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セックスをすると痛い。性交痛を感じる場所と痛みの理由&対処法

宋美玄(産婦人科医・医学博士)

「性交痛をなんとかしたい」。痛みをなくすための対処法

セックスはパートナーとの大切なコミュニケーションのひとつです。せっかくだから気持ちのよいセックスをしたいのに、痛みがあって楽しめないのはつらいですよね。その悩みを解決するための方法をいくつかあげてみました。

腟の入り口付近が痛いとき

・前戯に時間をかける
・排卵日前にセックスをしてみる
・水分をたっぷりとる
・潤滑ゼリーを使ってみる

先ほども説明したように、腟の入り口付近に痛みを感じる理由の多くは、ペニスを受け入れるための準備が不足していることに起因しています。まずは前戯に時間をかけ、しっかりと性反応が起こってから挿入するようにしてみてください。

興奮を感じているのに濡れにくく、痛みが生じやすい場合は、腟からの分泌物が多くなる排卵日付近にセックスをしてみるのも、ひとつの解決策として有効です。ただし、妊娠の可能性が高まるので、妊娠を望まない場合はいつも以上に避妊に気を配りましょう。

そのほか水分を十分にとったり、潤滑ゼリーを使ってみたりするのもいいですね。潤滑ゼリーは「かぶれにくい」などの表記があって、なるべく刺激が少なく、使用感が長続きするものを選ぶとよいでしょう。

腟の中や奥が痛いとき

・婦人科を受診する
・体位を変えてみる
・体格差をカバーする

腟の奥のほうに痛みを感じる場合は、先ほども説明したように子宮内膜症などの病気が隠れている可能性が考えられます。まずは一度、婦人科を受診してみてください。

腟の奥のほうは自分では見えない場所のため、「病気かも」といわれると受診するのが怖くなるかもしれません。しかし、一生付き合っていく自分の体です。放っておかずに大切にしてあげましょう。最初のハードルを越えてしまえば、その後は何かあったときに、かかりつけの婦人科として気軽に頼れるようになるはずです。

軽度の子宮内膜症や子宮後屈の場合、痛い箇所に当たらないような体位を探してセックスを楽しむことが可能です。

また、特に病気や異常でない場合でも、腟の奥のダグラス窩あたりに痛みを感じる場合は、ペニスの当たり方に原因があることも考えられます。痛みを感じる部分に当たらないような体位を探してみましょう。

例えば同じ正常位でも、パートナーが上半身を起こした姿勢と、体を寝かせて女性に抱きつくような姿勢とでは、ペニスの当たる位置が変わります。クリトリスをはじめとした女性の性感帯は、基本的に体の手前側に集中しているので、奥に当たらない体位でも快感を得ることはできます。

性交痛のある場合には、女性がうつぶせになった後背位、いわゆる「寝バック」の体位が痛みを感じにくいとされています。体位を工夫してみましょう。

次ページ:体だけでなく心理的な原因の場合も

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