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「放念」を使った「ご放念ください」の意味とは? ビジネスでの使い方や類語

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「ご放念ください」と書かれたビジネスメールへの対応方法

ここでは、自分が「ご放念ください」という言葉を受けた際の返事について解説していきます。

「ご放念ください」という言葉は、相手に対して使う言葉です。そのため、返信の際には「放念します」「放念する」と書かないように気を付けましょう。

返信が不要な場合

「ご放念ください」と言われた内容が実際に取るに足らないことであったり、そのことに全く触れない方が良さそうであったリする場合、返事は不要です。

特に「取るに足らないことなので」「お忙しいでしょうから」という意味で、「些事ゆえ、ご放念ください」というような内容には、ほとんど返信の必要はありません。

返事をした方がいい場合

相手との関係性や内容によっては、返事をした方がいい場合もあります。

表面的な言葉だけで判断できないのが、ビジネスにおけるコミュニケーションの難しいところですね。

例えば、大切な取引先からメールの誤送信があった後に「ご放念ください」と削除依頼のメールが届いた場合には、「添付書類は未開封のままで早速破棄いたしました。どうぞ、ご安心ください」と返すと良いでしょう。

また、こちらが謝罪した相手から「ご放念ください」と許容するメールなどが届いた場合には、「お優しいご配慮に感謝いたします。どうぞこれからも懲りずにお付き合いただければ幸せです」とお礼の一言を返すと良いでしょう。

「ご放念」「ご放念ください」の言い換え表現

「放念」と似た意味合いを持つ言葉を、言い換えの表現と共に紹介します。

「ご放心」

・そのようなご心配はご無用です。どうぞ、ご放心ください。

「心に掛けないでください」「安心してください」という意味です。

「放念」と同様に使うことができます。

「ご休心」

・どうぞご休心くださいませ。

「安心してください」という意味で、こちらも「放念」同様に使います。

「お気になさらず」「お忘れください」

・特にこちらはご心配のようなことはございません。どうぞ、お気になさらず。

・わざわざお越しいただく程のことではございません。どうぞお忘れください。

「気にしないでほしい」「忘れてほしい」という時に使える、「放念」よりカジュアルな表現です。丁寧な印象にしたい場合には、「お気になさいませんようお願いいたします」「どうぞお忘れくださいませ」と書く方が良いでしょう。

相手や状況に合った言葉選びを

いかがでしたか?

「放念」は基本的には相手に対して用いる言葉で、「ご放念ください」は、「気にしないでほしい、心配しないでほしい」などの意味で、さまざまなシーンで活用できる表現です。

ただし、自分が謝罪する側である場合には、「ご放念ください」は使えません。相手や状況にふさわしい丁寧な言葉選びが大切です。

(前田めぐる)

※画像はイメージです

※この記事は2020年08月25日に公開されたものです

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師) (ライティングコーチ・文章術講師)

コピーライターとして長年「ことば」に関わってきた経験値を元にまとめた「ほどよい敬語」(https://ameblo.jp/comkeigo/)が好評。過剰さや不適切さを排し、明快に説く内容は「違和感の理由がわかりスッキリした」と質問サイトなどでたびたび引用される。

自治体・団体・医療機関向けSNS活用、文章術研修の講師でもある。

著書に『この一冊で面白いほど人が集まるSNS文章術』(青春出版社)『前田さん、主婦の私もフリーランスになれますか?』(日本経済新聞出版社)『ソーシャルメディアで伝わる文章術』(秀和システム)など。公益社団法人日本広報協会アドバイザー。

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