「ご苦労様です」はどう使う? 「お疲れ様です」との違いや使い方・類語を解説
「ご苦労様です」と「お疲れ様です」の違いや注意点
ここでは、「ご苦労様」と似た言葉である「お疲れ様」の意味や両者の違い、注意点を解説します。
「お疲れ様」の意味は?
違いを探る前に、まずは「お疲れ様」にどんな意味があるか調べてみましょう。
おつかれさま【御疲れ様】
相手の労をねぎらう意の挨拶語。
(『広辞苑 第七版』岩波書店)
「お疲れ様」もまた、相手をいたわる時に使うあいさつの言葉である、ということが分かります。
それでは、「ご苦労様」とはどう違うのでしょうか?
両者の違いは「目下・目上の両方に使えるかどうか」
「ご苦労様」も「お疲れ様」も相手の労をねぎらう時に使う点で、意味は同じです。ビジネスシーンでもよく使われますね。
特に「お疲れ様」は、社内におけるあいさつとして使用頻度が高い人も多いはず。朝のあいさつでは「おはようございます」ですが、それ以降は「お疲れ様です」が定番ですね。
「お疲れ様です」については、社内では目上の人に対してはもちろん、目下の人にも使って差し支えありません。
一方、前述したように「ご苦労様」は、目上の人が目下の人をねぎらう時に使える言葉です。そのため、社内で使う時は「お疲れ様です」のようにあいさつ語として多用できるかというと、そうではありません。
「ご苦労」という言葉は、あくまで目上の人が目下の人に掛ける言葉なので、それに「様」を付けて「ご苦労様」と丁寧な表現にしたとしても、目上の人に使うのは失礼にあたるため、避けた方がいいでしょう。
つまり、「ご苦労様」も「お疲れ様」も相手をねぎらう意味では同じですが、「お疲れ様」が目上・目下の両方に使えるのに対して、「ご苦労様」は目下から目上の人に対しては使えない、というのが両者の違いです。
社外の人には「お世話になっております」が基本
前段で、悩んだら「お疲れ様です」を使う方が無難だと書きましたが、ビジネスシーンで使う際には気を付けたいポイントがあります。
それは、「目上・目下」の上下関係に加えて、「社内か社外か」という、もう1つの関係性が加わるということ。
「お疲れ様です」は、社内では目上の人にも目下の人にも使えますが、そのまま社外でもあいさつ語として使えるかというと、やはり注意が必要です。
例えば、仕事で訪問した得意先の受付で「お疲れ様です」とは言いません。「お世話になっております」が一般的です。
また、案内状をもらって参加した得意先のイベントでも「お疲れ様です」とは言いません。「お招きいただきありがとうございます」の方が良いでしょう。また、前日会食などを共にしたのであれば「昨日はありがとうございました」と真っ先にお礼を述べるでしょう。
まとめると、社外の人に対するあいさつの場合には、「お疲れ様です」よりも「お世話になっております」を基本とし、場面に応じた感謝の気持ちを添えることをおすすめします。