「お話を伺う」は二重敬語? 意味や類語、使い方を解説
「お話を伺う」の類語(例文つき)
「お話を伺う」と同じ意味を持つ表現を紹介します。
相手のいる場所に行って話を聞く時など、類語を使って言い換えることで、「伺って、お話を伺う」のような重複した言い回しを避けることができます。
「お話をお聞きする」
「お話を伺う」と全く同じ意味です。耳から入る響きも、柔らかい印象です。
例文
・何かご心配事でしょうか? 私が、お話をお聞きしましょうか?
「お話を拝聴する」
「お話を伺う」と全く同じ意味です。漢語である「拝聴」は、耳で聞くより、目で読む方が伝わりやすい言葉です。
例文
・本日は、先生のお話を大変興味深く拝聴しました。ありがとうございました。
「お話を承る」
「お話を伺う」「拝聴する」と同じ意味ですが、「指示や命令を受けてその通りにする」という意味もあります。
命令や注文を受けるつもりがない時に使ってしまうと、誤解を与える場合があるので気をつけましょう。
例文
・お客さま係の○○です。あちらのお部屋でお話を承ります。
容認されつつある二重敬語はどう使うべき?
「お伺いします」は非常によく聞く言い回しなので、二重敬語であることを意外に感じた人もいるかもしれません。
こうした「習慣的に容認されている二重敬語」については、どのように接するべきでしょうか?
「相手に失礼にならないように」という危惧から敬語が過剰になりすぎる昨今。
誤用表現の容認が広まりすぎると、文法が混乱して美しい日本語を短命にする恐れはないかと気掛かりです。
かといって、他人が使っている際に、誤用を追求して角を立てる必要もないでしょう。
「定着している誤用については、他人を責め立てず、しかし自身は積極的には使わず」というスタンスを取るようにしてはいかがでしょうか。
(前田めぐる)
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※この記事は2021年09月22日に公開されたものです