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いい肉屋の冷蔵庫はニオう!? 意外と知らない「肉屋さんの選び方」

お祝いやホームパーティーに、「ちょっと奮発して、すき焼きでもしようか、ステーキでも焼こうか…」と思ったとき、スーパーではなかなか良い肉を見つけられませんよね。肉屋に行ってみたいけれど、行き慣れていないとちょっと心配という人も。

そこで今回は、おいしいお肉屋さん選びに役立つポイントを紹介します。

【ほしいときにほしい魚がナイ!? が、いい魚屋の条件? ⇒】

「A5」「ブランド牛」を謳う肉屋はかえって怪しい?

実は松阪牛や近江牛には、肉質等級の規定がないため、C1という最低の格付けでも「松阪牛」「近江牛」と名乗れるのだとか。ブランド牛だからといって、いい肉とは限らないんですね。また、格付けについては、アルファベットの「A」「B」「C」の等級は、歩留り等級といって、一等の牛からどれくらいの食肉が取れるかを表すもので、味には関係ありません。数字の1~5の等級は「脂肪交雑(サシの入り方)」「肉の光沢」「肉の締りとキメ」「脂肪の光沢と質」を評価したもの。肉の見た目を示すもので、おいしさの参考にはなりますが、それがすべてではなさそうです。

肉の味は、飼料や育てる環境によるものが大きく、血統もかなり影響するのだとか。中には、牛や豚が生きているときの状態を見に行く肉屋もいるそう。ブランドや格付けに頼らず、市場で目利きができ、データを集められることが良い肉屋の条件といえそうです。「『A5』や『○○牛』『○○豚』と大々的に謳う肉屋も多いけど、それは『目利きに自信がありません』といっているように思えてしまう」なんていうベテランの肉屋もいます。記者は「A5の松阪牛がこの値段!!」なんていわれると、すぐに飛びついてしまう方でしたが、肉屋が目利きかどうか、おいしい肉を提供しようという信念があるかを見極めたいと思いました。

ミンチの色で鮮度をチェック

ミンチは価格が安めな赤身の肉のほか、ステーキ肉の切れ端や余った肉などを混ぜて挽くことが多いとか。そのため、その店で売っている肉全体の回転や鮮度を知る手がかりになるのだそう。また、ミンチは粗挽きした後に本挽きをするなど、作業工程が長いので、鮮度が落ちるのが一番早いといわれます。ミンチをチェックすれば、お店の鮮度に対する意識がわかるというわけですね。

また、肉はスライスすると表面が酸化して鮮度が落ちてしまうもの。ブロック肉が置いてあり、注文を受けてからスライスしてくれるお店は良心的といえますね。普通は、スライサーという機械を使うそうですが、スライサーを使うと肉の断面が摩擦の熱で傷むため、さらにこだわるお店では、包丁でスライスするのだとか。ここまでやってくれると、信頼できますね。

良い肉屋の冷蔵庫は臭い!?

牛や豚はと刹後、皮や頭、内臓を取り除いた「枝肉」という状態でセリにかけられます。まるごと一頭分の巨大な肉の塊が、大きな冷蔵室にいくつもぶら下げられているところをTVなどで見たことがある方も多いのではないでしょうか。昔は、この「枝肉」を仕入れて、骨抜きして、各部位に分ける肉屋さんが多かったといいますが、今では食肉加工業者が捌いたブロック肉を真空パックにした「ボックスミート」で仕入れる肉屋が主流になっているそうです。「ボックスミート」は、簡便で日持ちがしますが、ドリップ(肉汁)が出やすく、旨みを失いやすいのだとか。一方の「枝肉」で仕入れをする肉屋さんは、肉を捌く技術を持っているほか、おいしい肉を提供しているといえそうです。

「ボックスミート」は真空パックのため、保存している間、においが外に出ることはないようです。一方、「枝肉」は冷蔵庫で吊るして保存するため、独特のにおいが冷蔵庫に充満するそう。肉屋さんが冷蔵庫を開けたとき、ふわっとにおいがしたならば、それはよい肉屋さんといえるかも!?

いかがでしたか? 最近はホームページやブログで、肉の仕入れ方やおいしい肉の見分け方、調理法などを紹介しているお店が多数あります。ネットで情報収集してから肉屋に行くのもひとつの方法です。また、店頭で買うときに、いろいろ質問をしてみるといいでしょう。こだわりのある肉屋なら、きっといろいろ語ってくれるはず。仲良くなると、いい肉が入ったときに教えてもらえたり、オマケをしてもらえるなんてこともあるかもしれませんよ。

(桃山くるみ/サイドランチ)

※この記事は2013年09月10日に公開されたものです

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