【医師監修】妊娠17週、ママの変化と食生活などの注意点やしたいこと

【医師監修】妊娠17週、ママの変化と食生活などの注意点やしたいこと

妊娠17週は妊娠中期(妊娠16週~28週未満)、妊娠5ヶ月の2週目、俗に言う安定期に入ったころです。「安定期」と呼ばれていても、切迫流産や流産の可能性がなくなったという意味ではありません。この時期の体内の変化や、食生活など生活面で注意すべきことを紹介します。


この記事の監修ドクター
産婦人科専門医 中林稔 先生
日本医科大学卒業、虎の門病院医長を経て、現在三楽病院産婦人科部長。 診療のみならず、学会・各地講演をはじめとする医学の普及活動を行う傍ら、教育にも幅広く従事しており、2008年には中林助産師学院を共同設立。自ら講師を務め、6年間連続助産師国家試験合格率100%を達成中。医師+(いしぷらす)所属。

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妊娠17週ってどんな時期?

自然流産の約8割は妊娠12週までに起こるとされており[*1]、妊娠17週に入ると、流産の頻度は少なくなっています。つわりもこのころには落ち着いているママが多いでしょう。妊娠5ヶ月(妊娠16週~19週)からは、一般に「安定期」といわれていますが、切迫流産などの可能性もあるため、遠方への旅行などは勧められません。このころの赤ちゃんとママの体にはどんな変化があるのか、具体的にみていきましょう。

妊娠17週に体内で起きる変化

赤ちゃんの変化

妊娠中期は、赤ちゃんの主要な器官が発達し、それぞれの臓器の働きが確立されていく時期です。妊娠中期のはじめ、16週ぐらいから、赤ちゃんの体では水分量が低下する一方でたんぱく質や脂肪の割合が増え、皮下脂肪、頭髪、爪などができていきます。

また、妊娠17~18週を過ぎると、超音波検査で性別がわかることが増えてきますが、赤ちゃんの向きによっては判断できないこともあります[*2]。

ママの変化

16~17週を過ぎたあたりから、お腹や乳房のふくらみが目立ってきます。健診では16週ぐらいから子宮底長 (恥骨の端から子宮の端までの長さ)を測りますが、これは赤ちゃんの体の大きさや羊水量 を知る目安にするためです。このころ、子宮は子どもの頭ぐらいの大きさになり、子宮底はおへその下あたりまできています 。

つわりはおさまることが多いのですが、今度は胃や肺が圧迫されるため、深く息を吸うことができず、動悸や息切れが起こるママもいます 。集中力が落ちることもあります。

妊娠17週にできること/しておくこと

戌の日には安産のお参りへ行ってみては?

昔から、日本には妊娠5ヶ月の最初の戌の日に 、腹帯をまいて、神社やお寺に安産祈願のお参りに行く風習があります。犬は多産で、しかもお産が軽いということにあやかるためと言われていますが、地方によっては、酉(とり)の日や妊娠9ヶ月に帯祝(おびいわい)をすることもあるようです。

腹帯は、お腹が大きくなると重心が前に移動して、腰痛になりやすいため、お腹を下から支え上げるように巻きます。 また、いわゆる「冷え」予防についても期待して腹帯を巻くのだと言われています 。

体調の良い日に、気分転換も兼ねて安産と生まれてくる赤ちゃんの健康を祈願すると良いですね。あらまった空気のなかで、より妊娠の喜びを感じることができるでしょう。

里帰り先の病院の受診を

里帰り出産を希望している場合、予定日が近づいてから突然行っても、受け入れてもらえないのが普通です。この時期までには主治医に紹介状を書いてもらい、希望の医療機関を一度受診しておきいたほうが良いでしょう。

ただ、産院によって、一回目は妊娠何週までと決まっているため、あらかじめ確認しておく必要があります。また、転院はいつまでにすればよいかも聞いておくようにしましょう 。

妊娠17週の注意点

食事の摂り方を意識してみましょう

つわりがおさまり、食欲が出てくるこの時期。つわりのときのように、食べたいものを食べるという食生活はそろそろ見直すべきころです 。

妊娠中期からは、ママのエネルギー消費量に加え、赤ちゃんのエネルギー消費量を確保する必要があります。それに合わせて妊娠中期以降の食事の摂り方が変わります。妊婦健診を受けている医療機関でも指導があるはずですが、厚生労働省が示す「妊産婦のための食生活指針」で具体的に見ていきましょう。

