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正しいのは「時期尚早」「時期早尚」どっち? 意味や使い方を解説

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「時期尚早」を使う上での注意点

冒頭で述べたように、「時期尚早」は書き間違いや言い間違いの起きやすい言葉です。

ここではそんな「時期尚早」を使う上での注意点を紹介します。

「尚早」「早尚」、「時機」「時期」を混同させないこと

「時期尚早」の「尚早」は、「しょうそう」と読みます。

しかし、「しょうそう」と口にした時に発音しにくいことから、言い間違いや聞き間違いが起きやすいのも事実。そのため、「そうしょう(早尚)」や「そうそう(早々)」と間違えられやすいのです。

「尚、早い」の順で書く「尚早(しょうそう)」が正しい熟語です。

また、「まだいいタイミング(時機)ではない」という意味を持つために、「時期」を「時機」と取り違えて「時機尚早」とする書き間違いも起きやすいようです。

「時期」の漢字、「尚」と「早」の順序。両方を間違えないためには、「“時期”が“尚、早い”」と覚えておくと良いですね。

目上の人に使う際には敬語で答えること

「時期尚早」は、“誰かが何かを早まって実行しようとしている”という時に、忠告をする意味としても使います。そのため、目上の人に対して使えないのではと考える人もいるかもしれません。

例えば、目上の人から「次回の市議会議員に立候補したいが、どう思いますか?」と聞かれた場合に、「時期尚早」という言葉を使うことは失礼にあたるでしょうか?

相手の器や力量を図るような意味で使うことは失礼になることもないとは言えませんが、「時期尚早」の意味は「タイミングとして早い」と頃合いを図っているだけにすぎません。

ネガティブな意味やおとしめる意味は含まれていないため、失礼とは言えないのです。

ただし、一般的に相手が目上の人である場合には、敬語で答える方が良いでしょう。

・時期尚早かと存じます。
・時期尚早ではございませんか?

などの表現が考えられます。

意味の重複に注意すること

「まだ時期尚早だ」という表現を見かけたことはありませんか?

「時期尚早」という言葉には、「まだ早すぎる」というふうに「まだ」という意味が含まれています。そのため、「まだ」を付け加えると、意味が重なってしまいます。

「時期尚早」と「まだ」を同時に使わないように気を付けましょう。

次ページ:「時期尚早」はどんな時に使えるのか?(例文付き)

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