【Ep.7-8】復縁の概念が変わる! 地雷まみれの苦行と愛と感動のラスト
俳優・プロアスリート・経営者など、華麗な肩書きを持つ10人の男女。でも実は彼ら……全員が誰かの元恋人! 次の恋のお相手は“新たな恋人”か? それとも“忘れられないアノ人”か? 「終わった恋には未練ゼロ! 復縁なんてありえない派」と「もう一度よりを戻したい……未練アリアリ派」が入り混じり、究極の二択に向き合う新感覚恋愛リアリティ番組「ラブ トランジット」を、コラムニスト・やまとなでし子さんが考察します!
※このコラムは「ラブ トランジット」最終エピソードまでのネタバレを含みます。
常に戦争の火種が撒かれまくっている交際
ケンカの絶えないプロアメフト選手・よしひとと、スキンケアブランドマーケティング担当・ルカ。2人はお互いの価値観が違いすぎて、異文化交流レベル。
デートに行けば、2〜3分が「待たせた」になるのか否かで、戦争でも起こるんじゃ? ぐらいの見てられないピリつきレベル。全てが本当に些細なきっかけなのですが、ルカは「好きな人のちょっとも待てないの?」とブチギレ。好きならなんでも許せるはず! という考え方は、まさに生粋の姫。
「(待たせたことに対して)俺に迷惑はかけてないって言ったやん」というよしひとの言葉の「俺に」が気になったんですが、「俺はいいけど、撮影上のスケジュールとずれてくるから、スタッフさんに迷惑かけてるよ?」というのが意図なんでしょうか。さすがアメフト選手。撮影のチームプレイも大切にする、シゴデキっぷり。
若干みんなの頭に“?”が浮かんだキャッチボールの例えも、キャッチボール自体を2人のチームプレイと考えていて、他人にボールが当たったら、メンバーみんなに責任あるから全員で謝るべき、という意味で、多分「撮影に迷惑かける」という言葉を直球で口に出すと、映像が使えなくなる可能性が出て、撮影に迷惑をかけると思っての謎例えだったのではないでしょうか。
ルカの「Calm down〜」を大音量再生したい場面続出
2人のやり取りは、多くが「言葉が足りずに起きてるもったいない喧嘩」に見えます。よしひとの伝え方の場面は映っていないのでわかりませんが、もしかするといつものように言葉がぶっきらぼうで説明が足りていなかったのかもしれません。
ルカはルカで「こういう理由で2〜3分待って欲しい」という一言があれば、よしひとの対応もまた違ってきそうです。「急いでー」→急かされた!→ブチギレ!と、察することを求めて色々と間のやりとりをすっ飛ばして喧嘩しているように見えてしまい、コミュニケーション不足に見えます。
その後も、ルカがブチギレて車のシートに無言で目をつぶり瞑想を始め、「あれ?? 画面止まった?」と一度再生ボタンを確認するほど無の時間が訪れるのですが、耐えきれず苦なったよしひとが「いける?」と聞くと、またここで喧嘩再燃。
「なんで深呼吸さえさせてくれないの?! まじで自己中! なんなの?」とルカに火をつけてしまいます。まじであの瞬間はルカの「Calm down〜」をご本人に向け大音量再生したかった。
目隠しされて地雷原歩かされてるよしひと
これもルカの「今は無理、待って」の一言で済むと思うんですが、ルカは自分が納得する言葉じゃないと全て喧嘩と捉えてしまい、目があっただけで「メンチ切られた」と喧嘩おっ始める昭和のヤンキーばりの血の気の多さ。
別によしひとは自己中でもないんですが、(この「いける」? も撮影時間と工程を配慮してのものでしたし)ルカとの考え方が違いすぎて地雷しか踏めない。
