お使いのOS・ブラウザでは、本サイトを適切に閲覧できない可能性があります。最新のブラウザをご利用ください。

「致します」「いたします」違いはある? 漢字・ひらがなの使い分けや例文を紹介

前田めぐる(ライティングコーチ・文章術講師)

「いたします」を使った例文

さて、ビジネスシーンでは漢字の「お願い致します」より「お願いいたします」がよりふさわしいと分かったところで、他にはどのような表現があるのか見ていきましょう。

(1)補助動詞として使う場合

まずは、ここまで紹介してきた補助動詞としての「いたします」を使った例文について紹介します。

(メールや手紙で)
・以上、何卒ご配慮いただきますようよろしくお願いいたします。

(メールやメッセージのやり取りで)
・明日にでも書類をご用意してお待ちいたします。

(いつでも立ち寄ってほしいとのメールへの返信で)
・承知しました。ではお伺いする前にご連絡いたします。

(相手の配慮に謝意を表すメールで)
・このたびはお手数をおかけいたしまして、恐縮です。誠にありがとうございます。

この4つの「いたします」はいずれも補助動詞としての働きです。

(2)クッション言葉として使う場合

前段の例文4つ目「このたびはお手数をおかけいたしまして、恐縮です」と同じ意味で、しばしば「お手数をおかけいたしますが」のようなクッション言葉が使われます。

この際、後に続く言葉によっては、以下のように「いたします」が重複することがあります。

・お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

これは間違いではありませんが、無理に使う必要もありません。

次のように、「いたします」ではなく「ございます」にしても良いですし、シンプルに「お手数ですが」でも良いでしょう。

・お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。

→ お手数ではございますが、よろしくお願いいたします。
→ お手数ですが、よろしくお願いいたします。

このようにすっきりした文章になりますね。

クッション言葉としての用法では、初めから「お手数でございますが」「お手数ですが」を使うと決めておくといいでしょう。

そうすることで、「いたします」の重複を避けることができるだけでなく、文章で悩む時間も短縮できます。

参考記事はこちら▼

こちらの記事では、メールの締めに使える例文を紹介しています。

次のページを読む

SHARE