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【Ep.11】切なさあふれる最終ドラマ

#ドラ恋10考察

瑞姫

2022年11月から配信がスタートしたABEMAの『恋愛ドラマな恋がしたい in NEW YORK』。“恋愛ドラマの共演をきっかけに恋は生まれるのか?”をテーマに、若手俳優と女優がキスシーンのある恋愛ドラマの撮影をしながらその恋模様も追いかけるリアリティ番組です。今回は、恋愛コラムなどの執筆を手掛けるライターの瑞姫さんが、毎週の配信話を追いながらガチ考察します!

(C)AbemaTV, Inc.

前回の放送では、最終オーディションに向け、ペアを組みたい相手への“本気の告白”が行われ、見事、玲弥さん×梨里杏さん、翔大さん×実憂さんの二組のペアが成立しました。

今回は、いよいよ最後のドラマを演じるペアを発表。一騎打ちのオーディションで主演をとるのはどちらのペアなのか。気になる行方、そして最後の演技で見せたリアルな心の変化に注目です。

二組のペアが見せた大きな違い

最後のドラマはindigo la Endの「夏夜のマジック」。ニューヨークで再会した、かつて恋人同士だった男女が、ひと夏の想いに身を任せて激しく熱いキスを交し、ひとつに結ばれるというストーリーです。

オーディションでは、主人公たちが再会するシーンを玲弥さん×梨里杏さん、翔大さん×実憂さんペアがみんなの前で演じ、由水先生が選ぶ形に。

注目すべきは、NYを訪れた女性は未だにどこか未練が残っている恋人に再会するも、自身は数週間後に結婚を控えているーという現実との合間に、うれしさとどうにもならないかつての恋心が揺れ動き、葛藤する“心の変化”。

(C)AbemaTV, Inc.

最初に演じたのは、玲弥さん×梨里杏さんペア。前回の放送でお互いの好きという気持ちを伝え合う“本気の告白”をし、見事結ばれた二人が見せたのは、“本気で愛しているのに、一緒になることはもうできない”という最後のドラマの主人公たちの心情と、“ドラ恋が終わるとこの魔法は溶けてしまうのではないか”という自分たちの心情を重ね合わせたような、痛いくらいに切ない演技でした。

繊細に、かつ、思わず見ているこちらに感情移入してしまうような、お互いのリアルな心情の変化が手に取るようにわかってしまう二人の演技は、思わず目が離せなくなりました。

また、オーディションの最後で、二人は何の躊躇いもなくそのままキス。私も何の疑問も抱かず見ていましたが、これはあくまでもオーディション。思わず本当にキスしてしまうほど、気持ちがお互いに向いていたことが分かります。

(C)AbemaTV, Inc.

一方、本気で最後の主演をとりに行こうと決意していた、翔大さん×実憂さんペアも感情を全てぶつけた本気の演技を見せます。ありのままの自分たちで演じようと決めた二人は、お互いの故郷である博多の方言を交えた会話をくり広げており、NYという街にいながらも、自分たちらしさを損わずにどう表現できるかを考えた結果なのかなと思いました。

“あっさり決まった”オーディションの主演

結果、選ばれたのは玲弥さん×梨里杏さんペア。由水先生は発表する前、「あっさり決まりました」と話しており、結果には圧倒的な理由があったよう。

それは、由水先生が8人へ向けて最初に言い、常に言い続けていた“リアル・ケミストリー”を玲弥さん×梨里杏さんが表現しており、「お互いの心の繋がりを一番感じた」から。お互いの心の変化や成長を、ドラマの主人公たちと重ねながらもシーンの中での物語もしっかり演じ、その境界線が分からなくなるほどのリアルな演技はさすがでした。

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思えば、最初のオーディションも、最後のオーディションも玲弥さん×梨里杏さんペアは、「オーディションで主演を勝ち取ろう!」という演技への情熱よりも、とにかく相手に向き合い、それに応えるという相手への情熱が光っていました。

由水先生は「心が動くまで動かないというか、丁寧に一瞬一瞬積み上げていったのがすごく見えた」といっており、監督も「ドラマになってましたね」とのこと。

(C)AbemaTV, Inc.

