「失念」の意味は? 使い方や例文・言い換え表現を解説
「失念」はどんな時に使えるのか?(例文付き)
「忘れていた」という言葉は、最初から頭にも入っていなかったり、ずっと忘れていたりした場合にも使います。そのため、時と場合によっては、相手の怒りを買うことがあります。
一方、「失念」は、物事や約束、人の名前などを、「ちょうどその時うっかり忘れてしまった」という場合に使います。
そのため、単に「忘れていました」と謝るよりは、忘れていたことに対する相手の怒りや不快な気持ちを多少なりとも和らげることができます。
自分が約束をうっかり忘れたことを謝罪する時
自分の不注意から約束を忘れてキャンセルしたり、遅刻したりした場合には、次のように使います。
例文
・約束に遅れて申し訳ございません。お恥ずかしいことですが、失念しておりました。
相手の名前が思い出せないことをわびる時
会合などの集まりで、話し掛けられた相手の名前を思い出せない場合には、次のように使います。
例文
・お顔はしっかり覚えているのですが、お名前を失念してしまい、申し訳ありません。
何かについて聞かれたことに対して思い出せない時
ビジネスや日常会話で、誰かの名前、電話番号やパスワードなどを思い出せない場合には、次のように使います。
なお、相手が上司や目上の人である場合には、「失念いたしましたので」と謙譲語にします。
例文
・K社で新しく取締役になられた方のお名前ですね。少々お待ちください。失念してしまいましたので、すぐ調べます。
自分以外の第三者が何かについて思い出せない時
第三者が何かについて思い出せない場合には、次のように使います。
例文
・彼は、上司に対して伝えるべきことを用意していたのに、失念してしまったらしい。
目上の相手が何らかの物事を思い出せない状況にある時
前述の通り、人の行動に使うことはできますが、時と場合によっては指摘することにもつながるので、慎重さが求められます。
しかし、例えば上司から、家族との約束を忘れていたことを聞いた場合、次のように「たまたま、うっかりだった」というニュアンスでフォローすることもできます。
例文
・上司:「息子と約束があったのを忘れていたよ。父親失格だ」
部下:「このところずっとご多忙でしたから、失念されることもありますよ」