【第2話】スラム江ノ島でトンチキ男が大集合! 恋とツッコミが止まらない夏
恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、月9ドラマ『真夏のシンデレラ』(フジテレビ系)を毎週考察&展開予想するコラムです。真夏の海で運命的に出会った男女の恋愛群青劇を描く同作。学歴も環境も異なる彼らにこの夏、一番の恋の予感!? 8人の男女が真夏の海で織り成す恋愛模様を考察します。
※このコラムは真夏のシンデレラ2話までのネタバレを含んでいます。
匠、お前もでっかいのにすぐ見えなくなるな?
幼馴染に長年密かに恋をする夏海(森七菜)は、そのお相手、匠(神尾楓珠)と地元のお祭りに行くことに。そこは「迷子になられたら困る」と突然手をつなごうとする匠。ごめん、えっと、前回夏海から告白されたの記憶喪失されてます? という、無神経ムーブ。
夏海が告白をドッキリかのようにして誤魔化したので、ノーカン扱いなんでしょうか? 多少でも「あれって……」とか心に残ってたら、こっぴどく振った相手に気を持たせそうなこんなことできません。
振り方も「女として見れない」というド直球で、「友達でいたい」とかもっと言葉選べたであろうに自分の気持ちそのままに投げてくる感じが、よく言えば不器用。悪く言えば無神経。
愛梨(吉川愛)が言ったように、なんも深くは考えてない感じで、悪気なく自分の本能のままに従う直情的なタイプです。
でもそういう予定調和を狂わせるタイプこそ、ドキッとして心惹かれちゃったりするんですよね〜。
しかしこの後、「お前ちっちゃいからすぐ見えなくなる。」と夏海に言っていたのに、突然大好きな先生(桜井ユキ)を発見した瞬間追いかけて失踪、夏海を放置。「お前こそでっかいのにすぐ見えなくなる。」状態になる伏線回収は最高でした。夏海、よくブチギレないな! 匠こそ迷子にならないよう手つなぐどころか、リードでもつないでおく必要あり。
こんな二択選択肢にもならん。健人一択でしょ
どんな関係だったのかはまだ明かされていませんが、匠が一方的に追いかけ、先生は距離を置こうとしています。直情的な匠は、先生の旦那にもマウントを取ろうとし、「(自分は)ただの教え子じゃない!」と喰ってかかるのも、なかなかホラー。夏海は匠の気持ちを理解しているようにも見えますが、空気読めないほど真っ直ぐすぎる姿を見ても恋は冷めないのでしょうか?
悪いことは言わない。夏海はもう天秤にかけるまでもなく、大企業御曹司・東大卒・心穏やか・優しさライセンス1級・健人(間宮祥太朗)一択。
先生と匠は過去に何があったんでしょうね。先生は匠にあれだけ長時間自転車修理させたのに、お礼に飲み物の一本もよこさず「ありがとう〜」で済ませたのも、なかなか不義理なやつだな? と小姑は見てるぞ!!(恐怖)
治安がマジで昭和・スラム江ノ島
匠が失踪した後は、偶然出会った健人やいつものメンバーとお祭りを回ることになった夏海。前回の、ぶつかっただけで「金持ってそうだな?」と絡んできた輩しかり、なぜかこのドラマの江ノ島、治安がバカ悪い。かつあげとか横行していて、ジャンプして小銭がポケットに入っていないか確認されそうなほど、治安が昭和。
そんなスラム江ノ島の祭りで、愛梨(吉川愛)は元彼と出会います。浮気された、と話していたので、チャラい系のクズかと思いきや、さらに輩&DV要素まで加わりもうド底辺。
「遊ぼうぜ」と無理やり力づくで愛梨を連れていこうとする昭和ムーブ発動。
夏海や健人では力で歯が立たず、突如帰ってきた匠がすごみをきかせて無事撃退。
力がものを言う世界。スラム江ノ島は我々の知る江ノ島とのパラレルワールドか何かでしょうか。江ノ島水族館あたりで頭ぶつけたらその世界に行けますか? ところで匠お前どの面さげて帰ってきたんだよ。
匠、夏海の幸せを語る権利ねーぞ!
「送ろうか?」と夏海の帰り道を心配する匠。二人で帰るのかと思いきや、匠、夏海、健人の3人で並んで夏海の家まで帰ってるの笑いました。そこは夏海と匠二人で帰る流れ! 健人が空気読まずに3人になったのか、それとも健人も輩にやられそうになってたから、匠が二人まとめて守ってあげてるってことですか?
