「アドバイス」は敬語として使える? ビジネスシーンでの言い換え表現
「アドバイス」の言い換え表現と類語
「アドバイス」という言葉には、前述の「ご教示」のように、似た意味合いを持つ表現がいくつかあります。
「アドバイス」は、場合によって上から目線という印象を与えかねないため、シーンに合わせて言い換え表現を使ってみると良いでしょう。
(1)「提案」
「提案」とは、考えを提出するという意味の言葉で、「助言」という意味を持つ「アドバイス」と似た表現として使えるでしょう。
「アドバイス」は、英語をカタカナにした表現であるため、シーンによってはややカジュアルな印象を与えることもあります。
文章で伝える時や目上の人に伝える場合には、「提案する」を使うとより丁寧です。
例文
・自分が提案する場合
「豊富な実績とノウハウがありますので、解決に向けたさまざまなご提案が可能でございます」
・相手から提案される場合
「何かございましたら、ぜひご提案いただけませんでしょうか」
(2)「勧める」「おすすめ」
「アドバイス」は「勧告」という意味を持つため、アドバイスすることを「勧める」と言い換えることもできます。
柔らかい表現にしたい場合は、「行いをするよう人に働きかける」「積極的に実行するように励ます」という意味を持つ「勧める」「おすすめ」を使ってみましょう。
例文
・自分が勧める場合
「○○さんにぜひおすすめしたい方法があります」
・相手から勧められる場合
「ぜひ、○○さんのおすすめをお聞きしたいです」
(3)「フィードバック」
フィードバックとは、相手の行動に対して改善点や評価を伝え、軌道修正を促すことです。
客観的な事実を伝える「フィードバック」は、指導的な意味合いが強い「アドバイス」よりも相手に受け入れられやすいでしょう。
何かの行動後に、相手と対等な立場で改善へと導く場合は「フィードバック」を使うと良いかもしれません。
例文
・自分がフィードバックする場合
「先日の業務について、私から少しフィードバックをしてもよろしいでしょうか?」
・相手からフィードバックされる場合
「お忙しい中大変恐れ入りますが、○○の運用につきまして貴社のフィードバックをいただけませんでしょうか?」
(4)「意見」
「意見」とは、ある問題に対する自分の主張や考えという意味の言葉です。
また、「自分の思うところを述べて人の過ちをいさめる」という意味も持つため、「忠告」という意味で「アドバイス」を使う時には、言い換えることができるでしょう。
例文
・自分が意見する場合
「ご提示いただいた件について、意見がございます」
・相手から意見される場合
「大変恐れ入りますが、○○さまの率直なご意見を伺えませんでしょうか?」
「アドバイス」の意味を理解して正しく使おう
アドバイスとは、あることをするよう自分が教えたり、相手から教えられたりした時に使う言葉です。
「助ける」「指摘する」「教え導く」といった意味を持つため、使用する相手やシーンには注意が必要でしょう。
「アドバイス」の正しい使い方をマスターして、気持ちの良いコミュニケーションが取れるようにしましょう。
(直井みずほ)
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※この記事は2021年12月24日に公開されたものです