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「バブみ」の意味とは? 元ネタや誤用・正しい使い方【ネットスラング大辞典】

落合正和(WEBメディア評論家・マーケティングコンサルタント)

「バブみ」とは、年下の女性に対して母性を感じることを意味するネットスラングです。今回は、バブみの意味や発祥・類語・使い方を、例文とあわせて解説します。

インターネットで利用される「ネットスラング」とは、SNSや電子掲示板などで発生し、使用される俗語のことです。

ネットスラングの中には、インターネットを飛び出して口語として利用されるようになるものもあります。

今回は、SNSなどで多く見かける、「バブみ」の意味を紹介します。

「バブみ」の意味

「バブみ」とは、「年下の女性に母性を感じること」を意味するネットスラングです。

「バブみ」の語源は、赤ん坊が発する喃語、「バブー」や「バブバブ」という声に、接尾辞の「み」を加えたものです。

「バブみがある」「バブみを感じる」「バブみが強い」といった言い方で用いられます。

現在、「バブみ」という言葉の意味には主に以下の2つがあります。

本来の意味

「母性」という言葉の意味を調べると、「女性のもつ母親としての性質。母親として、自分の子供を守り育てようとする本能的特質」(goo辞書)とされています。

そのように従来、母性は年下の子どもに対して向けられるものではありますが、そのような母性を年下に対して求めること、年下の女性から感じることが「バブみ」と表現されます。

これが本来の「バブみ」の意味とされています。

誤用とされている意味

しかしながら、アニメなどのかわいい男性キャラクターやアイドルなどの若い男性に対し、自分の母性がくすぐられる際に女性自身が「バブみ」と表現するケースもあります。

この用法は、従来の意味とは異なり誤用とされていますが、メディアなどを通じてこちらの意味で解説されたことが何度かあり、現在では使用者が増えています。

「バブみ」の意味はどれが正しい?

正しい意味、誤用とされている意味においてのニュアンスの違いを踏まえ、現在は以下のように「バブみ」が使われています。

・年下女性に母性を感じること

・自分の母性がくすぐられること

本来の意味は「年下女性に母性を感じること」であるため、「自分の母性がくすぐられること」を表現する使い方は誤用と感じる人もいるようです。

言葉の意味をめぐってさまざまな議論がありますが、ネットスラングには意味や使われ方が変化してしまうことが往々にして生じており、誤用が定着し、別の意味の言葉となるというケースも少なくはありません。

オタク用語の一種だった「バブみ」の元ネタ・語源・由来

「バブみ」は元々、2ちゃんねる(現在は5ちゃんねる)などで、2014年の中頃からよく見かけられるネットスラングで、オタク用語の一種でした。

^アニメやマンガ好きな男性などが、作中の女性キャラクターなどに対して「バブみがある」「バブみを感じる」などと表現していたものが、SNSや電子掲示板などを通じて若者を中心に広がっていきました。その過程で誤用なども増えていったのだと思われます。

発祥は「シャア・アズナブル」と「ララァ・スン」?

また、「バブみ」を説明する際、よく用いられる例として、『機動戦士ガンダム』に登場するシャア・アズナブルとララァ・スンの関係があります。

とてもクールな印象の強いキャラクターであるシャア・アズナブルが、主人公のアムロに対し、「ララァ・スンは私の母になってくれるかもしれなかった女性だ」と言い放つシーンがあります。

設定当時、ララァ・スン(17歳)はシャア・アズナブル(20歳)より年下であり、このシーンは一部で話題となりました。

この場面・関係が、「シャア・アズナブルはララァ・スンにバブみを感じている」として、「バブみ」の本来の使い方が分かりやすい用例となっています。

「バブみ」の使い方(例文付)

それでは「バブみ」の使い方について例を見ていきましょう。

「あの作品のヒロインはバブみが強いよね」(あの作品のヒロインには強く母性を感じるよね)

「俺氏、声優Aさんにバブみを感じてオギャる」(俺、声優Aさんに母性を感じて甘えたくなる)

「私の彼、顔立ちがとても幼くてバブみがあるの!」(私の彼、顔立ちがとても幼くて母性がくすぐられるの!)

上2つの例文が従来の意味での使用例です。

包容力に満ちていたり、面倒見が良かったりと母性を感じさせてくれる年下女性を対象に使用されています。

3つ目は誤用とされていますが、ネットスラングから若者言葉に変化する過程で増えてきた使用例となります。

ネットスラングが若者言葉として広がりを見せることは少なくありませんが、その過程において意味はあまり重視されず、“ノリ”や“勢い”で使う人も増えていきます。

それにより、言葉の意味が二転三転することもあるのです。

なかなかインパクトの強いネットスラングです。セクハラなどにならないよう、使い方や使う場面には注意しましょう。

また「バブみ」を利用して、以下のようなネットスラングも生まれました。

「バブみが深い」

「バブみが深い」とは、母性を強烈に感じた時に使う表現です。

「深い」は若者言葉において、程度を表す言葉として用いられることがあります。例えば「わかりみが深い」のように「○○みが深い」といった表現は、「すごく分かる」「強く同意する」のように、対象となる言葉への程度の強さを表します。

