お肌すべすべ! 旅ライターもびっくりな泉質の温泉旅館「界 別府」
温泉好きなら二度も三度も行きたい温泉地といえば「おんせん県おおいた」。中でも「別府温泉」は日本一の源泉数と湧出量を誇る温泉です。
別府に温泉旅館は数あれど、温泉女子旅にぴったりの宿が「界 別府」。2021年にオープンし、まだ開業して一年しか経っていない星野リゾートの新しい温泉旅館です。足湯でも露天風呂でも楽しめる温泉は、旅ライターの私も入るとびっくりするほどお肌すべすべに! 全室オーシャンビューの絶景温泉宿をご紹介します。
手湯でも、足湯でも温泉を楽しめる! 「界 別府」へ
「界 別府」へは大分空港から空港特急バスで約50分。最寄りのバス停「別府北浜」から徒歩約3分なので、車なしでも行けるアクセスの良さです。到着すると、エントランスはまるで洞窟やトンネルのような雰囲気。ここから先は宿泊者だけの空間で、鍵を受け取り中に入ります。
エレベーターで2階にのぼると、目に飛び込んできたのは別府湾の絶景! 海辺に建っているため客室やパブリックスペースから海を一望できます。
「界 別府」のコンセプトは「ドラマティック温泉街」。館内をひとつの温泉街に見立て、別府の温泉街をそぞろ歩きするように滞在できます。例えば2階「湯の広場」にある「手湯」は、昔から温泉があちこちで楽しめる別府の文化に倣って設置されたもの! 館内に入って即、温泉が楽しめちゃいます。
すべて別府湾を一望できる、オーシャンビューの客室
すべての客室から雄大な別府湾を一望できるのも、界 別府のポイント。海を絵画のように楽しめる大きな窓「ピクチャーウィンドウ」からの景色は、写真以上に「すごい!!」と叫びたくなるほどの絶景です。
全70室のうち限定4室だけの客室が「特別室」。最上階の11階にあり、約64平米のとても広々とした空間です。ちなみに客室は全室地域の特色を表したご当地部屋「柿渋の間」。別府の観光名所「血の池地獄」からインスピレーションを受けた古代色の「柿渋色」を使った壁が印象的です。
特別室は露天風呂付きなので、プライベートな空間でも温泉を楽しみたい人におすすめです。界 別府の泉質は「ナトリウムー塩化物・炭酸水素塩泉」で、pHは7.2。塩のヴェールで身体を包み込むため身体の芯から温めてくれること、そして古い角質を軟化させてすべすべ肌に導いてくれることが特徴です! 湯上がり後は備え付けのボディクリームで保湿しながら触ると、「こんなに私の肌、なめらかだった……!?」と、驚きます。
温泉ミストづくりも楽しい! 隈研吾さん設計の館内をそぞろ歩き
客室で絶景に感動したあとは、館内着の作務衣に着替えて2階の足湯へ。ここはいつでも気軽に足湯に入れるので、私も滞在中5〜6回は行っちゃいました。チェックイン後〜17時頃までは2階「トラベルライブラリー」にスパークリングワインなどウェルカムドリンクが用意されており、それを足湯に持ってきて飲むのも幸せです!
館内を散策していると、おしゃれな照明やピクトグラムが目に留まります。実は、界 別府を設計したのは著名な建築家の隈研吾さん。建物から細かなインテリアまでさまざまな建築・デザインを担当し、「界の中でそぞろ歩きが楽しめる温泉街をデザインで表現できたら」という想いが込められています。
お土産店などに立ち寄ってそぞろ歩きを楽しみ、続いてラボで「温泉ミスト作り」を体験(無料、フロントで受付)。温泉ミストは源泉をベースに保湿成分やオイルを追加し、最後にかぼすなど好きなエッセンシャルオイルで香り付けして完成です! 温泉に入るたびに自分で作ったオリジナル温泉ミストでシュシュっと保湿すると、気分も上がります。
「あつ湯」は源泉掛け流し! 別府の湯をそのまま満喫
待ちに待った大浴場へ。内湯と露天風呂で別府の湯を満喫できます。内湯は「ぬる湯」と「あつ湯」の2種類。茶色く色づいた「あつ湯」は源泉掛け流しです。壁は「臼杵(うすき)焼き」という白いご当地の磁器が400個もはめこまれており、花々のモチーフの中で2つだけお地蔵さんが隠れているので、探してみてくださいね!