妊娠中期の推定エネルギー必要量は、非妊娠時より250kcal多くなります。主食と牛乳・乳製品はこれまで通りにとり、副菜、主菜、果物の摂取量をそれぞれ増やすようにしましょう。副菜は野菜や豆、キノコ類を一品増やします。たとえばほうれん草のおひたし、具だくさんの味噌汁など。主菜はタンパク質を中心にし、メインの料理の他に目玉焼き、納豆、冷ややっこなどを一皿追加します。果物は、みかん、柿、桃なら一個、リンゴやナシは半個、ブドウなら半房増やしましょう[*3]。

吐き気がぶり返すことも

つわりがおさまり、食が進むようになったのもつかの間、今度は子宮が大きくなってきたことで胃や肺が圧迫され、吐き気がぶり返すことがあります。

食道の下側が押されて、食道と胃をつなぐリング状の筋肉、胃食道括約筋がうまく働かず、胃酸や食べものが逆流するためです。妊娠中に分泌量の多いホルモン、プロゲステロンやエストロゲンに筋肉を緩める作用があることも影響しています。

消化の悪いものを避ける、何回かに分けて食事をする、食べてすぐ横にならないなど、食事にもまだ工夫が必要です。

風疹にかかったら? 

風疹は風疹ウイルスが原因の感染症で、発熱、発疹、耳の後ろの腫れなどの症状が出ます。妊娠中でなければ、それほど心配のない病気ですが、抗体を持たない妊娠中のママがかかると、胎盤を通しておなかの赤ちゃんにも感染します。赤ちゃんに感染する割合は、妊娠12週未満で80~90%、妊娠18週以降の感染では約40%に下がります[*4]。

「抗体を持たない」とは、風疹ワクチンの接種を受けていない、あるいは一度も風疹にかかったことがないという意味です。通常は妊娠初期の血液検査で 、風疹の抗体検査も調べます。

赤ちゃんへの影響は、ママがかかった時期が妊娠何週かによって違います。妊娠20週頃までにママから赤ちゃんに風疹がうつると、赤ちゃんが難聴、白内障、心臓病などの先天性の病気(先天性風疹症候群/CRS)を持って生まれる可能性があります。いちばん多いのは難聴です。妊娠初期に母子感染した場合は、流産や死産になることもあります。また、生まれたときはこれらの病気を発症していなくても、あとになって発症する場合もあります。

ただ、CRSの可能性は妊娠12週までに感染した場合がもっとも高く、妊娠18週以降の感染では、赤ちゃんがCRSを発症することはほとんどないと言われています。

妊娠中に風疹にかかったことが疑われたときや身近に風疹に感染した人が出た場合は、すぐ、かかりつけ医を受診するようにしましょう。

風疹の予防でなにより大事なのは、妊婦さん自身が妊娠する前に予防接種を受けておくことです。また、夫や子供などの同居する人も抗体検査をしたうえでワクチン接種を必ずするようにしましょう。

風疹は、とくに、20代から50代までの男性に抗体を持たない人たちが多くいます。そのため厚生労働省は風疹の予防接種を受ける機会がなかった1962年4月2日~1979年4月1日生まれの男性に対して、2019年春から3年間、無料で予防接種を受けられる対策をとっています。ぜひ利用するようにしましょう。

まとめ

つわりもおさまり、一般に“安定期”と呼ばれる妊娠中期に入ると、気持ちが楽になりますね。ただし、何をしてもよい時期に入ったというわけではありません。安定期であっても流産や切迫流産の可能性はまだあるので、旅行や激しい運動は控えましょう。赤ちゃんはお腹の中でぐんぐん大きく育っているところです。食事の量やバランスに気を配るようにしましょう。

(文:山崎ひろみ/監修:中林稔先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1]厚生省心身障害研究班報告書(平成3~5年度)
[*2]日本産婦人科学会 監修, 『Baby+お医者さんがつくった妊娠・出産の本』, 身体の変化と胎児の成長まるわかりシート
[*3]厚生労働省 妊産婦のための食事バランスガイド
[*4]『病気が見える Vol10 産科』第3版 メディックメディア p204~206

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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