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吸水ショーツ、月経カップ……フェムテックグッズって節約になる?

#令和のマネーハック

稲葉結衣

働き方も、恋愛も、生活様式も、全てのあり方が少し前とは違う令和の今。数えきれない変化の裏にある「新マネーハック」を、さまざまな分野の専門家たちが回答します。今回の回答者は、ライターの稲葉結衣さん。

今回のお話「フェムテックグッズって節約になる?」

吸水ショーツや月経カップなど、最近よく話題になるフェムテックグッズ。実際どのようなものかと気になっている人も多いのではないでしょうか。

しかし、いざ取り入れてみたいと思っても、初期費用が高くなりそうで心配な人もいるはず。長期的に考えればフェムテックグッズって節約になるのでしょうか。それとも、快適さと引き換えにお金がかかるものなのでしょうか?

女性は生理に年間1万円近くかけている

女性が1年間で使うナプキンの量は360~500枚程度だといわれています。

例えば生理期間中、昼用ナプキンを5枚、夜用ナプキンを1枚、5~7日間使用すると、1度の生理で使うナプキンは30~42枚。年間だと360~504枚になります。ナプキンの1枚あたりの値段を20円として計算すると、年間7,200〜10,080円をナプキン代として支払っていることに。そこに、タンポンやサニタリーショーツの購入代金が加わる人もいるでしょう。

では、吸水ショーツや月経カップなどのフェムテックグッズはどうでしょうか。

ナプキン要らずでそのまま履ける吸水ショーツは1枚あたり1,990〜7,500円で、最低3枚あると洗濯が間に合うので便利です。3枚購入すると5,970〜22,500円。ただ、経年劣化による生地の寿命があるので、普通のショーツと同じ間隔で買い換えるのがおすすめです。

膣内に挿入して使う月経カップは1つあたり5,000円程度が相場で、5〜10年使用できます。煮沸消毒して使用するため、こちらは1つ持っておけばOKです。

年単位で考えれば、フェムテックグッズの方がお得!

フェムテックの使用方法は人それぞれのため、初期費用も異なります。月経カップのみ使用の人では約5,000円、吸水ショーツのみで約6,000円、二刀流で約11,000円かかる人もいます。

私は月経カップと吸水ショーツの二刀流で、初期費用は、月経カップが1つで3,960円、吸水ショーツが4枚で19,975円の、合計23,935円でした。

二刀流だと1年目はフェムテックの方が高くなりますが、2年目以降は二刀流でもフェムテックの方が断然お得です。

10年単位で値段を比較すると、1枚約2,000円の吸水ショーツ3枚を5回買い替え、月経カップを1度購入すると35,000円。初期費用を足しても58,935円ですが、ナプキンを買い続けた場合は72,000円~100,800円と、最大で4万円も差が出ます

吸水ショーツのみ使用した場合は10年間の出費は初期費用+3万円なので、ナプキンとの差額は22,025~50,825円。月経カップは正しく扱えば最大10年使えるので、その場合の出費はたったの5,000円で、ナプキンとの差額はなんと67,000~95,800円に。

フェムテックは初期費用の高さに戸惑ってしまうかもしれませんが、年間単位で考えてみると非常にお得なんです!

初心者におすすめ。生理が来そうな時こそ吸水ショーツの出番

そろそろ生理が来そうな時に一応ナプキンをしておいたのに、その日に結局生理が来なくてナプキンを無駄にしてしまうことってありますよね。その逆もしかりで、突然生理がきてショーツが汚れてしまっても悲しくなるもの。

そんな時、吸水ショーツを履いておけば安心。来なくても通常のショーツと同様に洗うだけです。無駄な生理用品の使用がなくなるので、こういった面でもフェムテックグッズが節約につながります。

吸水ショーツはただ履くだけなので抵抗感が少なく使用できる、初心者に優しいアイテムです。漏れやにおいも、私は気になったことはありません。

その反面、月経カップは慣れるまで時間がかかるかもしれません。ただ、漏れやかぶれから開放されるうえ、自分の経血量が何mLなのかしっかり把握できるのが魅力です。3サイクル使用すると慣れる人が多いので、根気強くトライしてみましょう。

気になるお手入れ、実は楽チン!

吸水ショーツのお手入れは簡単です。

洗面器などを利用して水かぬるま湯に浸け、数回すすぎ、洗濯用ネットに入れて洗濯機で洗うのが一般的です。 漂白剤や柔軟剤、また乾燥機の使用は、生地を傷めてしまう可能性があるためNG。

ただ、お手入れ方法はメーカーによって少しずつ異なるので、購入した商品の説明書や、メーカーのホームページなどで確認しましょう。

月経カップも意外と簡単です。

月経カップを使用した日は少なくとも1日1回、お風呂などのタイミングで低刺激性の石けんを使用して水かぬるま湯でしっかりと洗います。

また、月経カップは生理サイクルごとに2回、使用前と使用後に煮沸消毒が必要です。沸騰したお湯の入った鍋で10分ほど煮沸する方法もあれば、耐熱容器に水とカップを入れ、電子レンジで数分間煮沸する方法もあります。煮沸消毒後は水でゆすぎ、乾燥させて風通しの良い場所で保管します。

月経カップの方がやや手間がかかるともいえますが、慣れれば難なく使い続けられるでしょう。

環境にも優しいのがフェムテックの魅力

このように繰り返し使えるフェムテックグッズは、ごみを削減できて環境にも優しいのが魅力です。

ナプキン1枚に含まれるプラスチック量はレジ袋4枚ほどといわれています。ナプキンを年間約500枚使うのは、年間約2,000枚ものレジ袋を捨てているのと同じ計算になります。それが10年、20年と続くのですから、相当なプラスチック量になりますよね。

生理用品をサステナブルなフェムテックにすることで、プラスチックごみが削減できます。1人当たりのプラスチックの廃棄量が世界2位だといわれている日本。昨年レジ袋が有料化され、マイバッグを持ち歩いている人も多くなっています。SDGsが叫ばれる今、生理用品選びでも環境問題を意識してみるのはいかがでしょうか。

令和のマネーハック35

フェムテックグッズは初期費用こそかかるものの、年単位で考えるとナプキンよりお得! お財布だけではなく、環境にも優しいのも魅力。

(文・稲葉結衣、イラスト・itabamoe)

※この記事は2021年11月08日に公開されたものです

稲葉結衣 (ライター)

福岡生まれ台湾経由横浜育ちの20代女性。低用量ピルを利用しながら、生理時は月経カップ、吸水ショーツのみの使用で、トイレからサニタリーボックスの排除に成功。生理を少しでも楽にしてくれるアイテムに目がない。
Twitter:@yuinaba9941

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