「拝察いたします」の意味とは? 使い方と注意点、言い換え表現(例文つき)
「拝察いたします」という敬語を正しく使えていますか? また目上の人に使う場合の注意点とは? この記事では「拝察いたします」の意味とビジネスシーンでの使い方、注意点、言い換え表現について例文と共に紹介します。
「拝察いたします」とは、相手の心中や立場を察する時に使う言葉。
日常会話ではなかなか使用しない言葉であるため、意味や正しい使い方に不安を感じる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、「拝察いたします」の意味と正しい使い方、注意点を紹介します。例文もあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
「拝察いたします」とは?
まずは、「拝察いたします」の意味と、似た表現である「お察しいたします」との違いを見ていきましょう。
「拝察いたします」の意味
「拝察」とは、辞書によると以下のように説明されています。
はい‐さつ【拝察】 の解説
[名](スル)推察することをへりくだっていう語。「御健勝のことと―いたします」
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり「拝察いたします」は、相手の事情や心中を思いやるという意味の敬語です。
推察していることを、へりくだって伝える表現だといえます。
「拝察いたします」は二重敬語?
「拝察いたします」は「拝察」という謙譲語と「いたす」という謙譲語の組み合わせであることから、二重敬語ではないかと不安になるかもしれません。
しかし「拝察いたします」は二重敬語ではありません。
「拝察」は名詞であり、文章内で使う場合には動詞と組み合わせる必要があります。つまり「推察」+「する」+「ます」という成り立ちであり、「推察」と「する」それぞれの単語が謙譲語になっているため二重敬語にはならないのです。
「拝察いたします」と「お察しいたします」の違い
「拝察いたします」と似た表現として「お察しいたします」があります。
「お察し」を辞書で引くと、以下のように説明されています。
お‐さっし【▽御察し】
読み方:おさっし「察し」を、推察する人を敬っていう語。「—のとおり」「—がつく」
(『デジタル大辞泉』小学館)
つまり「拝察」も「お察し」も、相手の気持ちを思いやることについて丁寧に表した言葉です。
「お察し」が丁寧語であるのに対し、「拝察」は謙譲語であり、「拝察いたします」の方がよりかしこまった言い回しだといえるでしょう。
言葉の意味は同じなので、シーンや相手との関係性によって使い分けてみてください。
「拝察いたします」の使い方と例文
「拝察いたします」はかしこまった表現なので、文章で使われることが一般的です。
しかしビジネスシーンの他、式典や冠婚葬祭のスピーチなどでも活用できます。以下の例文を参考にしてみてください。
例文
・皆さまにおかれましては、ますますご健勝のことと拝察いたします。
・ご家族の胸中はいかがばかりかと拝察いたします。
・ご多忙のことと拝察いたします。
「拝察いたします」を使う時の注意点
前述の通り「拝察いたします」は自分をへりくだった表現です。そのため、他人に対して「拝察」を使うことは間違いです。
「拝察ください」や「ご拝察」というような表現は誤用ですので注意しましょう。
「拝察いたします」の言い換え表現
「拝察いたします」と似た意味で使える表現は他にもあります。
(1)「お察しいたします」
「お察しいたします」は、「拝察いたします」と同じ意味として使える表現です。
目上の人にも使える丁寧な表現ですが、「拝察いたします」よりもややカジュアルなので、会話の中でも使いやすいでしょう。
(2)「推察いたします」
「推察いたします」も、「拝察いたします」と同じ意味の表現です。
「拝察」は「推察」をへりくだって言う表現なので、「推察いたします」の方がカジュアルに使いやすいフレーズだといえます。
また「推察」自体は謙譲語ではないため、「ご推察の通り」など他人に対しても使うことができる言葉です。
「拝察いたします」は心中を思いやる謙譲語
「拝察いたします」とは、相手の事情や心中を思いやる時に使う敬語表現です。
日常会話で使うと堅苦しい印象を与えますが、冠婚葬祭などかしこまったシーンでも使えるので覚えておくと便利なフレーズ。
ぜひ正しい使い方を理解して活用してくださいね。
(にほんご倶楽部)
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※この記事は2023年05月19日に公開されたものです