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なぜ炎上するの? 日本と海外の「浮気・不倫」に対する捉え方の違い

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RCLはこのほど、社会心理学者を対象に、「浮気・不倫に対する日本人の捉え方の傾向」に関する調査を実施しました。

政治家や芸能人など有名人の浮気・不倫がスクープされると、たちまちインターネットに拡散されたり、ワイドショーで取り上げられたりして、炎上するケースが増えています。

もちろん、浮気・不倫は倫理的に許されることではなく、発覚すれば非難は免れえないでしょう。一方で、「空気を読む」という表現があるように、集団主義的心理や同調圧力が働きやすい日本社会では、浮気・不倫に対して過敏になりやすいのかもしれません。

近年、浮気・不倫報道が加熱している背景には、このような社会心理が関係しているのでしょうか?

社会心理学の観点から検証するには、専門家に聞いてみるのが最も確実な手段です。そこで今回、社会心理学者を対象に調査を実施。浮気・不倫に対する日本人の捉え方が自分の見解とどれほど一致しているのか、確かめてみましょう。

浮気・不倫報道が炎上するのは日本特有?

はじめに、日本人の浮気・不倫に対する反応に関して聞いてます。

「日本人は有名人の浮気・不倫報道に対して海外よりも敏感に反応していると思いますか?」と質問したところ、9割近くの社会心理学者が「とてもそう思う(46.6%)」「ややそう思う(39.6%)」と回答しました。

日本人は海外と比べて有名人の浮気・不倫報道に対して敏感だ、と捉えている社会心理学者が非常に多いようです。

このように、日本人が浮気・不倫報道に反応しやすい背景には、何か特有の社会心理が関わっているのでしょうか?

そこで、「敏感に反応するのは日本人の社会心理と関係していると思いますか?」と質問したところ、9割近くの社会心理学者が「大きく関係していると思う(42.0%)」「ある程度関係していると思う(45.5%)」と回答しました。

浮気・不倫報道に対して敏感に反応する要因として、日本人の社会心理の影響が大きいと考えられているようです。

では、浮気・不倫報道への過敏な反応はどのような社会心理によってもたらされているのでしょうか?

続いて、「日本人が浮気・不倫報道に対して敏感に反応する理由として近しいものはどれですか?(複数回答可)」と質問したところ、「集団主義的傾向が強いため(47.9%)」と回答した人が最も多く、次いで「倫理観が高いため(37.0%)」「公正世界信念が強いため(34.6%)」と続きました。

集団主義的傾向が強いことから、日本人が浮気・不倫報道に対して敏感だと考える社会心理学者が多いようです。

また、倫理観の高さや公正な世界信念の強さも、浮気・不倫報道に敏感な理由として挙げられています。一個人の考え方に留まらず、日本の社会全体において、浮気・不倫を厳しく糾弾する心理が働きやすいといえるでしょう。

ここで、浮気・不倫に対する日本人特有の捉え方について、具体的に聞いてみました。

集団主義や倫理観の高さから、浮気・不倫が批判されやすい!

・浮気・不倫が許容されにくい(40代/男性/愛媛県)
・日本人は外国人と比べて貞操観念が強く、浮気や不倫等のゴシップネタはとても関心が高い(40代/男性/埼玉県)
・倫理観が高く、他人の浮気や不倫を強く意識している(40代/男性/東京都)
・マスコミの過剰な報道や集団主義の国民性により、世論としてまとまってしまう(40代/男性/大阪府)

日本人は倫理観が高く、浮気・不倫に批判的になりやすいと考える社会心理学者が多いようです。

また、マスコミの報道や集団主義に影響され、浮気・不倫報道への非難が世論としてまとまってしまう一面もあります。日本特有の社会心理が、浮気・不倫を許容しないという考え方をさらに強固にしているのかもしれません。

浮気・不倫報道が注目される人・されない人の違い

日本人は、海外より浮気・不倫報道に対して敏感であり、その理由として日本の社会心理が大きく関係していると考える社会心理学者が多いことがわかりました。

一方で、全ての浮気・不倫報道が炎上するとは限らず、中にはあまり注目されないケースもあるでしょう。では、浮気・不倫報道が注目される人とされない人には、どのような違いがあるのでしょうか?

そこで、「浮気・不倫報道が大きく注目される人とされない人の違いは、日本人の社会心理と関係していると思いますか?」と質問したところ、8割以上の社会心理学者が「大きく関係していると思う(40.6%)」「ある程度関係していると思う(45.6%)」と回答しました。

人によって浮気・不倫報道の注目度に差が出るのは、日本人の社会心理に関係していると考える社会心理学者が多いようです。

ここで、浮気・不倫報道で注目される人とされない人の違いについて、社会心理学的観点から詳しく聞いてみました。

知名度や好感度が浮気・不倫報道への注目度を左右する!?

