「ご自愛ください」の正しい使い方【例文】
ビジネスシーンでよく目にする「ご自愛ください」という言葉には、どんな意味があるのでしょうか。どんな場面でどのように使えば “生きた表現”になるのか、ライティングコーチの前田めぐるさんに教えてもらいました。
ビジネスシーンでよく目にする「ご自愛ください」という言葉。
この言葉にどんな意味があり、どんな場面でどのように使えば、ビジネスシーンで“生きた表現”になるのか、解説します。
目次
「ご自愛ください」の意味は?
辞書で「自愛」を引くと「(多く手紙文で使う)自らその身を大切にすること」とあります(岩波書店『広辞苑』)。
敬語表現である「ご〜ください」と組み合わせた「ご自愛ください」は、「あなたのお体を大切にしてください」という意味です。
どんな時、誰に対して使うの?
「ご自愛ください」は、口語ではほとんど使いません。メールや手紙の結び文、つまり最後の締めくくりとしての定型文で、相手をいたわる気持ちを添える際に使います。
「ご指摘ください」「お教えください」のように、「ご(お)〜ください」の構文は基本的には敬語表現であることから、「ご自愛ください」も目上の人に対して使う場合が多いでしょう。
ただし、「ご参加ください」「(席を)お譲りください」などが幅広く使えるのと同様に、上司・得意先・年上の人以外に使っても違和感はありません。同年輩や仕事のパートナーなど、大切にしたい相手に対して使うといいでしょう。男女の別を気にする必要もありません。
「お体をご自愛ください」は間違い
時折見かける「お体をご自愛ください」という表現は、誤用です。
「ご自愛ください」の中に既に「お体を」という意味が含まれており、重複してしまうからです。「お体を」は不要で、「ご自愛ください」だけで成立している表現です。