「お越しになる」の意味は? 「いらっしゃる」との違い、類語を解説
「お越しになる」と「お越しいただく」の違いは?
「お越しになる」と「お越しいただく」は、どちらも相手への敬意を示す言葉です。よく似た言葉ですが、どこがどう違うのでしょうか?
「お越しになる」は尊敬語で、「お越しいただく」は謙譲語です。尊敬語と謙譲語の違いとして、「相手が来る」という場面で考えた場合、次のような違いがあります。
・「お越しになる」→尊敬語。「(相手が)来る」という意味
・「お越しいただく」→謙譲語。「(自分の元へ)来てもらう」という意味
相手の受け止め方にもよるため一概には言えませんが、後者の「お越しいただく」は相手に「来ていただく」ことにより、自分が恩恵を受ける場合に使うと考えられます。
「お越しになる」が、ストレートに相手が「来る」ことを示すのに対し、「お越しいただく」は「来ていただいてありがたい」というニュアンスを感じさせる、というわけです。
例文
A.「本日午後3時、F店の専務がお越しになります」
B.「本日午後3時、F社の専務にお越しいただきます」
Aは、「専務が来る」ことをそのまま尊敬表現にしたものです。
一方、Bの方は「ただ来てもらう」だけでなく、「何らかの意図があって、来ていただく」ように受け止められることがあります。
もちろん、敬意を示して立てるべき相手はどちらも「専務」であり、敬語として間違いはありませんが、ストレートに来社の予定だけを告げるなら「お越しになる」の方が無難です。