翔大さん×実憂さんペアの演技もさすがで、どちらもすごくすてき。しかし、個人的には友達からは進んだものの、まだ完全にお互いが好きという“本気の恋心”ではなく、“本気の信頼”のように感じました。例えるなら、矢印がお互いに向いているのではなく、お互いが“演技”という同じ方向に矢印が向いているような状態。

演技について由水先生は「結構最初からハイなところで(感情を)作り込んでしまったので、もうちょっと変化が見たかった」とアドバイスを送っていました。

揺らぐことなくお互いを見つめ、“本気の恋心”で挑んだからこそつかんだのだと思える納得の結果であり、最後のドラマの主演にふさわしい二人だと思いました。

うれしさよりも寂しさ、切なさあふれる“最後”

「恋は100%しない」と断言していた玲弥さん。最後のドラマの主演に選ばれた後に、「恋をしない可能性は?」と尋ねられると「5%」と回答。「95%は恋するというか、しているというか」と今の状況について話しつつも、「もっと彼女を知らなきゃいけないし、東京に帰ってどうなるか分からない」「それを一度落ち着いて考えたい」と素直な気持ちを吐露していました。

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一方、「夏夜のマジック」のストーリーが、“うそみたいな時間”を描いた表現のように感じ、NYで過ごした時間で紡いだ玲弥さんとの関係に通じる部分があるように感じたという梨里杏さん。

「私はそれ(うそみたいな時間)にはしたくない」と断言し、「このお芝居で(気持ちを)見せられたらいいなって思っています」と話します。かつてシェアハウスの中庭で二人が話していた“NY(ドラ恋)だけで終わらせたくない”という気持ちがより強くなり、“終わらせたくない”“終わらせない”というように変化したことが感じられます。

(C)AbemaTV, Inc.

最後のドラマの撮影がいよいよスタート。ドラマの撮影中も本当にお互いが惹かれ合いながらも“ドラ恋”が終わってNYから日本に戻り、“現実”に戻ってしまうことへの寂しさや切なさがドラマのワンシーンワンシーンに重なって出ているようで、序盤から見ていて思わず泣きそうになりました。

(C)AbemaTV, Inc.

また、ベッドシーンの撮影前に玲弥さんは「泣きそう」と思わずこぼしており、最初と最後の主演を勝ち取れた二人でありながらも、この撮影が終わったら共に生活をすることも、ドラマを演じることもなくなるという現実に”寂しさ”の方が強いよう。

そして迎えたラストシーン。何度も唇を重ね、お互いが今目の前にいることを実感するように触れ合う二人。これから“離れ離れになってしまう”現実を思い、涙ながらに““離れたくない”と言わんばかりに求め合うベッドシーンは、ドラマと二人の感情が強く重なり合い、情熱的でありながら切なく、見ていて本当に涙があふれてきました。

(C)AbemaTV, Inc.

カットがかかった後も、お互いに離れたものの溢れ出る涙を抑えきれない二人。丁寧にお互いを思い合ってきたからこそ積み上げてくることができた関係が、離れ離れになる寂しさに拍車をかけているようでした。

次回はいよいよドラ恋最終話。それぞれの恋の行方が明かされます。玲弥さん×梨里杏さんは「夏夜のマジック」のような“うそみたいな時間”だったのか、それともカットがかかっても解けない魔法“リアル・ケミストリー”だったのか……。そして、翔大さん×実憂さんの“本気の信頼“はどうなるのか? 最終告白の向こう側。成立した二組の恋の行方に注目です。

(瑞姫)

※この記事は2023年01月28日に公開されたものです

瑞姫

フリーランスの取材・インタビューライター、コラムニスト。主にエンタメ、トレンド、グルメ、ビジネスカテゴリで活動中。

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