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男運が悪い女が大共感。『気遣いを恋と勘違いする男、優しさを愛と勘違いする女』書評

#アラサー女子の人生参考書

ミクニシオリ

仕事、結婚、からだのこと、趣味、お金……アラサーの女性には悩みがつきもの。人生の岐路に立つ今、全部をひとりじゃ決め切れない。誰かアドバイスをちょうだい! そんな時にそっと寄り添ってくれる「人生の参考書」を紹介。今回は、『気遣いを恋と勘違いする男、優しさを愛と勘違いする女(関口美奈子著・KADOKAWA)』を、ライターのミクニシオリさんが書評します。

あなたの周りには、いつもツライ恋愛をしている人はいますか? またはあなた自身、ツライ恋愛を呼び寄せてしまったことはありませんか?

人間は根本的に、クセや自分のルールで行動してしまうものです。しがちなミス、陥りやすい罠には法則があり、あなた自身が作り出してしまっている「いつもの自分ルール」に原因がある場合も。

クセは簡単に治らないかもしれませんが、改善の第一歩は、そんな自分を客観視してみること。指摘されてはじめて気づく、良くないクセもあるかもしれません。

【この本を読んで分かること】

・「悲恋」ばかり呼び寄せる人が持つ「悪いクセ」
・初対面でも小手先のテクに騙されず「本当にいい人か」見抜く方法
・恋活以外にも生かせる「人にモテる」コミュニケーション術

「グレーな関係」に慣れすぎていた女性も納得!

私の友人にも、いつもツライ恋愛をしてしまっている子がいました。本人は本気で恋愛しているつもりなのに、後から相手が既婚者だと分かったり、いつまでも本命に昇格させてもらえず、グレーな関係をダラダラ続けてしまったり……。素直で親切ないい子ではあるので、友人グループの中で長年「シンプルに男運が悪いよね」と片付けられてきました。30歳を迎えてやっと焦りを感じてきた友人は、ある本を読んで大きな感銘を受けたといいます。

『気遣いを恋と勘違いする男、優しさを愛と勘違いする女(関口美奈子著・KADOKAWA)』は、表紙のイラストからして「あるある」すぎて、思わずニヤニヤしてしまいます。この本は、表紙イラストのような、男女のよくあるすれ違いを紹介しながら、恋愛が上手くいかない理由を丁寧に学ぶことができる一冊です。

本を読んだ時に喝を入れられているように感じないのは、著者である関口美奈子さんの絶妙な語り口調のおかげ。銀座ホステスとして9年間働いたのち、婚活アドバイザーとして活動されている関口さん。指摘するべき点はしっかりと言及しながらも、本の向こうでは「がんばりましょうね、うふふ」と微笑んでいるような、ちょうどよい距離感で私たちに語りかけてくれます。

友人は、周りにどう言われても自分の恋愛を貫き通したいタイプなので、そもそもこういったアドバイス本を手に取っていることが意外でした。

「最初はこういう本、苦手だったんだよね。独身女子の家に婚活系の本が置いてあるのも、なんかイタイなって思ってたし」と話す彼女ですが、ではなぜ本を手に取ったのかと聞くと、心理学に興味があったのだと言います。

この本は「相手の本性を見抜き、最高のベストパートナーを見つける」ことがテーマとなっているのですが、方法論は心理学と人相学をベースに語られていきます。「エビデンス? ないけどソースは私!」とでも言わんばかりの恋愛本より、コミュニケーション全般に生きそうと思えたのだそう。

「騙されやすさ」には原因がある?

「男女のよくある勘違い」から始まって「パートナーに選ぶべき異性像」「モテる人に騙されない方法」「相手との相性の確かめ方」など、実践的な内容も語られていきます。本の序盤でまず、生物としての男女の違いを再認識し、自分が引っかかりやすい恋愛のトラップを確かめることができます

友人は前半部分から、何度も「これ、私のことじゃん」と思わず口に出してしまったそう。

「特に心を掴まれちゃったのは『相手の本性と嘘を見抜く』のチャプター。男運がないことは自覚してたけど、それだけじゃなく私自身、男につけこまれる弱さがあったんだって初めて知ったの。自分のことって自分じゃ分からないし、恋愛してる時って盲目だから、彼にもいいところもあるしって思い込もうとしてた。なぜそう考えちゃうのか分かって、やっとこれじゃだめなんだって思えた」。

今まで何度も彼女には「いい人すぎじゃない?」「またあなたが損してるよ」と指摘していたつもりだったけれど、さして響いている様子もなかった彼女が、自らを省みていることにまずびっくり。友人から情緒的に指摘されても響かないという人は、本で自分を内省してみる方が前を向きやすいのかもしれません。

周りからは「男運がないのは、あなたのクセでもあるのでは?」と見抜かれていても、自分で納得できないことには自覚的に向き合うことができません。心理学という明らかなソースをベースに悪いクセを指摘されたことで、友人も「自分に原因があったんだ」と認めることができました。

友人が感銘を受けたという『相手の本性と嘘を見抜く』の章では、恋愛で失敗しないための直感力の磨き方や、モテる人がよく使っている恋愛のテクニックなどが紹介されています。

「直感力なんて磨きようがなくない?」と思うかもしれませんが、本性や嘘の見抜き方を学んでいくと、関わってはマズイ異性を見抜けるようになる、と関口さんは言います。初対面の相手のどこに着目するべきか分かれば、相手に小手先の恋愛テクニックを使われても、騙されづらくなるということです。

人を見る目、直感力を磨くと、恋愛以外のさまざまなシーンでも役立ちます。ご近所付き合いでも同性との交流でも、関わってから「やらかした」と気づくことになってしまう人間関係はそこかしこにあります。

婚活・恋活していなくても参考になる「コミュニケーション術」

私自身はもう恋活をしていないのですが『運命の相手を見極める』のチャプターは、人と関わる機会の多いアラサー女子なら、誰でも参考になると感じました。関口さんは、人と人が仲良くなるためには適切な段階を踏んでいく必要がある、と語ります。これは恋活に限らず、同性同士や職場関係など、あらゆる人間関係の中でも生かせると感じました。

早く仲良くなりたくて、踏み込みすぎると引かれてしまうし、相手に気を使って踏み込まなすぎても、気まずいまま終わってしまう。人と仲良くなっていくのに適切な順序、リズムを知れば、恋愛以外のさまざまなコミュニケーションの中でも生かすことができます。

さらに、関口さんの語りぶりを見ていると、恋愛上手とはコミュニケーション上手な人のことを言うのだな、と再認識させられました。自分と本気で向き合う気のない人や浅はかな人を見極め、本当に仲良くなりたい人には、上手くお互いに自己開示をし合う……自然に行うことができれば、あらゆる人間関係の悩みがなくなるはず。

恋愛に向き合っていない時でも楽しく読めたし、人相学に関する情報も参考になりました。友人同士で、互いの人相や付き合っている彼の顔が「ダメ男・ダメ女」に当てはまっていないか確認するだけでも盛り上がりますよ。

(ミクニシオリ)

※この記事は2023年09月24日に公開されたものです

ミクニシオリ

1992年生まれ。2017年にライター・編集として独立。芸能人やインフルエンサー、起業家など、主に女性に対するインタビューを多数執筆。恋バナと恋愛考察も得意ジャンル。ハッピーとラッキーがみんなに届きますように。

Twitter:https://twitter.com/oohrin

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