イライラを抑える方法は? 心が落ち着く心理テクニック
良くないと思いつつ、どうしてもイライラしてしまうことってありますよね。特に仕事が忙しい時や職場の人間関係があまりうまくいっていない時など。今回は心理カウンセラーの秋カヲリさんに、イライラを抑える方法について伺ってきました。すぐに試せるものばかりなのでチェックしてください。
イライラすると物に当たったり、強い口調になったりと攻撃的になってしまうことがありますよね。怒りを感じると、人は本能的に攻撃してしまう生き物なのです。
ただ、職場でこうした行動を取ると社会的信頼を失ってしまいますし、周りにも悪い影響を与えてしまいますから、イライラを抑えることはとても大切です。
今回は、職場でイライラする原因や理由、そして対処法をご紹介します。
職場のストレスとは? イライラする5大原因
本来は冷静であるべき職場でもイライラしてしまうのはなぜでしょうか。仕事中にイライラする5つの原因をご紹介します。
(1)次から次へと仕事が増えて残業が多い
やらなければならない仕事がどんどん山積みになり、キャパオーバーして残業ばかり……というように、仕事の量が増え過ぎると余裕がなくなってイライラしますよね。
特に早く家に帰りたいプライベート重視型の人は、仕事が増えるとイライラしやすいです。
(2)やりたくない仕事をしなければならない
自分がやりたい仕事であれば、やりがいを感じやすいので多少忙しくても頑張れますが、やりたくない仕事ばかり続けているとストレスがたまり、イライラしやすくなります。
「本当は違う仕事がしたいのに」「やりたくないのに」という気持ちばかり募ってしまうでしょう。
(3)人間関係が悪い
職場の人間関係が悪いとストレスが増幅し、イライラが抑えにくくなります。
苦手な人と一緒に仕事をしたり、気が合わない後輩の指導をしなければならなかったりと、何かしらの対人ストレスによっていら立ちを感じてしまいます。
(4)頭ごなしに命令される
上司や先輩から頭ごなしに命令されると不満を感じやすく「何でそんな言い方をするんだろう」とイライラしてしまうでしょう。
また、そうやって命令されて働いている自分のことも好きになれず、鬱々とした気分になる人も少なくないようです。
(5)自分が悪くなくても謝る
仕事では、自分が悪くなくても頭を下げなければならないシーンがあります。責任のある立場になればなるほど、謝る可能性も高くなるでしょう。
それが忙しい時に重なったりすると「私のせいじゃないのに」「何で私が?」と感じて、イライラが募ってしまいます。
イライラしてしまう心理的理由は?
毎回必ずイライラしてしまうこともあれば、状況によってイライラしたりしなかったりと時と場合によって受け止め方が違うこともありますよね。
私たちが抱えるイライラにはどんな心理的理由が隠れているのでしょうか。
(1)似ているからこその同族嫌悪
自分と似ている相手といると、なるべく直視したくない「自分の嫌な部分」が見えてしまい、同族嫌悪によってイライラしてしまうことも。
本当は相手ではなく自分のことが嫌なのですが、長く一緒にいればいるほど相手が嫌な人間に思えてきてしまいます。
(2)「自分は我慢しているのに」というフラストレーション
遅刻や身だしなみなど、普段モラルやルールなどを鑑みて自制したり我慢したりしている行動を、誰かが堂々としていると「自分は我慢しているのに、あの人はしていない」とイライラするものです。その抑圧が強い分だけイライラしやすくなるでしょう。
(3)自尊心が低いゆえの嫉妬心
自尊心が低い人は、相手も自分の場所まで引きずり下ろすことで自尊心を守ろうとします。
そのため、自分より人気があったり能力が高かったりする人に嫉妬しやすく、職場でも自分が認めていない相手が評価されているのを見ると、「あいつなんて大したことないのに」と嫉妬心を燃やしてイライラします。
(4)「こうあるべき」と決めつける正義感
自分の中に理想があり「絶対に○○しなければならない」といった強過ぎる正義感を持っている人は、その理想にマッチしない状況に対して強いストレスを感じます。
ほどほどの正義感は良いのですが、過剰な正義感は強迫性が強く、自分も他人も苦しめてしまうでしょう。
(5)自分が軽視されていることへの不満
上司や同僚から雑な指示出しをされたり、仕事内容を評価されなかったりすると「自分が軽視されている」と感じて不満を募らせることもあります。
「名前を呼んでくれない」「感謝の言葉が無い」など、相手とコミュニケーションする度にいら立つようになることも。
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イライラを抑える5つの対処法は?
たとえイライラしてしまっても、うまく対処すれば負の感情を抑えられるので大丈夫です。誰でもすぐに実践できる心理テクニックを5つご紹介します。
(1)1回「ストップ!」と冷静になる
怒りに任せて行動すると、状況が悪化する上に怒りの感情がさらに高まってしまいます。
イライラしたら、心の中で「ストップ!」と念じて、一度クールダウンしましょう。これをストップ法といいます。1分間だけ別の作業をしたり、他のことを考えたりするだけでもイライラはかなり軽減されます。
(2)「本当に相手が悪いのか?」と客観視する
自分が正しい! と思っていると、正義感が強くなってどんどんイライラしてしまうもの。しかしそんなイライラも、自分の受け取り方次第で軽減できるのです。
「イラッとしたけど、これって本当に相手が悪いんだっけ?」と客観視しましょう。そうやって自分と対話することで、現状を受け入れやすくなります。
(3)ぐっすり眠る
体が疲れているとストレスを感じやすくなり、イライラしやすい精神状態になります。
体の休息は心の休息。イライラしがちな日々が続いたら、ゆっくりお風呂に入ってぐっすり眠る日を設けてリフレッシュしましょう。体を休めることで、日常のストレスに無理なく対応できる健康な心を取り戻せます。
寝る前に音楽を聴きながらツボ押しをしたり、リラックスできるアロマオイルを入れて入浴したり、温かい飲み物を飲んでリラックスしたりすると深く眠れますよ。
(4)「イライラは成長のきっかけ」と捉える
イライラをネガティブに捉えると心身の毒になりますが、ポジティブに捉えることで成長のきっかけになります。
「もう絶対こんな状態にならないようにしよう」「もっと上を目指そう」と自分の糧にするつもりで受け止めれば、「乗り越えるべき壁だった」と思えるものです。「成長のきっかけだ」と実際に口に出すと、気持ちを切り替えやすくなりますよ。
(5)「死ぬわけじゃなし」と楽観視する
(4)のようにポジティブに捉えるのが難しいと感じたら、「イライラしたけど死ぬわけじゃないし」と楽観視するように心掛けてください。
悲観的になるとイライラが重く心にのし掛かりますが、楽観的になれば「そこまで気にしなくていいか」とうまく流せるようになりますよ。これも口に出してみましょう。
イライラをため込むと人間関係が悪化する
イライラをため込んでしまうと、攻撃的なコミュニケーションをして人間関係を壊してしまうリスクがあります。
職場の人間関係を円滑に保つためにも、今回ご紹介した対処法を実践してイライラをため込まないようにしましょう。
イライラをうまく対処できればコミュニケーション上手になり、仕事もプライベートも楽しみやすくなりますよ。
(秋カヲリ)
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※画像はイメージです
※この記事は2020年07月31日に公開されたものです