露天風呂は立派な「別府石」の石造り。宿は海辺に建ちつつも、あえて大浴場からは海が見えないようになっています。そのため「外」ではなく自分の「内」へと集中し、湯治のように心と身体を癒すことができるのです。
別府の海の幸に感動! 食事処で夕食
温泉に入ってすべすべな肌にテンション上がったあとは、食事処で夕食。大分県と愛媛県の間にある「豊後水道」で採れた魚介類を中心とした「季節の会席」もしくは特別会席「豊後なべ会席」を楽しめます。会席は先付け「かぼす麺と雲丹のジュレ仕立て」からスタート。かぼす果汁が練りこまれた麺とさっぱりとしたジュレに、ウニで海の香りを効かせています。器は大分の名産「小鹿田焼(おんたやき)」。
豊後なべ会席のメインは鶏ガラをベースにした出汁に、8種類の具材を入れて味わうお鍋です。具材は豊後水道でよく採られる伊勢海老、クエ、郷土料理の団子麺など。伊勢海老のみそをはじめとする魚介や野菜の旨みあふれたスープは絶品……! それを最後は雑炊にして食べるという、なんとも幸せな締めも楽しめます。
スマートボールで景品をゲット! 無料で楽しめるお祭り
古くから多くの湯治客が訪れ、「不夜城」と呼ばれていた別府。まだまだ夜は終わりません! 2F「湯の広場」は夜になると季節のイベントが開催され、9月30日までは「ドラマティック温泉街の夏祭り」が開催中。「血の池地獄」や「海地獄」などをイメージしたカクテルが作れる「地獄巡りバー」や、激辛にもできる「地獄ラーメン」を無料で楽しめます。
ラボは夜になると懐かしのスマートボール場に変身。ボールを穴に入れて列をそろえると、明礬(みょうばん)温泉で蒸した温泉たまごやレトロなポストカードがもらえます。こちらは通年開催で、参加費は無料。力加減が意外と難しく、熱中しちゃう!
祭りの最後はご当地楽「湯治ジャグバンド」を鑑賞。ご当地楽とは全国にある温泉旅館ブランド「界」がそれぞれの地域の特徴的な魅力を発信する取り組みです。界 別府では桶、ソープディッシュなど温泉にまつわるモノを楽器に変えて演奏! お湯の流れる音、桶の響く音に合わせてゲストも手拍子で参加し、みんなで盛り上がります。
朝日を拝んだあとは、ストレッチ&朝食
翌朝は客室で別府湾から昇る朝日を拝み、健康的にストレッチを行う「別府浜辺体操」から1日がはじまります(無料、フロントで受付)。別府にちなんだストレッチも取り入れており、例えば別府湾の波になったつもりで腕を大きく上に伸ばして「ざぶーん」! スッキリ気持ちよく、楽しく目覚めることができました。
朝食を食べに食事処へ。小鉢、蓋物、せいろ蒸し、焼き物、珍味、食事と豪華な献立です。
注目は別府の湯けむりをイメージした「せいろ蒸し」。もくもくと立ち込める湯気は、まさに温泉のよう! 甘めのしょうゆダレにしょうがやネギを合わせた「りゅうきゅうだれ」につけて、豚肉や野菜をいただきました。「りゅうきゅうだれ」は本来は魚につける大分名物ですが、ほかの食材にも合います。
完成品はお土産に。「別府温泉絞り」
滞在の最後は「別府温泉絞り(1,800円、4日前までに要予約)」でお土産づくり。別府の源泉で染料を落として、布に模様をつける体験です。木のボールや輪ゴムを使い、色を残したい部分をデザイン。どんな柄になるか想像できませんでしたが、完成品はいいかんじ!
すべすべお肌になる温泉も大満喫しつつ、夜遅くまで楽しめる温泉旅館「界 別府」。隈研吾さん設計の館内は、シャッターが止まらないほどフォトジェニックです。料金は1泊1人35,000円〜(2人1室利用時、夕朝食付き)ですが、18歳~29歳限定で「界タビ20s」という1人19,000円(夕朝食付き)で泊まれちゃうお得なプランもあります! 仲の良い友達と楽しむ温泉女子旅におすすめですよ。
界 別府
住所:大分県別府市北浜2-14-29
HP:https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/kaibeppu/
界タビ20s:https://www.hoshinoresorts.com/sp/kaitabi20s/
(撮影・取材・文:小浜みゆ)
※この記事は2022年09月24日に公開されたものです