職場でモラハラを受けているかも? モラハラ事例と対処法
話し掛けているのに無視をされたり、プライベートに過度に立ち入られたりと、職場でモラハラを受けてつらい思いをしている方はいませんか? 今回は、外資系OLコラムニストのぱぴこさんに、モラハラをしてくる人の心理やモラハラ例、対処法などについて考えてもらいました。
モラルハラスメント、通称モラハラ。昨今、認知度が上がったハラスメントです。
「ハラスメントだめ、絶対!」と叫びたいですが、職場では上下関係(上司・部下)などの役割があることから、「指導」と「ハラスメント」の境界線が曖昧になりやすいところがあります。
また、ジェンダーや社会構造上の傾向から、「男性が女性にするもの」と思っている人も未だに多くいますが、同性間でもハラスメントは成立します。しかし、この前提がきちんと認識されていないことで、女性から女性へのハラスメントは見過ごされてしまいがちでもあります。
職場のモラハラとは
さて、まずは職場のモラルハラスメントについて、具体的にどんなことがあるのか見ていきましょう。
そもそもモラハラとは、道徳や倫理に反した言動や態度によって、相手を精神的に追い詰め、支配しようとすることです。
加害者には「被害者を正しく導く」という認識の元、被害者の言動を細かく注意して「指導」する特徴があると思います。
前述の通り、上下関係のある職場は「指導」によるモラハラ被害を生み出しやすい環境でもあり、かつ線引きが曖昧になりがちです。
ただし、パワーハラスメントもモラルハラスメントも、必ずしも役職上位者から下位者、男性から女性への行為ではなく、業務上の優位性を利用して実行されることが多いです。
加害者の被害者以外への振る舞いは丁寧で、社交的なことも多く、「モラハラをするような人ではないだろう」という周囲と被害者の認識のギャップが二次被害につながることもあります。
職場のハラスメント事例
厚生労働省では「モラハラ」を個別の事象として定義していませんが、職場のパワーハラスメント事例としては、裁判例や個別労働関係紛争処理事案に基づき、6つの行為を典型例としています。
このうちの(1)身体的な攻撃を除いた5つが職場のモラハラであると考えられるでしょう。
(1)身体的な攻撃/暴行・傷害
(2)精神的な攻撃/脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言
(3)人間関係からの切り離し/隔離・仲間外し・無視
(4)過大な要求/業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害
(5)過小な要求/業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと
(6)個の侵害/私的なことに過度に立ち入ること
ただし、この6つの行為は職場のパワーハラスメントに当たり得る全ての行為を網羅するものではないため、「この中に該当しないからパワハラ・モラハラではない」と断言することはできません。