二人の護衛を従えた夏海が帰宅後、健人と匠でのマウント大会開催。
匠「守れもしないのに夏海にあんまり近づくなよ」と「パワーis No.1」というスラムの常識を盾に健人を蹴散らそうとします。
視聴者的には「自分の恋心」という欲求を最優先して夏海を放置し、我慢や悲しみを頻繁に強いているお前が言えるセリフじゃねぇ。ましてや告白を断っており、夏海の気持ちに答えられないくせに、夏海が誰かと幸せになる可能性を潰そうとするとか、本当に夏海の幸せを願っているとは思えません。
よそ者を自分たちの世界から、ただ排他したいのか、夏海を取られそうになって焦っているのか。
匠、顔面以外いいとこないけど大丈夫そ?
健人ももちろん負けていません。「そっちこそ彼女を振り回しているんじゃないの?」と、ど正論でぶん殴ります。ありがとう健人。最高だよ。
加えて、匠は心を寄せる先生からLINEの返信がなく、ヤキモキした勢いで夏海にキス。何も考えてないキャラにしても、自己中&感情でしか生きていなすぎてちょっと無理みが募りすぎてきました。動物かな?
自分は死ぬほど夏海を振り回して、恋心に責任も取れないのに、健人を夏海から遠ざけようとするとか、もはや健人応援派としては夏海と健人の恋路を邪魔する男にすら見えてきました。
ここまでで、匠に顔面以外のいいところが見つからないんですが、夏海は匠の何に惹かれてるんでしょうか? ビーサン修理要員? ビーサンも新しいもの手に入ってそれも不要ですし、やっぱり健人一択ですね。壊れたら健人が永久に新しい物を買ってくれるでしょう。愛梨には一層夏海に健人をプッシュしていただきたい。
このペースでサプライズされると夏海全身くじらファッションなる
健人ってめちゃつくしてくれるタイプですよね。
振り向けば背後にいるレベルで、夏海の界隈をうろついてるのはちょっと面白いんですが、射的のくじら景品も「夏海が欲しがってたから欲しかった」と頑張って取ってくれたり、花火に参加できなかった夏海のために、花火を持って駆けつけてくれたり、くじらのプロジェクションマッピングサプライズをしてくれたり、ひたすら夏海のことを考えてくれているのが最高。
このペースでくじらのサプライズプレゼントされ続けたら、8話目あたりには全身くじらファッションに身を包んだ夏海が爆誕しそうな勢いです。
そして何よりメンタルが安定している。輩に絡まれようとなんだろうと、声を荒げたりすることなくいつも心穏やかに冷静に夏海に寄り添ってくれているのが素晴らしい。いつも周りのことばかり世話を妬いている夏海にとって、唯一世話を焼いてくれる存在なのではないでしょうか。
半径3mの世界から連れ出してくれる健人
半径3m以内の人を幸せにしたい、をモットーに生きる夏海。
半径3mの幸せが詰まったくじらのプロジェクションマッピングトンネルから、「半径3mより外の世界も見に行かない?」と、トンネルを出て海を見に誘った健人。これは言葉通り海へ行く誘い、のほかに、江ノ島の狭い世界に生きる夏海に、これからもっと広い世界を健人が見せてあげる、というストーリー上の意味も含まれた、大きな意味のあるセリフなのでしょう。
周りのことばかり考えている夏海に「自分を半径3mに入れてもいいんじゃない?」という気づきをくれたのは、夏海の世界が広がるきっかけになりそうですね。
匠との手つなぎは拒否ってた夏海ですが、健人とは自然につなげていました。夏海の気持ちも少しずつ変化が訪れているのでしょうか。
変態ライフセーバー、あたおかライフセーバーだった
クリーニング店店員・理沙(仁村紗和)の命を助けてくれたはいいけど、なぜか初対面かつ下心ない相手の前でも全裸就寝ポリシーを貫いていた変態ライフセーバー・宗佑(水上恒司)。
あれから理沙とはクリーニング店で客として再会したくらいなのに「あの日からずっと考えてた。好きだ。付き合おう。あんた危なっかしいから守ってやるよ」がホラーすぎて背筋凍りました。
一方的に思い募らせすぎて、ストーカーみあります。危なっかしいって今のところ、一度海に落ちただけですし、また機会がございましたら、ライフセーバーとして守っていただければと思います。失礼します。って感じなんですが、理沙の恋始まっちゃうんですか?
それともこのクソ治安悪い江ノ島だからこそ、女性は守られて然るべきであり、「守ってやる!」はよくある告白なんですか? 匠も健人に守れんのか的なたんか切ってましたし……。ここの変態キテレツラブも目が離せません!
修(萩原利久)と守(白濱亜嵐)も愛梨への恋が始まっているようですし、ライバルとして友情と恋がどう進展していくのかも楽しみですね。また次回!
(やまとなでし子)
※この記事は2023年07月24日に公開されたものです