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「業が深い」の意味とは? 語源や使い方・類語を紹介

櫻井弘

「業が深い」という言葉を聞いたことはありますか? 「欲深い」や「運が悪い」という、ネガティブな表現をする際に使われる言葉です。今回はそんな「業が深い」の意味や語源、使い方などについて、株式会社櫻井弘話し方研究所の櫻井弘さんに解説してもらいました。

「業(ごう)が深い」と聞くと「情が深い」と似ているので、良いイメージで解釈している人もいるかもしれません。

しかしそれは全く違っていて、「業が深い」とは、「欲深い」「運が悪い」という意味となります。

「業(カルマ)」という仏教用語からも由来している「業が深い」の言葉について、学んでいきましょう。

「業が深い」の意味・由来

まずは、「業が深い」の意味や由来について解説していきます。

「欲深い」や「運が悪い」を意味する

「業が深い」は、主に「欲深い」や「運が悪い」という意味で用いられます。

この「業が深い」は、「前世での欲深さによる悪行によって、報いを受けているさま」というのが本来の意味です。

現代ではこの意味が転じて「欲深い」「運が悪い」という意味となり、基本的にはネガティブな表現の際に使われるようになりました。

「業が深い」の語源・由来

「業が深い」の語源は、仏教用語の「業(カルマ)」といわれています。

「業(カルマ)」とは、「行為」を意味します。

人は良い行いも悪い行いも積み重ねながら生きていて、それらの行為の結果は蓄積されていきます。

つまりカルマとは、良いことをすると良い結果が、悪いことをすると悪い結果がもたらされる、という因果応報の法則のこと。「自分が行った行為は、いつか自分に返ってくる」ということです。

仏教の世界では、この「業(カルマ)」に基づき、生前(前世)での生き方や行いの結果によって、生まれ変わる世界が決まるといわれています。

この仏教の考えが「前世で多くの罪深いことをして、その悪行の報いを現世で多く背負っている」という、「業が深い」の由来となっています。

「業が深い」の使い方・例文

次に、「業が深い」の使い方や例文について紹介していきます。

「業が深い」とはどういう人?

「業が深い」とは、基本的には、「欲深い」「運が悪い」というマイナスのイメージで使うため、ネガティブな意味合いで使われる言葉です。

例えば、「自分を強く見せたい!」「お金や権力を保持し誇示したい!」などの欲望がにじみ出ている人や、嫉妬深い人、ブランド物などへの執着心が強い人などに対して、「あの人は業が深い」と表現されることがあります。

「業が深い」の例文

ここでは、「業が深い」の例文を3つ紹介していきます。

(1)「○○は業が深い生き物(人)だ」

「○○」には、「人間」や「女」「男」、自分や相手など、さまざまなワードが入ります。「欲深い」という意味合いを示す場合に使うことが多いです。

(2)「彼の顔からは業の深さがにじみ出ている」

基本的に、この「業が深い」という言葉を使う対象は人物ですが、「表情」に対しても使うことがあります。

こちらも欲深さを表現する際に使う言い回しで、あまりポジティブな意味合いでは使われません。

(3)「こんなに悪いことが続くなんて、よほど前世の業が深かったんだろうか」

「運が悪い」という意味合いを示す場合の表現です。ここでは、「前世での行いによって、多くの報いを受けている」という意味が含まれます。

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