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オーガズムとは? 達する仕組みとイクための練習方法【医師が解説】

宋美玄(産婦人科医・医学博士)

セックスにおけるオーガニズムとは? イクってどういこと? オーガズムとは何かや仕組みを産婦人科医・医学博士の宋美玄さんが分かりやすく解説します。

セックスで「イク」ことを「オーガズムに達する」と言いますが、「その『イク』感覚がいまいちわからない」という女性は少なくありません。

しかし、アダルトコンテンツなどでは、女優さんたちはみんなオーガズムに達しているように見えます。

オーガズムってどんなもの? イケない私はおかしいの? どうやったらオーガズムを得られるの……? そんな、セックスでイクことへの疑問を解説します。

宋美玄(産婦人科医・医学博士) (産婦人科医・医学博士)

大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。

主な著書に、ベストセラーとなった『女医が教える本当に気持ちいいセックス』がある。

一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

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オーガズムの意味とは?

そもそもオーガズム(オルガズム)とは、どんな状態のことを言うのでしょう。

オーガズムとは性反応のひとつです。ひと言で説明するなら「絶頂感」。男女がそれぞれの性器で感じる性的興奮が頂点に達したときに得る快感のことをオーガズムと呼んでいます。

オーガズムに達した時の体の反応

オーガズムに達すると、男性も女性も0.8秒間隔で性器の収縮が起こります。男性の場合はペニスが収縮し、精液が外尿道口から排出される「射精」が起こります。

一方、女性の場合は腟の下部1/3と子宮が収縮します。この動きは、挿入されたペニスの根元をしごき、射精された精液を余すことなく吸い取る動きだといわれており、人によっては下腹部痛を感じることもあるといわれています(オーガズム痛)。

オーガズムを感じた時の反応は、こうした性器の収縮のほかにも、さまざまなものがあります。

例えば全身のけいれん、眼球の上転(いわゆる「白目をむく」状態)、発汗、全身皮膚の紅潮、涙を流すなどです。

オーガズムの感覚はどうちやって分かる?

また、イク時の感覚は人それぞれ。

「電流が走った」という人もいれば「頭が真っ白になった」「おもらしをしたような感覚になった」という人もいるなど、さまざまな感想が見受けられます。

このような反応が現れる時、体の中ではどのようなメカニズムが働いているのでしょうか。

オーガズムが起こる仕組み

ヒトの性反応は男女ともに、興奮期→高原期→オーガズム期→消退期という4つの段階をたどっていきます。

オーガズムが起こるのは、この4段階の3つめにあたるオーガズム期です。2段階にわたる十分な準備を整えてからオーガズムに達していきます。

興奮期

最初は、性的興奮を感じるところからスタートします。

性的興奮は、性的刺激となるものを見たり、聞いたりすることや、性器に直接触れられたりすることで生じていきます。興奮を感じると、皮膚の紅潮や発汗、心拍数の増加などが生じ、性器周辺が充血していきます。

女性の場合はクリトリス、小陰唇などが充血してふっくらします。そして腟粘膜からは潤滑液が分泌され、「濡れて」いきます。

男性の場合は充血によってペニスが大きく硬くなり、勃起します。ここまでが興奮期です。

高原期

その状態で性的刺激が続くと興奮がさらに高まり、性反応の第2段階である高原期に達します。

男女ともに性器への充血が増し、クリトリスや小陰唇、腟壁はよりふっくらと、ペニスは亀頭がふくらんで完全に勃起し、精巣も大きくなり、オーガズムへの準備を整えます。

オーガズム期

そして性的興奮が絶頂に達したとき、快感を伴う筋肉の緊張が起こり、その反射によって性器が収縮します。これがオーガズムです。

男性はこの時に射精が起こります。

女性の場合は、男性の射精のようなシンボリックな現象が現れることはありませんが、先ほど紹介したけいれんや皮膚の紅潮といった、さまざまな反応が生じます。これが、オーガズムが起こるまでの大まかな仕組みです。

なお男性はオーガズムの後、一定の時間、性的刺激に無反応になり、それが過ぎるまでは再び射精することができません。しかし女性は、そうした無反応期なしに何度も繰り返しオーガズムに達する、マルチオーガズムに至ることが多いようです。

▶次のページでは、オーガズム経験のある女性割合や、オーガズムを得られない原因を解説します。

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