「貴殿」の正しい使い方とは? 注意点や言い換え表現
「貴殿」の類語や言い換え表現
「貴殿」には、状況や場面によって言い換えをすることができる類語がいくつかあります。
知っておくとビジネスシーンで役に立つ場合が多いため、代表的なものの意味や「貴殿」との違いなどを確認しておきましょう。
(1)貴兄
「貴兄」は「きけい」と読み、「貴殿」と同じく、男性が男性に対して使う二人称の人代名詞です。
「あなた」を表すという意味で「貴殿」の類語とはなりますが、「貴兄」は同輩や親しい先輩に対して使う言葉であり、目上の相手に使用することはできません。
また、軽い敬意や親しみを込めた言葉のため、使われる場面も「貴殿」と異なってくる場合が多いです。
使うシーンや相手によってうまく使い分ける必要があるため、それぞれの言葉の意味をしっかり理解しておきましょう。
(2)貴方
「貴方」は「あなた」を漢字にした表現であり、対等または目下の相手に対して使う言葉です。
丁寧な言葉ではありますが、現代語では敬意の程度は低くなっており目上の相手に使うことはできません。
また、ビジネスメールなどでも避けた方が良い言葉なので、覚えておくようにしましょう。
(3)貴台
「貴台」は「きだい」と読み、「貴殿」や「貴兄」などと同じ二人称の人代名詞
の1つです。
「貴殿」よりもさらに敬意を込めた言葉であり、主に手紙文などで用いられます。
なお、「貴殿」のように男性が男性に対して使う言葉というわけではなく、男女どちらにでも使用できる点が「貴殿」との違いとなっています。
(4)貴社
「貴社」は、相手が個人ではなく会社の場合に使われる尊敬表現です。
ビジネス文書やメールなどにおいて、取引先の会社等を尊敬の気持ちを込めて呼びたい時に重宝する表現でしょう。
なお、話し言葉で「貴社」というと、「記者」や「帰社」などの同音異義語と間違われる可能性があるため、会話表現では「御社」を代わりに用います。
また、会社と区別される組織に対しては、適切な呼称を用いるのが望ましいとされています。例えば学校に対しては「貴校」、病院に対しては「貴院」などの表現を使うことも併せて覚えておきましょう。
注意点や使い方を理解して正確に使おう
公的文書やフォーマルな手紙などでよく使用される「貴殿」という言葉。
ビジネスシーンにおいても見聞きする機会のある表現ですが、正確な使用方法が分からない人も多いでしょう。
しかし、「貴殿」を使う上での注意点を理解して、場面別の使い方を把握しておけば、正確に使用することはそこまで難しくありません。
「貴殿」の類語や言い換え表現なども併せて理解しておき、どんな場面でも自信を持って使えるようになりましょう。
(Sai)
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※この記事は2021年07月28日に公開されたものです