【特別編】限界婚活地雷オジが教えてくれた、離婚の大切なこと

※このコラムはドラマ「あなたがしてくれなくても」最終話までと、特別編のネタバレを含んでいます。

バツイチの理由がよく分かる限界婚活地雷オジ

最終話で描かれなかった空白の数ヶ月を知ることができる特別編とのことでしたが、主に限界婚活地雷おじさんの回でしたね。

後輩・華（武田玲奈）にはめられて、このオジとお茶をすることになったみち（奈緒）。人の話を聞かない、自分の話を一方的にしたがる、認知が歪んでいて妙にポジティブ、会話の2割はおきゅうとの話、という、典型的地雷おじさん。

人の話を最後まで聞かず、全部自分の話に持っていってしまうもんだから、みちが「そろそろ（帰りましょう）」と会の終わりを促しても、後に続く言葉を「場所を変えてゆっくりお話ししましょう」に勝手に解釈し、「あ、ごめんなさい！　この後予定がありまして！」と誘ってもないのにフラれるという怪奇現象が発生。

現代文のテストで筆者の気持ち読めない系オジ

「離婚したばかりで結婚は考えていない」というみちの発言も「僕もバツイチなんです！」と「共通点！」とばかりにテンションが上がる地雷オジ。

現代文のテストで筆者の気持ちを答えなさい形の問いはALL0点だっただろ！　とばかりに、文脈読めないし、自分の都合の良い方向に解釈するなかなかの強敵。前妻の離婚理由が聞かずともよーく分かる。

コミュニケーションは取れないし、飲み物はズルズル音立てて飲むしで、逃げ帰りたいレベル。

こういう時って、オジと比較して新名（岩田剛典）や陽一（永山瑛太）が恋しくなったりするものですけど、そうならないあたりがみちが一旦恋愛に区切りをつけているからなんでしょうね。

あと、オジ、おきゅうとをやたら推すけど福岡ご出身？　でも触れると出身地の話で30分くらい持ってかれそうなので突っ込まないのが吉。

おきゅうと支給、のち即回収オジ

オジにお断りを告げようと、再度きちんと会いに行く誠実なみち。華にはめられたにも関わらず、ライン一通で終わらせず、出向くの偉すぎます。

オジは手土産の推しおきゅうとを片手に参上。みちが「会えません」と告げると、「おきゅうとお嫌いでした？」とフラれた理由を愛するおきゅうとに責任転嫁する華麗な保身ムーブ。大好きなおきゅうとが泣いてるよ、オジ……。

その後も人の話を最後まで一切聞かず、「私離婚したばっかりで……」「ですから私は気にしませんよ」と、気にしてるのはオジの気持ちではなく、みちの気持ちの問題なんですが、自分自分自分。いやあ逆に清々しい。

「前の離婚で人生設計狂っちゃったから、高望みせずに行こうと」とオジ節を炸裂。みちならいけると、みちを安く見積もっていたにも関わらずお断りを受けると、「……また時間無駄にしたな」と捨て台詞を吐き、お会計伝票放置で自分の分のお茶代も置かず、みちにあげたはずのおきゅうとを回収して逃亡。まじで心根が貧しすぎます。

多分、離婚の時、「婚約指輪やお前にかかったお金返せ！」とか、いうタイプでしょ。もう、おきゅうとと結婚しなよ。おきゅうとなら金も時間もかからないし、LINEの返信遅くても怒らないよ……。最後にとんでもない婚活モンスターをぶち込んできた予想外の展開でした。

婚活モンスターが教えてくれたこと

でもこの限界おきゅうとオジのおかげでみちは、キーケースに陽一の愛が詰まっていたことを知ったり、陽一と過ごした5年間の結婚生活は無駄なものではなかったことを再度実感したりするわけです。そういう意味でとても意味のある出会いでした。

華が以前言っていたように、「結婚しないと、（お金や相手の親、夜のことなど）分からないことはいろいろあったし、時間が無駄とは思っていない」ということを、人の離婚を失敗扱いするオジに、自分の口から言えたことは、離婚後のみちにとって、とても大きな一歩だったと思います。

華が「指輪は売るかリメイクしては？　思い出は宝石に変えて成仏させるんです」という名言を残していましたが、華の割り切った性格は本当に面白いですね。華の生き方が垣間見えるスピンオフとか見てみたいです。

どのようにリメイクするか、華におまかせなあたりもみちっぽいなと思いました。流されて生きてきたから自分の足で立ちたい、と言っていましたが、こういうところではこだわりがない元の性格が出ていて、陽一と少し似ていますよね。

海藻と回想かかってる？　え、違う？

特別編のストーリーは、海藻大好きなおきゅうとオジとのエピソード以外は、回想シーンが主でしたね。「回想」シーンの特別編だから、あのオジの大好物は「海藻」だったんですかね？　「かいそう」で韻踏む制作側のお遊び？　偶然？

何度見ても、新名の「吉野さんだけじゃないです！　うちも！　セックスレスなんだ！」（はぁはぁ）抱きしめガバァ！　の破壊力もやばいですね。新名へ多少なりとも好意がなければ、翌日から出社拒否するレベルで恐怖ですし、社内通報窓口駆け込み事案ですよ。

新名とくっついちゃうかも？　と毎週どきどきしていたあの頃が懐かしいです。

あの最終話の発表会の曲も、みちと陽一のセックスレス問題が浮き彫りになる始まりとなった、お花見中に幼稚園から聞こえてきた曲です。みちは離婚後に偶然聴くことになって、あらゆる思い出や感情が引き出されるトリガーとなって号泣したのでしょうね。陽一は発表会の曲で何か感じることはあったのでしょうか？

新名は……すいません、関係者以外はお帰りください。

特別編で分かる、復縁確定のラスト

最終話ラストでみちと陽一が仲良く歩いているシーンは、過去の回想か、はたまた現在の姿か分からなかったのですが、今回のラストでみちと陽一がよりを戻した現在の姿だということが分かりました。

「夫婦でいる意味なんてきっとずっと分からない。でも今なら分かることがある」と、婚活オジや別れていた期間を通して、陽一やセックス、結婚というものが自分にとってなんたるかを改めて考える時間となったのでしょう。

指輪が二つ並んでいましたが、結局指輪はリメイクしなかったのですね。華が気を効かせて寝かせていたのでしょうか。「いや復縁したんか〜い！」という点では、前回最終話の考察内容に私のモヤついた気持ちに戻るわけですが。

毎週ドキドキをくれた楽しいドラマに感謝を伝えると共に、考察コラムを読んでいただいた皆様にも感謝をお伝えしたいです。ありがとうございました！

Twitter上でも直接感想をたくさんいただき、ありがたい限りです。みちや新名、登場人物全員の幸せを願いつつ、また考察コラムでお会いしましょう。

（やまとなでし子）

※この記事は2023年07月06日に公開されたものです