「ご厚情」の意味とは? 使い方とビジネスでの注意点を解説【例文付】
「ご厚情」を使った例文
ここからは、実際にビジネスシーンで使える「ご厚情」の例文を見ていきましょう。
「ご厚情を賜り」
「賜(たまわ)る」は「もらう」の謙譲語です。
「ご厚情を賜り」は、「相手のなさけや思いやりを受ける(もらう)」という意味になります。
手紙やスピーチなど、改まった場面でよく使われる言い回しです。
「ご厚情いただき」に言い換えることもできますが、「ご厚情賜り」の方がよりかしこまった言い方になるでしょう。
例文
・昨年中は格別のご厚情を賜り、心より感謝申し上げます。
・今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう、お願い申し上げます。
「ご厚情の賜物」
「賜物(たまもの)」とは、「他者から受けた恩恵」「努力や試練の結果により与えられた成果」という意味の言葉です。
「皆さまのご厚情の賜物」というフレーズはテンプレート化されているため、個人に対してよりも大勢や法人に対して感謝を伝える場面で使用されることが多いでしょう。
ニュアンスとしては「多くの人の思いやりや協力により、良い結果となりました。ありがとうございます」という意味です。
例文
・皆さまのご厚情の賜物でございます。
・皆さまのご厚情の賜物と、深く感謝申し上げます。
「ご厚情に痛み入る」
「痛み入る」という言葉には「相手の親切・好意に恐縮する」という意味があります。
相手の思いやりに感謝しつつ、「自分にはもったいない」と恐縮している様子を表現できるため、感謝と謙遜を伝えたい時に使える言葉でしょう。
例文
・ご配慮いただき、誠に感謝申し上げます。○○さまのご厚情に痛み入ります。
・温かい励ましの言葉をいただき、ご厚情に痛み入ります。
「一方ならぬご厚情」
「一方(ひとかた)ならぬ」という言葉は、「普通ではない」「並々ならぬ」を意味します。
「一方ならぬご厚情」という言葉は「並々ならぬご厚情」と言い換えられるでしょう。
少々古めかしく堅い表現なので、目上の人に送る年賀状やお礼状など、改まった場合にのみ使います。
例文
・日頃より一方ならぬご厚情を賜り、お礼申し上げます。
・一方ならぬご厚情をいただき、感謝申し上げます。
「ご厚情あふれるお言葉」
「ご厚情あふれるお言葉」とは「相手の親切心が満ちた言葉」という意味合いで、相手からの言葉が励みになった時などに使うことができます。
例文
・この度は、ご厚情あふれる励ましのお言葉をいただき、厚くお礼申し上げます。
・ご厚情あふれるご祝辞を賜り、感謝申し上げます。
「ご厚情に深謝・感謝・お礼」
相手からの思いやりに対して、感謝を伝えたい時に使えるフレーズです。
「深謝(しんしゃ)」とは「深く感謝すること」を表しており、「お礼」や「感謝」という言葉よりも丁寧な印象を与えます。
なお、「深謝」は「深くおわびする」という意味でも使うので、言い回しを間違えないように注意しましょう。
例文
・私どもの結婚に際してお祝いの言葉を頂戴し、ご厚情に深くお礼申し上げます。
・旧年中賜りましたご厚情に深謝いたします。
「ご厚情にお応えする」
「お応えする」という言葉は「働きかけに応じること」を意味します。つまり、「ご厚情にお応えする」というのは「相手の親切心に応じる」ということです。
相手の思いやりに対して、同意する時や断る時に使えます。
例文
・せっかくのご厚情にお応えすることができず、大変申し訳ございません。
・ご厚情にお応えすることができるよう、精進して参ります。
▶次のページでは、「ご厚情」の類語とそれぞれの違いを解説します。