生理期間が長引いたり短くなったりする理由と対処法
生理期間が平均より長い場合
生理期間が8日以上続く場合は、医学的には過長月経といいます。
生理をコントロールしている女性ホルモンは、脳の視床下部が下垂体に女性ホルモン分泌のゴーサインを出し、下垂体から卵巣に女性ホルモンを出すように命令することで分泌されます。
女性ホルモンのバランスを司っている視床下部は自律神経系や免疫系の司令塔でもあることから、女性ホルモンの分泌はストレスの影響を受けやすいという特徴があり、そのため一時的に生理期間が長くなるケースがあります。また、子宮筋腫などの病気により長くなるケースがあります。
生理期間が長いと判断する基準
出血期間が8日以上あると「長い」と判断されます。出血期間が長くなり、月の半分くらいが生理中のような感じになることもあります。経血量も多くなり貧血を起こしやすくなるため注意が必要です。
生理期間が長くなる理由
女性ホルモンのバランスの乱れが原因となる場合や、子宮の病気が原因となる場合があります。
(1)女性ホルモンの乱れ
不規則な生活、ストレス、激しいダイエットなどでホルモンバランスが崩れると過長月経・過多月経を起こすことがあります。ただし、このような生理が2~3回続いて正常に戻るときはストレス性と考えられる場合が少なくありません。
(2)子宮筋腫
子宮筋層(子宮の中にある筋肉でできている層)にできる良性の腫瘍で、30~40歳代の女性に多く見られます。女性ホルモンの1つであるエストロゲンが関与しており、女性ホルモンの分泌が盛んな年代の20~30%に見られるとされています。
症状は下腹部痛、腹痛、吐き気、頭痛、疲れやすいなどの生理痛(月経困難症)、腰痛、頻尿(トイレが近い)などです。徐々に経血量が多くなっていき、生理期間も長くなることがあります。
(3)子宮腺筋症
子宮筋腫と同じような症状で、30歳代後半~40歳代の出産経験のある女性に多く、出産回数が多くなることはリスクとなります。また、子宮内膜の操作を伴う子宮手術をしたことがある女性に多いと考えられています。
この場合、生理を重ねるごとに経血量が増え、月経痛も激しくなり、生理期間の延長や過多月経が見られます。
(4)無排卵周期症
生理のような出血はあるものの、排卵していない状態です。生理があれば必ず排卵があるとは限りません。
排卵がないまま子宮内膜がはがれる無排卵周期症では生理周期が不順なことが多く、生理期間が長くなることがあります(短くなることもあります)。排卵が起こらないため、不妊の原因にもなります。