誤用が多い「頭が上がらない」の本来の意味は? 使い方や例文を解説
普段耳にする「頭が上がらない」という言葉。「頭が下がる」と同じ意味だと思っていませんか? そこで今回は、ライティングコーチの前田めぐるさんに、「頭が上がらない」の意味や使い方、「頭が下がる」との違いや言い換え表現などを解説してもらいました。
もし、自分が誰かから「あなたには頭が上がりません」と言われたら、どう感じるでしょう。
「“頭が上がらない”は、“上がる”の否定だから“頭が下がる”と同じ意味でしょう? こそばゆいけど、うれしい」と思う人がいるかもしれません。
しかし、「頭が上がらない」は「頭が下がる」とは別の意味です。
この機会に正しい意味を知り、混同しないよう気を付けましょう。
目次
「頭が上がらない」の意味とは
辞書を引くと、「頭が上がらない」の意味は次のように書かれています。
頭が上がらない
相手に負い目があったり、権威に圧迫されたりして対等に振る舞えない。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)
「頭が上がらない」とは、自分が失敗をしたり、何らかの恩義や借りがあったりした相手に対して、対等に振る舞えない様子を意味しています。
また、相手の地位や実力などが自分とは比較にならないほど上であるために引け目を感じている場合にも、「頭が上がらない」と表すことができます。