・有名人や政治家は注目される(40代/男性/東京都)
・知名度の違いに左右されると思う(50代/男性/千葉県)
・好感度が高いか低いかによる(50代/男性/大阪府)
・社会的に有名な人であるかどうかと、元々のイメージに左右される場合が多いと思う(50代/男性/東京都)

浮気・不倫をした当事者の知名度が高いほど、報道も大きく注目されると考える社会心理学者が多いようです。

また、好感度や世間から見たイメージも、浮気・不倫報道の注目度に影響を及ぼすと考えられます。特に好感度の高い有名人だと、イメージとのギャップから浮気・不倫報道が大きく取り上げられるといえるでしょう。

浮気・不倫の当事者の行動も海外とは違う?

ここまでの調査で、浮気・不倫報道が注目されるかどうかについても、日本人の社会心理と関係していると考える社会心理学者が多いことがわかりました。

有名人の浮気・不倫は、発覚後も当事者やされた側の行動について、よく話題になりますよね。先述の通り、日本では海外よりも浮気・不倫報道に敏感だと捉えられていますが、浮気・不倫が発覚した後の当事者の行動も、海外とは違っているのでしょうか?

そこで、「浮気・不倫が発覚した後の当事者(浮気・不倫をした側)の行動について、海外と比べて違いはありますか?」と質問したところ、8割の社会心理学者が「大きな違いがある(33.2%)」「若干の違いがある(47.7%)」と回答しました。

浮気・不倫の発覚後に当事者が取る行動は、日本と海外で異なると考える社会心理学者が多いようです。浮気・不倫をした側が謝罪会見を開いたり、活動を自粛したりするのは、日本人特有の行動といえるかもしれません。

では、浮気・不倫をされた側の行動については、日本と海外で違いがあるのでしょうか?

続いて、「浮気・不倫をされた側の行動について、海外と比べて違いはありますか?」と質問したところ、8割以上の社会心理学者が「大きな違いがある(35.7%)」「若干の違いがある(48.1%)」と回答しました。

日本と海外では、浮気・不倫をされた側の行動にも違いがあることが分かりました。そこで、浮気・不倫が発覚した後の当事者とされた側には、それぞれ海外と比べてどのような違いがあるのか、具体的に聞いてみました。

日本の浮気・不倫の当事者たちは周囲に影響されて行動しがち!?

・日本の当事者は謝って復縁しようとするが、海外は開き直り堂々としている。また、日本では許してしまう人が海外と比べて多い(20代/男性/東京都)
・日本は感情的だが、海外は金銭で解決している(50代/男性/岐阜県)
・日本では、他人からどう思われるかを気にする(50代/男性/東京都)
・海外は個人主義なので、あくまで個人のこととして捉えるが、日本は外野が騒ぎたてて、謝罪させる(60代/女性/東京都)

日本では、浮気・不倫の当事者とされた側のどちらも周囲の目を気にして行動すると考えられているようです。また、浮気・不倫に関して海外では割り切って対応しているのに比べ、日本人の行動は感情的になりやすいといえます。さらに、マスコミの報道や日本の社会心理によって、浮気・不倫の当事者たちの行動が決定づけられるのかもしれません。

浮気・不倫への批判は今後さらに高まる!?

浮気・不倫が発覚した後、日本と海外では、当事者とされた側それぞれが取る行動に違いがあると考えている社会心理学者が多いことがわかりました。

日本では、海外と比較して浮気・不倫に対する行動が他者の目や感情論といった社会心理に左右されやすいといえます。では、社会心理学的観点に立つと、今後さらに浮気・不倫に対する反応は厳しくなっていくのでしょうか?

そこで、「社会心理学的観点で見ると、日本は浮気・不倫に対して今後さらに厳しい目が向けられていくと思いますか?」と質問したところ、8割以上の社会心理学者が「とてもそう思う(34.6%)」「ややそう思う(47.3%)」と回答しました。

浮気・不倫報道の過熱は日本人特有の傾向

今回の調査で、浮気・不倫報道が過熱する背景には、日本人の集団主義的傾向が関与している様子が明らかになりました。

そもそも、浮気・不倫はいかなる理由があっても決して許される行為ではありません。しかし、実際には浮気・不倫報道が注目される人とそうでない人が存在し、日本人の社会心理が大きく影響しているようです。

また、浮気・不倫の発覚後に当事者同士がどのような行動を取るのかという面でも、日本と海外で違いがあります。社会心理学的に見ると、日本では浮気・不倫の当事者同士が周りの目を気にして行動する傾向が強いようです。海外と比較すると、日本の社会全体が浮気・不倫に対して敏感だといえます。

同社では、「このような日本特有の社会心理を踏まえて、万が一浮気心が芽生えたとしても、しっかりと立ち止まって考え直し、自制する意識が大切です」と結んでいます。

調査概要

「浮気・不倫に対する日本人の捉え方の傾向」に関する調査
【調査期間】2022年9月21日~9月22日
【調査方法】インターネット調査
【調査人数】社会心理学者
【調査対象】298人
【モニター提供】ゼネラルリサーチ

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※この記事は2022年10月27日に公開されたものです

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