預金にはマイナス金利が適用されないということは、私たちの暮らしには影響はないのですね。

風呂内 いえいえ、影響はあります。マイナス金利によって銀行が投資に向かうことが期待されますが、今は株も乱高下していますし、企業も増資を受けて事業を大きくしようという動きではないため、投資をする場所がないのが実情です。となると、銀行が目の前のマイナスをどうしようかと考えたとき、やはり一般消費者に転化されてしまうんです。

すでに普通預金や定期預金の利率(金利)を下げている金融機関もありますし、ATM利用手数料がかかる時間帯を拡大しようとする動きもあるようです。また、現状ある手数料の無料回数が減る可能性も高いですよ。

編集部 金利がマイナスになるということはなくても、色んなところで銀行にお金を取られる可能性があるということですね。私たちの預金の利子は、最大でどれくらい下がっているのでしょうか?

風呂内 これまで大手銀行の普通預金金利は0.02%でしたが、今は0.001%まで下がっています。

編集部 0.001! 低いですね。そうなると、1,000万円以上の貯蓄があるこけこここさんへの影響は大きいということでしょうか?

風呂内 実はそうでもありません。というのも、1000万円を預けていても、1年間につく利子は0.02%の利率の場合で2,000円程度。0.001%の利率だと100円にしかなりませんが、1,000万円を預けている人にしてみれば、その差1900円は大した金額にはならないんじゃないでしょうか。ですから、マイナス金利の影響で自分たちの銀行の利率が下がったからといって、私たちは慌てすぎる必要はないと思います。

編集部 実際に数字にしてみると、その通りですね。影響はあるけれど、現時点ではそこまでないということですね。逆にマイナス金利による私たちへのメリットってあるんですか?

風呂内 預金利率と同じく、住宅ローンの金利も相次いで引き下げられていますから、借りる人にとっては好機でしょうね。元金の減りが早くなりますから。借り換えを検討する方も多いのではないでしょうか。

●マイナス金利での私たちへの影響

・預金利率が下がる(大手銀行では0.02%から0.001%まで低下)
・ATM手数料の無料時間帯が減少する可能性がある
・ATM手数料の無料回数が減る可能性がある
・住宅ローン金利が下がっているので借りる人には好機

次ページ>マイナス金利の現在、どうやって財産を守る?

★こけこここさんプロフィール
生保・損保企業で事務系専門職の正社員として働く、社会人2年目の24歳。神奈川県在住で、親と同居している。手取り年収約266万円、手取り月収約18万円。毎月2万円を給与天引きで財形貯蓄、毎月2万円を自動引き落としで定期預金に預け、現在の自分名義の貯蓄額は1,000万円以上。貯蓄に手をつけることはほとんどなく、毎月残ったお金をやりくりしている。マイナス金利の影響で銀行預金の金利が下がっていることを踏まえ、今後は自動引き落としの額を下げ、その分を純金積み立てに変更する予定。こだわり出費は、お稽古事。英語、中国語、茶道の3つに、それぞれ週1回(月2万7,560円)通っている。

(ヨダヒロコ/六識)

次のページを読む

SHARE