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2023年01月16日 15:08 更新

【医師監修】つわりの終わりごろの症状ってどんな感じ? 妊娠何週ごろにつわりは終わる?

妊娠した女性の5〜8割が妊娠初期に経験するつわりはいつごろまで続くのでしょうか。また、つわりが終わるとき、何かサインはあるのでしょうか⁇ 今回は“つわりの終わり”にフォーカスしてまとめます。

つわりの症状はどんなかんじで終わる?

ご飯を食べる女性のイメージ画像
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つわりは、ある日突然症状がなくなるというよりは、徐々に軽くなっていくケースが一般的です。ただし、つわりの症状は個人差が大きく、同じ人でも妊娠の度にその具合が違うことも多いので、終わり方も同様に個人差が大きく、自分の経験とは異なることがあります。

妊婦さんの中にはつわりが終わる兆候があったという人もいる一方、終わったと思ったらまたぶり返し、行きつ戻りつ何度かの揺り戻しがあって終わったという声もあります。本当に個人差が大きいですね。

終わりの兆候としてあえていうなら、例えば「つわりの時期には匂いの強い肉料理などを作るのが辛かったけど、気づけば平気になってきた」などは、つわりの終わりに近づいて症状が軽くなってきたといえるかもしれません。

(松峯先生)

その他にも、
「食べられるものの種類が多くなった」
「食べられる量が増えた」
「気分が悪くない時間帯が少しずつ増えていった」
「空腹だと吐き気がしていたが、お腹が空いても平気になった」

などの変化を、つわりの終盤に感じた人もいるようです。
食事を美味しく食べられるようになるのも、もう間もなくかもしれませんね。

つわりの終わりの時期っていつごろ?

考える女性のイメージ画像
Lazy dummy

妊娠の初期に起こる吐き気やおう吐などがある「つわり」、このつらさはいつまで続くのでしょうか? まずは一般的な目安の期間を知っておきましょう。

一般的には妊娠12〜16週ごろにおさまってくる

水が入ったコップを手に取る女性のイメージ画像
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つわりの期間は、一般的には5〜6週ごろに始まり、12〜16週ごろには症状が消失するとされます。子宮の中で赤ちゃんを育て、養う臓器である「胎盤(たいばん)」が完成するころに終わる人が多いですが、消化器の不快な症状が妊娠期間を通じて続くこともあります [*1] [*2]。

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つわりの時期について、詳しくは以下の記事を参考にしてください。
関連記事 ▶︎つわりのピークはいつまで?
関連記事 ▶︎つわりが辛い!いつまで続くの?

症状が長引いたら?

つわりの時期はつらいものですが、あくまでも一時的なもので治療の必要はありません。

ただし、食事や水分を受け付けず、一日中何度もおう吐を繰り返してしまうなどの場合は、つわりのような一時的なものではなく、 治療が必要となる「妊娠悪阻(にんしんおそ)」という病気の可能性もあるので、産院に相談しましょう。妊娠悪阻は母子の生命の危険につながるリスクになることもある病気で、早期受診が大切です。

なお、不快な症状が「長引く」という意味では、妊娠週数が進むにつれどんどん大きくなる子宮が胃などを圧迫することなどによって、つわりとは異なる理由で消化器症状が出る場合もあります。それについては後ほど解説します。

妊娠中期以降に「つわりがぶり返す」3つの理由

つわりが終わった後、妊娠中期や後期に再び吐き気やおう吐などの症状が起こる場合もありますが、それはつわりではありません。

後期つわり」という言葉を知っている人もいるかもしれませんが、これは医学用語ではなく、ネットなどでの造語で、後期につわりとは呼びません。

妊娠中期や後期の症状の主な原因は次の3つです。

1. 大きくなった子宮が胃や肺を圧迫する

お腹を出している妊婦のイメージ画像
Lazy dummy

週数を追うごとに大きくなる子宮は、妊娠中期の5ヶ月末(19週の終わり)には小児の頭大ほどに大きくなっているため、胃や肺を圧迫するようになります[*1]。

2. 胃の内容物が逆流しやすい

ホルモン分泌の影響で食道と胃の境目にある「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という筋肉がゆるむため、胃の内容物が逆流しやすい状態です。そうなると気持ちの悪さを感じるでしょう。

3. 寝不足やストレスが強くなる

お腹が大きくなったことで寝苦しさを感じる場合が多く、眠りが浅くなり、寝不足やストレスが強くなります。

ストレスや寝不足はm気持ちの悪さや吐き気といった消化器の不快な症状の原因になります。

妊娠後期の消化器症状の対処法は?

妊婦の消化器症状の多くは妊娠と関係があり、病的な症状ではなく生理的なものですが、まれに病気による症状であることもあります。

吐き気のほかに、胸焼けや喉焼け、呑酸(どんさん:口や喉まで酸っぱい液がこみあげる感じ)、発熱、血圧の上昇、頭痛、腹痛など複数の症状があるときは産科を受診して原因を確かめ、必要な治療を受けましょう。

症状が吐き気・おう吐だけの場合は、産科で「妊娠悪阻」ではないことを確認したうえで主治医から症状を軽減するためのセルフケアについてアドバイスをもらい、暮らしに取り入れて、つらい症状を緩和していきましょう。

一般的に消化器症状をまねきやすいとされる「甘いもの」「脂っこいもの」「炭酸飲料」などを控える、「分割食(1日4または5回×半人前〜0.7人前程度)」にするなど生活の中ですぐできるセルフケア法もあります。

まとめ

草原を散歩する女性のイメージ画像
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今回ご紹介したような「なんとなく軽くなっている感じ」があれば、ママのつわりが良くなる日も近いでしょう。
つわりの終わりは一般的に妊娠12〜16週ごろで、“フェードアウト”タイプであることが多く、特別な兆候もとらえにくいようです。気になることがあれば妊婦健診の際などに主治医とつわりについて話しておくといいかもしれません。
ただし、人によってはつわりの症状が長引く場合もあり、そのようなときは原因を確かめるために早めに受診しましょう。

(文・構成:下平貴子、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです

参考文献
[*1] 病気がみえるVol.10産科 第4版 , メディックメディア, 2018.
[*2] 「臨床婦人科産科 2018年 4月号増刊号 産婦人科外来パーフェクトガイド? いまのトレンドを逃さずチェック! 」, 医学書院, 2018.
[*3]厚生労働省「リーフレット“妊婦健診”を受けましょう」
・産婦人科診療ガイドライン―産科編, 日本産科婦人科学会, 2017.

※この記事は、マイナビ子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます

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