そのため「バブみが深い」は、「すごく母性を感じる」「強烈に母性を感じる」といった強調表現に当たります。

ちなみに「母性を感じる」と普通に表現したい時は、「バブみがある」「バブみを感じる」のような使われ方をします。

「バブみが強い」

これも「バブみが深い」と同様に、強調表現として用いられます。この場合は、強く母性を感じる、つまり「強烈な母性を感じる」といった意味になります。

「バブみが深い」とほとんど同じような意味と考えて良いでしょう。

「バブみを感じてオギャる」

「バブみ」とよく似たネットスラングに「オギャる」というものがあります。

これも赤ん坊の喃語である「オギャー」から来ており、母性を感じるような人やキャラクターに対し、「幼児や赤ん坊のように甘えたい」「養育してほしい」という心情を表したネットスラングです。

「バブみ」と「オギャる」の2つを併用し「バブみを感じてオギャる」(母性を感じる年下のキャラクターに、赤ん坊のように甘えたい)という使われ方もよく見られます。

「バブみメイク」

バブみメイクとは、いわゆる赤ちゃんや幼児の特徴を取り入れたメイク方法のこと。童顔に近づけることで相手に母性を感じさせることを目的にしていると考えられます。

これまでの使い方とは異なり、「相手に母性を感じさせたい」という意味で使われる新しい例です。

チークで血色感を出したり、ふんわりと眉を描いたりすることで、ベビーフェイスを演出するメイク方法のことを言います。

バブみが強いキャラクターは?

「バブみ」があるキャラクターとしては、主に以下が挙げられることが多いようです。

綾波レイ(新世紀エヴァンゲリオン)

綾波レイとは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』シリーズに登場するキャラクター。

普段は寡黙で無表情な14歳の少女ですが、主人公に対して「あなたは死なないわ。私が守るもの」と言い切るシーンに、思わず「バブみ」を感じる人が続出したともいわれています。

三浦あずさ(アイドルマスター)

三浦あずさとは、ゲーム『アイドルマスター』シリーズに登場するキャラクター。

おっとりとした性格の持ち主で「あらあら」「うふふ」など、包容力のあるゆったりとした口調やマイペースなその人柄に、「バブみ」を感じる人も多いようです。

アナ・メダイユ(OVERMAN キングゲイナー)

アナ・メダイユとは、アニメ『OVERMANキングゲイナー』に登場するキャラクター。

普段は好奇心旺盛な8歳の少女だが、大人びた考え方や口調が表れることもあり、そのギャップに「バブみ」を感じてしまう人もいるのだとか。

ユニ(プリンセスコネクト!Re:Dive)

ユニとは、RPGの『プリンセスコネクト!Re:Dive』に登場するキャラクターです。

幼女のフリをして母性のある女性に甘えるという趣味を持つ彼女は、ネット上で「狂気の18歳児」と表現されることも。

「甘えさせてほしい」時に使用する、本来の意味としての使い方ではなく、「赤ん坊のようだ」ということを表現する意味での「バブみ」のあるキャラクターだと言えるでしょう。

「バブみ」の類語・対義語

類義語「オギャる」

バブみの類義語には、先述した「オギャる」が該当します。「赤ん坊のように甘えたい」といった意味を表し、「オギャりたい」「オギャった」のように使います。

「バブー」よりもさらに強い「オギャー」という泣き声が由来になっていることから、「バブみ」よりもさらに強く「癒やされたい」「赤ん坊のようになってしまう」ことを表現している言葉と言えそうです。

対義語:「保護い」

「バブみ」の対義語には「保護い」が挙げられます。これは、アニメのキャラクターやアイドルなどに対して「守ってあげたい」と感じた時に使われる表現です。

「バブみ」が「守ってもらいたい」という時の表現なのに対して、逆に自分が相手を守ってあげたい時に使われるので、対義語と言えますね。

「保護い」は「エモい」や「ゲスい」のような、形容詞として使われる「○○い」という使い方の一例です。

「バブみ」の意味を知ろう

ネットスラングは通常の俗語よりも変化しやすいもの。

今は誤用とされているものもこの先、時間とともに定着していくかもしれません。

これから先「バブみ」がどのような意味で定着していくのか、はたまた消え去ってしまうのか、その過程を見届けることもネットスラングの面白みの一つですね。

(落合正和)

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※画像はイメージです

※この記事は2021年02月09日に公開されたものです

落合正和(WEBメディア評論家・マーケティングコンサルタント) (WEBメディア評論家・マーケティングコンサルタント)

WEBメディア評論家・マーケティングコンサルタント・株式会社office ZERO-STYLE代表取締役。
ブログやSNSを中心としたWebメディアを専門とし、インターネットに関連する事件、事故、IT業界情勢などの解説でTV、新聞などのメディア出演多数。
ブログやSNSの活用法や集客術、リスク管理等の講演のほか、民間シンクタンクにて調査・研究なども行う。

著書『はじめてのFacebook入門決定版』(秀和システム)、『ビジネスを加速させる専門家ブログ制作・運用の教科書』(つた書房)、『会社のSNS担当になったらはじめに読む本』(すばる舎)

Webサイト:https://m-ochiai.net/

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