「鳴り物入り」の意味とは? 語源や使い方について
「鳴り物入り」の使い方(例文)
「鳴り物入り」の使い方を例文で見てみましょう。
・本格派右腕と高く評価され、鳴り物入りでの入団だった。
・主演俳優の妹役で、宣伝ポスターにも大きく写るほどの鳴り物入りのデビューを飾った。
・新商品は、記者会見にも社長が参加するなど、鳴り物入りで発表された。
このように、周囲が注目し、大いに盛り上げている様子をいうわけです。
一方で、以下のように、「大々的に宣伝する割にはいまいちだった」「実力が伴わないのに大げさに喧伝される」という皮肉・非難の意で使われている例も多いです。
・鳴り物入りで始まったBSデジタル放送であるが、予測よりも視聴者の増加が伸び悩んだ。
・改編の目玉として鳴り物入りでスタートしたものの、視聴率は芳しくなかった。
「鳴り物入り」が使われる時には、どのような意図で使われているか、文脈を注視する必要があるわけです。
「鳴り物入り」の言い換え表現
「鳴り物入り」は、単ににぎやかに盛り上げる様子をいう場合と、宣伝が大げさ過ぎると皮肉を込めて使う場合とがあります。
ですから、自分はポジティブな意図で使ったとしても、相手は、皮肉・嫌味を言われたとネガティブに受け取る可能性があるのです。
誤解を避けるためには、「鳴り物入り」を使わずに、他の表現に言い換えた方が安心です。
にぎやかな様子を表したい場合
にぎやかな様子を表したい場合には、以下のような表現に言い換えてみると良いでしょう。
・華々しく
・大々的に
・盛大に
・派手に
・にぎにぎしく
少々やり過ぎだという皮肉を込めたい場合
少しやり過ぎである様子に対して皮肉を込めたい場合には、次の表現への言い換えが可能です。
・大げさに
・大仰(おおぎょう)に
「鳴り物入り」は文脈を読むことが大事
「鳴り物入り」は、歌舞伎に由来する言葉で、小鼓や太鼓・笛などの楽器(鳴り物)ではやし立てる様子をいった言葉でした。
そこから意味が広がり、大々的に宣伝する様子に使われています。
新人や新商品が大いにPRされている時に「鳴り物入りで」と表現されることが多いです。
宣伝が大げさな割に実力が伴わない、というネガティブな皮肉の意味で使われている場合もありますので、使われている文脈をしっかり読みましょう。
(吉田裕子)
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※この記事は2020年07月25日に公開されたものです