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【医師監修】つわりに効く薬はあるの?吐き気止め、漢方、ビタミン剤など

【医師監修】つわりに効く薬はあるの?吐き気止め、漢方、ビタミン剤など

つらいつらい「つわり」の時期。気持ちの悪さで何も手に付かないような日々を送る妊婦さんも少なくありません。つわりは妊娠によって起こる生理的なものですが、悪化すると入院が必要なほど重症化することもあります。今回は、つわりの症状に効果が期待できる薬やビタミン剤について解説します。


この記事の監修ドクター
産婦人科医 太田寛先生
アルテミスウィメンズホスピタル産婦人科(東京都東久留米市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士

つわりが起こるのはなぜ?

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つわりはすべての妊婦さんに起こるものではなく、症状の有無や強弱、感じ方には個人差があります。
妊娠していることに気づかないほど何事もなく過ごしている人もいれば、なんとなく気持ち悪いかな程度という人、トイレから出てこれなくなるほど四六時中気分が悪いという人など、つわりと一言で言ってもその状態はさまざまです。
そもそも、つわりはなぜ起こるのでしょうか。

つわりはホルモンのせい?

つわりは、妊娠5~6週から症状が現れ、12~16週頃には消失することが多いとされています[*1]。そのためその時期に分泌される、妊娠に関係するホルモン・hCG(ヒト絨毛性ゴナドトロピン)の血中濃度が関係するのではないかと考えられています[*2]。

実際に、hCGの値が高い人はつわりがつらい傾向にあると言われていますが、それがどのようなメカニズムで起こるのか、など詳しいことはわかっていません。

50~80%の妊婦がつわりを経験

つわりを経験するのは、妊婦さんの80~50%と言われています[*1]。
つわりは、悪心(吐き気)や嘔吐などの消化器系の症状が中心ですが、倦怠感(だるさ)や頭痛などを伴うことも少なくありません。

つわりのあるなし、症状の軽さ・重さは、人によって違います。初産婦のほうが経産婦よりも、つわりを経験しやすいと言われていますが[*1]、必ずそうなるというわけではありません。

つわりと妊娠悪阻(にんしんおそ)の違いは?

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基本的に、つわりの症状は一時的なもので、ほとんどの人は妊娠12週以降に軽快していきます。しかし、ごく一部の人は「妊娠悪阻」と呼ばれる、入院が必要な状態になってしまうことがあります。

妊婦の0.5~2%に起きる妊娠悪阻

妊娠悪阻の頻度は全妊婦の0.5~2.0%で、特に初産婦に多いことが知られています。ただし、重症化するのは経産婦(出産経験のある妊婦)とされています[*3]。

つわりと区別する明確な基準はありませんが、妊娠悪阻では、1日中に何度も嘔吐を繰り返す、食事がとれない、体重の5%以上減少、脱水による尿量の減少などが見られます[*1]。

妊娠悪阻の場合は、入院治療をします

妊娠悪阻と診断された場合は、原則として入院して治療を行います。基本的な治療法は、点滴をして脱水や電解質異常の改善を図ったり、食事を数回に分けて少しずつ食べたり飲んだりできるようにしたりします。

入院して点滴治療する場合には、ビタミンB1の摂取不足によって起こる「ウェルニッケ脳症」を予防するために、ビタミンB1を点滴に混ぜて投与します。ウェルニッケ脳症とは、ビタミンB1の不足によって引き起こされる脳の疾患で、意識障害や眼球運動障害、歩行障害などが起こります。脳に障害が起こってしまうと、後になってビタミンB1を投与しても、治らないので、全く栄養がとれない状態が長く続くようなら必ず補充しておくべき栄養素です[*2]。

つわりに効果がある薬って何?

つわりの症状を薬などで解決したいと考えた場合、まずは、かかりつけの産婦人科医に相談することが大前提です。医師と相談しながら進めましょう。

エビデンスのある薬などについて

次に紹介する薬などは、つわり症状に効果があるとされるもの・つわりに対して処方される可能性のあるものです。それでも人によっては思うような効果が現れなかったり、副作用が現れる可能性もありますので、必ず医師に相談してから使用するようにしてください。

・制吐剤(吐き気止め)[*3]

食べ方を工夫したりしても改善しない場合は、制吐剤の使用が検討されます。制吐剤にはいくつか種類があり、薬の効き目と安全性を考え合わせ使用薬剤を選びます。

・漢方薬

制吐剤と同様に、生活の工夫をしても改善しない場合に選択されます。つわりの効能・効果を持つ漢方薬には「小半夏加茯苓湯」や「半夏厚朴湯」などがあります[*4][*5]。

・ビタミンB6[*3]

ビタミンB6を服用することがつわりの症状を軽くしたというデータもあり、欧米ではよく使われています。服用する量は体重や症状の程度によって調整されますの、医師に相談しましょう。

薬以外でつわりを乗り切るコツ

つわりの症状は、生活の中でちょっとした工夫をすることで軽減できることもあります。つわりが起きている時期の食事は「食べられるものを食べたいときに食べられるだけ」で大丈夫です。以下は、つわり軽減の工夫の一例ですので、自分に合ったつわり軽減方法を見つけてみてください。

・朝起きた時にすぐに食べられるものをベッドサイドに準備してから就寝する。
・通勤時や外出時でも口に入れやすい飴などを持ち歩く
・趣味に没頭する
・横になって安静にする

まとめ

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つわりは、多くの妊婦さんに起こる症状です。過度な心配は無用ですが、つらいときは我慢しすぎることなく、医師に相談しましょう。その中で制吐剤などが検討されることもありますが、医師が処方したものであれば、赤ちゃんに悪い影響はありませんので、適切に使用して症状の緩和を目指しましょう。

(文:石井悦子/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]「病気が見える 産科」(メディックメディア)p.86
[*2]「講義録 産科婦人科学」(メジカルビュー社)p.319
[*3]「産婦人科診療ガイドライン―産科編2017」(日本産科婦人科学会)p.124-125
http://www.jsog.or.jp/activity/pdf/gl_sanka_2017.pdf
[*4]「小半夏加茯苓湯エキス添付文書」(クラシエ薬品)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/200738_5200076C1050_1_03
[*5]「半夏厚朴湯エキス添付文書」(クラシエ薬品)
https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/ResultDataSetPDF/200738_5200122C1079_1_05

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください

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