気遣いってある程度考え方が同じことが前提として、先周りして想像することでできるものだから、考え方が違いすぎると何が配慮になるのか全くわからない。
しかも全ての正解が針の穴を通すように細かすぎて激ムズなので、まじでよしひと目隠しされて地雷原歩かされているような感じで、見ていて痛々しい。
ルカが「あなたはいつも小さいことで喧嘩を始める!」というんですが、多分よしひとにとってそうではない一言を喧嘩と捉えていて、はたから見るとルカが喧嘩を始めているように見えるんですよね。
どっちが悪い、ではなくひたすら相性の違いに尽きる。まじで相性が水と油すぎて、一緒にいることで嫌なところを引き出し、お互いの自己肯定感を下げる付き合いになっているのが見ていて苦しい。
地雷原まじでわかんねぇ
よしひと「朝食何作ってんの〜? 俺の分も?」ルカ「北海道チーズ(パンに)のせたの。食べたい?」よしひと「いやいいわ。ありがと」のくだりとか、「What⁉︎ 人が作ってあげようという気持ちになったのになんなの??! 米派?! 一生米だけ食っとけよ!!」と英語でルカがブチギレるのかと思ったらそこはセーフなんですね。でもってよしひとは北海道チーズがダメだったの? それともパン? のやりとりだけ見ても、まじで人の価値観ってわからないし難しい。
しかし、ルカはよしひとが弱さを見せた一面にほだされ、2人は復縁。一途にルカを思い続けたよしひとの気持ちが叶いました。
でも、この2人のスタートはここから。この問題を解決するのは時間がかかると思います。歩み寄りながら、時間をかけてお互いをもっと理解していくことで、きっとCalmな交際になっていくのでしょうね。お幸せに!
誰しもが答えを予想できたありさへの告白
JD・ありさの告白を受けるシーンはもう予想もクソもない。モデル・きょうへいから告白は、全く目を合わせず、どこか遠く一点を見て真顔なんですが、経営者・ダイキからの告白は目を見ながら嬉しそうにキラキラとした表情で聞いていて、答えが丸わかりで、一ミリもドキドキしませんでした。
きょうへいのラブレターは紙一枚にデカデカと「好きや……」の3文字オンリーを期待したんですが、ちゃんと素敵なメッセージでしたね。
ありさは全てが顔や態度に出ますね。例えばドライブデートもダイキとは「免許ないの? 俺が(車で)すぐ行く」とタクシー宣言にキュン顔。一方きょうへいとのドライブデートでは、なぜかきょうへいは「車慣れたんで引越しの時は頼ってください!」となぜか謎の引越し限定。そこは「どこでも駆けつけるよ、だろ!」と誰しもがつっこんだ場面で、ありさが自ら「じゃあもうタクシーに使います」とダイキの時とは全く違う1ミリもトキメキ感のないトーンで「お前私の足な?」宣言。
ありさの声、表情が全く違いすぎて、何においてもきょうへいの可能性がなさすぎるのが丸わかりでしたね。足扱いでもでも嬉しそうなきょうへいがピュアすぎました。可愛いやつめ。
告白シーンの見どころはダイキの「ガムテープ貼ってうっかり放置しちゃったら、跡ついちゃってた」系デニムパンツと、恋に敗れたきょうへいの熱い涙ですね。頑張ったねきょうへい。この旅がきっと彼を成長させたことでしょう。
そしてダイキ・ありさ、おめでとう!
マサシ、あみでもえりでもなく、こうへい迎えにいくサプライズ
元カレ・キャンドルマサシを一途に思い続けた看護師・えりは、復縁が絶望的、と思われた中でまさかのどんでん返し!
