「後の祭り」の意味とは? 語源や使い方について
「後の祭り」は、どんな時使えるのか?(例文付き)
さて、意味が分かったところで、実際に「後の祭り」はどんな時に使えるでしょうか。
シーン別の例文も併せて紹介していきます。
今から努力しても間に合わない時
例文
・資格試験はもう終わったのだから、今さら勉強しても後の祭りだ。
今さら後悔しても手遅れである時
例文
・あの事業は、もう事業者が決まった様子。入札すれば良かったといくら悔やんでも、後の祭りというものです。
終わってから行動しても間に合わない時
例文
・そのコンペは昨日終わりました。今日になって書類を提出しても後の祭りです。
「後の祭り」の言い換え表現
ここでは、「後の祭り」の言い換え表現として、似た意味を持つことわざや言葉を紹介していきます。
ことわざ
「後の祭り」はポピュラーな言葉ですが、他にも同じように「手遅れ」であることを意味する表現はいくつかあります。
「後の祭り」と似通った意味合いを持つことわざを以下に挙げます。
「泥棒を捕らえて縄をなう」
泥棒を捕まえてから縄を作り始めても遅いことから、事が起きてから慌てて対策をしても手遅れであるという意味。泥縄、とも略されます。
「バイトテロが起きてから警告しても、泥棒を捕らえて縄をなうようなものだ」というように使います。
「六日の菖蒲(あやめ)十日の菊」
5月5日の端午の節句は6日では間に合わず、9月9日の重陽の節句も10日では間に合わない。1日遅れたとしても、時機を失して役に立たないという意味です。
「今から開店祝いを贈っても、六日の菖蒲十日の菊だ」というような使い方をします。
「証文の出し遅れ」
終わった後に証拠の文書を出しても効き目がないことから、時機を逸しては何の役にも立たないという意味です。
「彼はもう企画書を仕上げてしまったので、今さらあなたが助言しても証文の出し遅れでしょう」というような言い回しをします。
その他の表現
ここでは、「後の祭り」の言い換え表現として、「手遅れになる」という意味を持つ言葉を紹介します。
「遅きに失する」
時機に遅れて役に立たない、遅すぎて間に合わないという意味です。
例えば、「今からチケットを手配するのでは、遅きに失するでしょう」というような使い方をします。
「後手に回る」
相手に先を越され、受け身の立場に立たされるという意味です。
「この対策はスピードが命です。後手に回らないように、どんどん手を打っていきましょう」というふうな使い方ができます。
ビジネスはタイミング。時機を捉えて確実に
いかがでしたか?
「後の祭り」には、もはや手遅れでどうしようもない、という意味があることを紹介しました。
古来、農耕民族だった日本人にとって、供物を捧げ、収穫を祈る祭りは欠かせないもの。
そこには、さまざまな整えるべき道具がありました。祭りの用意をおろそかにしておいて、収穫に良い影響があるはずもないと考えられたのでしょうね。
ビジネスにおいても、それは同じ。出会い、縁、商談、会話……。種まきをしたら、水と栄養をやり、霜から守り、丁寧に育むこと。「これだ!」と思うタイミングを逃さないこと。
「後の祭り」とならないように、しっかり時機を捉えたいですね。
(前田めぐる)
※画像はイメージです
※この記事は2020年08月28日に公開されたものです