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なすの栄養素と効果とは? 栄養を逃さない食べ方のコツ

山根みずえ(管理栄養士)

なすに含まれる栄養素と効果

生のなす100g当たり(1本は約80g)の栄養成分を見てみましょう。

なすの90%以上は水分で、ビタミンやミネラルの含有量は比較的少ないですが、カリウムや食物繊維を多く含んでいます。

項目 100g当たりの栄養成分
エネルギー 22kcal
たんぱく質 1.1g
脂質 0.1g
炭水化物 5.1g
カリウム 220mg
カルシウム 18mg
マグネシウム 17mg
0.3mg
亜鉛 0.2mg
レチノール活性当量(ビタミンA)  8μgRAE
βーカロテン 100μg
αートコフェロール(ビタミンE) 0.3mg
ビタミンK 10μg
ビタミンB1 0.05mg
ビタミンB2 0,05mg
ナイアシン 0.5mg
葉酸 32μg
パントテン酸 0.33mg
ビタミンC 4mg
食物繊維 2.2g

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)データ更新2019年より一部抜粋

なすは夏バテ・熱中症予防におすすめ

夏バテは暑さや高い湿度と冷房環境との中で体温調節などの自律神経が乱れることが原因で、食欲不振を引き起こします。あわせて、暑さのために眠れないことから、疲労がたまり、体のだるさを感じるようになります。

また、熱中症は大量の汗をかくことにより、水分、ナトリウムと共にカリウムが体外に排出されることによって、めまい・頭痛・吐き気・脱力感といった症状が起こります。

熱中症予防のためには、水分、ナトリウム、カリウムをバランスよく摂取する必要があります。

なすやきゅうり、トマトといった夏野菜は水分を多く含み、利尿作用や血圧を下げる作用があるカリウムを多く含むことから、熱中症予防によいと考えられています。

なすにはカリウムが1本(約80g)当たり176mg含まれています。これは市販のスポーツドリンク1本(500ml)に含まれるカリウム(130mg)よりも多い量です。

水分、ナトリウム、カリウムも一緒に摂取するなら、なすの味噌汁がおすすめです。

血圧を下げ、むくみを予防する

なすに多く含まれているカリウムは高血圧の原因となるナトリウムを体外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。

塩分の摂り過ぎは体のむくみにも繋がります。お酒を飲む時は、塩辛い食べ物が多くなりがちです。おつまみになすを使った料理を取り入れるとよいでしょう。

不溶性食物繊維はごぼうの約半分!

食物繊維には、便の材料になる不溶性食物繊維と、腸内環境を整える水溶性食物繊維があります。なす100gには不溶性食物繊維が1.9g含まれており、不溶性食物繊維を多く含む野菜の代表格であるごぼう(100g当たり3.4g)の約半分も含まれています。

これは、成人の1日の摂取目標量の約1/10量に値します。なすは柔らかく、食べやすいのでたくさんの食物繊維を摂りやすい食材です。

抗酸化作用のあるナスニン

上記の栄養素一覧に含まれてはいませんが、なすを語る上で欠かせないのが鮮やかな紫色の色素ナスニンです。

ナスニンはポリフェノールの一種です。ポリフェノールは、増え過ぎると体に害を与えてしまう活性酸素の働きを抑制する抗酸化作用があり、がんや動脈硬化といった生活習慣病や老化の防止などに効果が期待されています。

ナスニンは皮の部分にのみ含まれているため、皮を剥いてしまうと、摂取することができません。なすを調理する際はぜひ皮ごと使いましょう。皮のキュッキュッとした独特の食感が苦手な方は、ピーラーで縦縞になるように剥くと食べやすくなります。

ナスニンの他にもう一つ、クロロゲン酸というポリフェノールも含まれています。なすを切った際の変色やアク抜きをせずに調理をした際のえぐみはクロロゲン酸によるものです。

クロロゲン酸にはナスニン同様に抗酸化作用があります。夏の強い紫外線によって体内では活性酸素が発生します。したがって、屋外での活動の多い方にはなすのように抗酸化物質を多く含む野菜がおすすめです。

次ページ:栄養素を逃がさないなすの調理方法や食べ方とは?

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