「致します」「いたします」違いはある? 漢字・ひらがなの使い分けや例文を紹介
「いたします」を使った例文
さて、ビジネスシーンでは漢字の「お願い致します」より「お願いいたします」がよりふさわしいと分かったところで、他にはどのような表現があるのか見ていきましょう。
(1)補助動詞として使う場合
まずは、ここまで紹介してきた補助動詞としての「いたします」を使った例文について紹介します。
(メールや手紙で)
・以上、何卒ご配慮いただきますようよろしくお願いいたします。
(メールやメッセージのやり取りで)
・明日にでも書類をご用意してお待ちいたします。
(いつでも立ち寄ってほしいとのメールへの返信で)
・承知しました。ではお伺いする前にご連絡いたします。
(相手の配慮に謝意を表すメールで)
・このたびはお手数をおかけいたしまして、恐縮です。誠にありがとうございます。
この4つの「いたします」はいずれも補助動詞としての働きです。
(2)クッション言葉として使う場合
前段の例文4つ目「このたびはお手数をおかけいたしまして、恐縮です」と同じ意味で、しばしば「お手数をおかけいたしますが」のようなクッション言葉が使われます。
この際、後に続く言葉によっては、以下のように「いたします」が重複することがあります。
・お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
これは間違いではありませんが、無理に使う必要もありません。
次のように、「いたします」ではなく「ございます」にしても良いですし、シンプルに「お手数ですが」でも良いでしょう。
・お手数をおかけいたしますが、よろしくお願いいたします。
→ お手数ではございますが、よろしくお願いいたします。
→ お手数ですが、よろしくお願いいたします。
このようにすっきりした文章になりますね。
クッション言葉としての用法では、初めから「お手数でございますが」「お手数ですが」を使うと決めておくといいでしょう。
そうすることで、「いたします」の重複を避けることができるだけでなく、文章で悩む時間も短縮できます。
こちらの記事では、メールの締めに使える例文を紹介しています。