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「ご愁傷様です」の意味と正しい使い方

松岡友子(コミュニケーションマナーアドバイザー)

「ご愁傷様です」の正しい使い方

このように「皮肉」という使われ方もするためか、「ご愁傷様です」は葬儀の場で使うことのできる正しい言葉であるにも関わらず、使い方が今一つ分からない、使うことに抵抗があるという方も多いようです。

実は筆者も、常にこの言葉だけで十分であるとは思えません。なぜなら、故人やご遺族に対する自分の心からの思いを伝えきれていないと感じるからです。

例文

「ご愁傷さまです」は、前述の広辞苑には「人の不幸に際し、その縁者に同情して言うあいさつの言葉」と書かれています。

あいさつというのは、お互いの状況を確認し、そのあとのコミュニケーション、つまり感情のやり取りをする「きっかけ」の言葉です。ですから、そのあとに「心からの」自分の気持ちを伝える言葉を続けると良いのではないでしょうか。

「この度は誠にご愁傷様です」とあいさつしたあと「心より(謹んで)」お悔やみ申し上げます」「ご冥福をお祈り申し上げます」などと続けます。

目上の方に使う場合には「このたびはまことにご愁傷様でございます」と丁寧語で表現します。

また、言葉は心情を表すものですので、自分にとって使い心地の良い言葉を使うことも大切です。ですから、もし「ご愁傷様です」に抵抗を感じるようでしたら「この度は……心よりお悔やみを申し上げます」と最初にあいさつしても何ら問題はありません。

どのシーンでも、誰にでも使えるのか

相手の身内の不幸を聞いた時、あるいは葬儀でご遺族と短いあいさつを交わすだけなら「この度はご愁傷様です」の一言だけでも良いでしょう。

ですが、可能なら「ご愁傷様です」の言葉の後に、自分の思いを伝える言葉を続けるよう心がけてみてください。そうすれば、相手が上司、友人などどなたであっても、ご遺族と直接言葉を交わす場合に使うことができると思います。

身内に使うのは不自然

ただし、「ご愁傷様です」はあいさつとしては少し他人行儀に聞こえます。あまり身内に使うことはありません。

お悔やみの手紙、弔電、メールでは使えるのか

では、弔電やメールなどに「ご愁傷様です」を使うことは適切でしょうか。

手紙や弔電、メールの場合は省く

お見舞いや弔意を伝える手紙は、緊急時であり相手は取り込み中でもあるため、前文のあいさつを省いていきなり本文から書き出すのがマナーです。

手紙の派生形である弔電やメールも例外ではありません。

とすると、あいさつ言葉である「ご愁傷様です」は使う必要がありません。心のこもったお悔やみの言葉から書き出しましょう。

美辞麗句を連ねた空疎なものにならないよう、また自分の嘆きや悲しみばかりを強調することもないよう、文には工夫が必要です。

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