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目上の人に「おかげさまで」は使える? 正しい使い方と例文

直井みずほ

上司や社外の人に対して、「おかげさまで」という言葉を使ってもいいのか迷ったことはありませんか? 今回は、国際おもてなし協会代表理事・直井みずほさんに、「おかげさまで」の正しい使い方や目上の人に使ってもいいのか、また言い換え表現などについて教えてもらいました。

ビジネスシーンや日常生活の中で、人から受けた力添えや厚意に対する感謝を伝える際に「おかげさまで」という言葉を使うことはありませんか?

何気なく使われる言葉ですが、きちんと意味を理解し正しく使えているでしょうか。

今回は、感謝の気持ちを謙虚な心とともに伝える言葉「おかげさまで」の正しい使い方について解説します。

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誤用が多い「頭が上がらない」の本来の意味は?

「おかげさまで」という言葉が持つ意味

「おかげさま」を辞書で引くと、次のように書かれています。

おかげさま【御蔭様】
相手の親切などに対して感謝の意を表す挨拶語
(『広辞苑 第6版』岩波書店)

また、「御蔭」については、以下のように記載されています。

おかげ【御蔭】
(1)神仏のたすけ。加護。また、人から受けた恩恵・力ぞえ
(2)(善悪にかかわらず)ある人や物事がもたらす結果・影響
(『広辞苑 第6版』岩波書店)

この「御蔭」に「様」が付いたものが「おかげさま」ですが、「様」を付けることで、「ご苦労様」や「ご馳走様」と同様に相手への労いと敬いが込められます。

また、古来より「陰」という言葉は、「神仏など偉大なものの陰で庇護を受ける」といった文脈でも使われてきました。

つまり「おかげさまで」は、人の力添えや、神仏など目に見えないものの力によって自分に良い結果がもたらされたことへの感謝の気持ちを、敬意を込め丁寧に表した言葉なのです。

ちなみに「御蔭」の(2)の意味の場合は、「あの人のおかげでひどい目に遭った」というように、悪い結果に対して使われることもあります。

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