マサシは美容師・こうへいに、「こうちゃんのおかげでみんなと話せるようになった」と、メンバーに馴染むきっかけをくれたこうへいに感謝と愛を語っていました。なので、マサシがバスを降りた先にはこうへいが待っていて、「こうちゃんのおかげで、みんなと話すどころか、ソロリサイタルで弾き語れるほど心を開けたよ。ありがとう。」と告白のち一緒に帰宅するのかと思いきや、こうへいでもあみでもなく、えりが待っていて驚きました。
最後にマサシはもう一度、あみ、えりそれぞれとデートしていましたが、えりの方が空気感やノリがあっているというか、見たことのない素のマサシがよく出ていて、「あれ? えりの方がいいんじゃない?」と思った方も多いのでは。
一途に思い続けたえりの気持ちが伝わったどんでん返しのラスト。
他を見た上で改めてまさしが、えりだと結論を出せたこと、別れた本当の理由や、お互いに配慮すべきことをきちんと再確認できたこの旅は、2人にとってとても大きな絆になったのではないでしょうか。
この旅では悲しい顔ばかりだったえり。マサシはその分これから笑顔になれるリサイタルを開催して、たくさんの幸せを灯してあげて欲しいです。選曲はまずX JAPANの『紅(KURENAI)』あたりでまさしの穏やかな殻をぶち破りつつ、テンションぶち上げましょう!
みのもんたばりの焦らしとカイジで真顔無双できそうなあみ
こうへいが向かうのはもちろん、Xであるアパレルディレクター・あみ。こうへいの熱くまっすぐな告白を聞くあみの顔がポーカーフェイスすぎて、どっちに転ぶのかハラハラしながら答えを見守り続けました。
顔面が全てを物語るありさとは真逆で、あみは感情が一切顔に出ないので、カイジのエスポワール号に乗っても、無表情で淡々と相手を惑わし無双するんじゃ? ってくらい、本当に読めない!
一通り、イエスともノーともつかない気持ちを語ったあと、結論は手紙を読むという、これまた焦らしにかかるスタイルで、もうこうへいも、応援する視聴者側の心臓も持ちません!! この中々答えに到達しないもどかしさ、懐かしのクイズ$ミリオネアのみのもんたの回答焦らしを彷彿とさせます。
結果、復縁が叶い、見事2人はカップルに! こうへいのまっすぐな気持ちが伝わって本当に良かった……おめでとう!
図らずも同じベクトルを向いていたこうへい・あみ
復縁を望まれていた側のマサシとあみが、復縁にあたって「過去に起こったことを見るべきじゃない。今を見るべき」と前向きな名言で決意を固めあっていたのも良すぎました……。過去は過去、変わろうと努力してくれている相手の今の姿はまた別と、相手の頑張りをきちんと評価し、理解しているこの言葉に、あみのいいところがぎゅっと詰まっていました。
そしてこうへいの「復縁したいじゃなく、新しく付き合って欲しいです」という告白。過去ではなく前を見て、今までと違う新しい2人になっていこうという決意が見えました。
こうへいもあみも、これからの2人の関係を前向きにを考えて、過去にとらわれずいい関係を作っていきたいと、図らずも同じベクトルを向いていて、「この復縁はいいものになる!」という確信をさせてくれる名場面でした。
メンバー同士の友情にも泣ける
残念ながら、リングアナウンサー・まいだけは恋が生まれませんでしたが、全員が恋に落ちていないところもまたリアルですよね。
メンバー同士の友情もまた胸にグッときましたね。「自分とルカさえ幸せならいい!」と復縁のみ目的に参加したのに、タコパ開いて楽しませてくれたよしひと。常にメンバーへの配慮と愛に溢れていたこうへい。番組を最高に盛り上げてくれた野生児きょうへいの教育係を買って出てくれていたルカ。「親友が両手で数える程しかいなかったけど、ここにきて両足まで増えた」と、いや両手十分多いから、このペースだと5年後、他人の手足も借りないと足りんぞ、とつっこみたくなったダイキ。
ここには書ききれないほどに、たった1カ月にたくさんのドラマがつまりまくってました!ぜひシーズン2待ってます!
その時はぜひ、ホカンス期間長め、話数多めで! ありさの希望通り、2年でも!
(やまとなでし子)
Amazon Original『ラブ トランジット』概要
タイトル:『ラブ トランジット』
作品ページ:https://www.amazon.co.jp/dp/B0C5BCV4M9
本予告:https://youtu.be/lGyWTew58-U
配信開始日:2023年6月15日(木)22時より配信中
※配信内容・スケジュールは予告なく変更になる場合がございます。
話数:本編8話
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※この記事は2023年07月07日に公開されたものです