「ご厚情」の意味とは? 使い方とビジネスでの注意点を解説【例文付】
「ご厚情」の類語とそれぞれの違い
「ご厚情」という言葉にはいくつか類語があります。
相手や場面によって使い分けることができるよう、参考にしてください。
「ご厚意」
「ご厚意(こうい)」は、「思いやりのある心」「厚情」の意味を持つ「厚意」の丁寧語です。
ご厚情とほぼ同じ意味で使用できますが、「ご厚情」の方がよりかしこまった印象を与えることが多いでしょう。
例文
・ご厚意を賜り感謝いたします。
・せっかくのご厚意ですが、お気持ちだけありがたく頂戴いたします。

ビジネスコミュニケーション指導に従事する大部美知子さんに、「ご厚意」の正しい使い方を教えてもらいます。
「ご厚志」
「ご厚志(こうし)」とは「深い思いやりの気持ち」「心のこもった親切」を意味する言葉です。
一般的にビジネスシーンで使う「ご厚志」は「思いやりを形で示したもの=お金を包むこと」を指す場合が多いでしょう。
具体的には、歓送迎会などで主賓や上司が、参加費の代わりに幹事へ渡すお金のことを指します。
例文
・本日の送別会は、部長よりご厚志をいただきました。
「ご配慮」
「ご配慮(はいりょ)」とは「心を配る」という意味。
「厚情」は目上の人の心遣いに対して使う言葉ですが、「配慮」は自分が気を配る時にも使うことができます。
例文
・ご配慮いただきありがとうございます。
・ご配慮願えますでしょうか。
「ご温情」
「ご温情(おんじょう)」は「優しい心」や「思いやりのある寛大な心」を意味する言葉です。
感情を示すニュアンスが強いため、ビジネスシーンではあまり使用しません。個人的な付き合いをしている人へのお礼状や手紙などで使うと良いでしょう。
例文
・身に余るほどのご温情に心よりお礼申し上げます。
・皆さまからのご温情に触れ、感激いたしました。
「ご高配」
「ご高配(こうはい)」は「他人への心配りや配慮」を意味する言葉です。口頭で使うよりも手紙やメールで使われることが多いでしょう。
「ご厚情」は情けや深い思いやりを意味する言葉であるため、少しだけニュアンスが異なります。
例文
・平素は格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。
・皆さまのご支援ご高配に心より感謝申し上げます。
「ご厚誼」
「ご厚誼(こうぎ)」は「非常に親しい付き合い」を意味する言葉です。使い方は似ていますが、「ご厚情」は深い思いやりを指しているので、少しニュアンスが異なります。
スピーチや挨拶状などでは、書き出しに「ご厚情」、結びの言葉に「ご厚誼」というように使い分けることがあります。
例文
・今後とも変わらぬご指導ご厚誼を賜りますよう、お願い申し上げます。
「ご愛顧」
「ご愛顧(あいこ)」は「相手からひいきにしてもらうこと」を意味します。
例文
・平素より、格別のご愛顧を賜り、誠にありがとうございます。
・今後とも変わらぬご愛顧をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。
▶次のページでは、「ご厚情」の英語表現を紹介します。