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【File56】好きすぎて毎回駅で彼氏にキスさせていた話

#イタい恋ログ

瑞姫

今振り返れば「イタいな、自分!」と思うけれど、あの時は全力だった恋愛。そんな“イタい恋の思い出”は誰にでもあるものですよね。今では恋の達人である恋愛コラムニストに過去のイタい恋を振り返ってもらい、そこから得た教訓を紹介してもらう連載です。今回は瑞姫さんのイタい恋。

一目惚れでSNSを見つけ出してアプローチ

中学・高校と彼氏はいたものの、特にカップルらしいことはせず、一緒に帰るだけなど、「これって付き合ってるの?」と思うような恋ばかりしてきた私。毎日連絡とったり、2人きりでデートをしたり、キスをしたり、プリクラや写真を撮ったりと“彼氏らしい彼氏”ができたのは、大学生になってできた彼が初めてでした。

その彼は元々仲が良かった先輩の友達。先輩が働いているバイト先のカフェに1人で遊びに行ったところ、彼が居たのです。その時から「カッコいい人がいるな〜」と思っていた私は、先輩に「お友達さんカッコいいですね」と思わず伝えました。

すると、
「ああ、今あいつ彼女いないらしいよ」
との情報が……! 先輩……グッジョブ!!!

これは、私が狙っても良いということ!? その時は、軽く3人でお喋りをしただけでその彼は帰ってしまったのですが、後日私は彼のSNSを見つけ出し、DMを送りました。

「この前〇〇先輩のカフェで一緒におしゃべりした瑞姫です! その時にカッコいいなって思ったんですが、今度一緒にご飯に行きませんか?」

今思い出すとすごい行動力。先輩の友達とはいえ、SNSを自力で見つけ出しちゃうあたりも怖いです。しかし、彼からの返事はOK。一週間後には2人で会い、その日のうちに「付き合いたい!」と告白をして付き合いました。

「一目惚れした人にアプローチして、こんなにすぐに付き合えるなんて……!」

初めてまともに付き合ったということもあって、私の気分は有頂天。そこからの私の変貌はすごかった。「彼氏大好き〜!」と周囲にものろにのろけ、SNSに恋人の写真を載せまくり、外出する時は絶対に手を繋いで離れない。

外でも家でもイチャイチャ……。思えば脳内がお花畑の完全に浮かれ野郎でした。

人前でイチャイチャ、駅前でキス

よく、駅の改札前で人目をはばからずイチャイチャしているカップルっていますよね。「家でやれ!」「こんなところでキスして恥ずかしくないの?」と思う方もいるかと思います。

それ、まさに当時の私でした。

毎回駅で別れ際に「キスして〜!」「バイバイのキスは?」と彼にせがみ、「恥ずかしいから嫌だよ」と拒否されても「いや! キスしてくれないと帰らない」などと、わがままで相手を困らせていました。

本当に、本当に、

今思い出しただけでもイタい…!

消し去りたいようなイタさなのですが、恋は盲目。正直、当時はキスしてほしい気持ちもありましたが、“どんな場所でもキスしてくれる、私のわがままに答えてくれる彼”がかわいく、愛を試していたところもありました。彼は元々シャイであまり強くは言えない性格だったので、私にかなり振り回されていたように思います。

周りからの冷静なお叱りで現実に戻る

そんなある日。元々出会うきっかけとなった先輩と駅でバッタリ遭遇。

先輩は開口一番に、
「この前駅でめっちゃイチャイチャしてキスしてただろ」
と一言。

正直、人前でも気にせずイチャイチャして、駅前でキスもさせていた私ですが、知っている人に見られているのはめちゃくちゃ恥ずかしい……!

先輩は「あはは……」とごまかす私に釘を刺すように、
「あいつ、恥ずかしがり屋なんだからあんま困らせてあげないで。人に見せびらかすより、相手のことちゃんと見てやれよ」
と冷静なアドバイス。

ここで私は初めて、自分の気持ちだけを優先して、場所をわきまえずにイチャイチャとしていたことや、好きすぎるが故に、相手の愛をはかるように、恥ずかしがる彼の気持ちを無視してキスをさせていたことに気づいたのです。

遅い……! 遅すぎる!

けれど、当時の私は本当に「恋に恋する乙女状態」で、周りどころか、相手の気持ちすら見えていなかったのです。

イタい恋から得た教訓「周りが見えなくなる盲目な恋は危険」

好きな人の好きな人になれたら、そりゃ誰だって浮かれます。周りなんて見えないくらい盲目にだってなりますし、冷静さも失います。

でも、盲目になりすぎて冷静さを失った結果、大切な友達や恋人を失っては意味がない。

私はその先輩からのアドバイスの後、彼に連絡を取り、「いつも駅でキスさせてたの嫌だった? ごめんね」と謝ると、彼は「正直知ってる人に見られたら恥ずかしいから嫌だったし、断ったら嫌われると思って言えなかった」と話してくれ、私は彼に無理をさせてまで自分の気持ちを優先していたんだと気づいて申し訳なくなりました。

それからは、駅でキスをせがむこともなくなり、手を繋ぐくらいに。結局彼とは別れてしまいましたが、そのイタい私の行動以外は、良い思い出です。

時には盲目になるほどの大恋愛をするのも良いですが、どこかで一度立ち止まることは大切。人を好きになるのはすばらしいことですが、好きであればあるほど、自分の“好き”という気持ちを優先しすぎるのではなく、相手の気持ちにもきちんと目を向けるのが、上手くいく恋愛なのかなと思いました。

イタい恋は、冷静さを持つことで学びになる!

私が今思い返して思うことです。

(文・瑞姫、イラスト・菜々子)

※この記事は2022年07月10日に公開されたものです

瑞姫

フリーランスの取材・インタビューライター、コラムニスト。主にエンタメ、トレンド、グルメ、ビジネスカテゴリで活動中。

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