ビジネスシーンにおいて、「心強いです」というフレーズを見聞きする機会は少なくありません。
だからこそ、「心強いです」はビジネスにおいてどう使えば良いのか、もっと丁寧な言い換え表現はないのか、気になったことがある人はいるでしょう。
そこでこの記事では、「心強いです」のビジネスにおける使い方や使う時の注意点、言い換え表現を紹介します。
■「心強い」の意味
まずは「心強い」の意味を確認しましょう。辞書には以下のように記載されています。
こころ‐づよ・い【心強い】
[形][文]こころづよ・し[ク]
1 頼りになるものがあって安心である。心丈夫だ。気強い。
「君が味方になってくれれば何よりも—・い」⇔心細い。
2 情にほだされない。つれない。
「あなたは恋に冷淡です。余 (あんま) り—・いと思います」〈荷風・地獄の花〉
3 意志が堅固である。気丈だ。気強い。
「上は、御息所の見ましかばとおぼし出づるに、堪へがたきを、—・く念じかへさせ給ふ」〈源・桐壺〉
(『デジタル大辞泉』小学館)
「心強い」には、大きく分けて3つの意味があります。ビジネスシーンにおいて「心強いです」と言う時の「心強い」の意味は、1の「頼りになるものがあって安心である」です。
■「心強いです」のビジネスにおける使い方(例文つき)
「心強い」の意味を確認したところで、続いてはビジネスにおける「心強いです」の使い方を、シーン別に例文つきで見てみましょう。
◇(1)相手に感謝したい時
相手に助けてもらった時など、頼りになってありがたいと感じたタイミングで感謝を伝える際、「心強いです」が使えます。どのような点に感謝しているのか具体的に述べると、より感謝の気持ちが伝わるでしょう。
☆例文
・「いつも迅速にサポートしていただき、心強いです。ありがとうございます」
・「そう言っていただけて、心強いです。ありがとうございます」
◇(2)相手を褒めたい時
「心強いです」は褒め言葉としても使えます。褒め言葉として使う時は、相手のどのような点に頼もしさを感じているのか具体的に伝えると喜ばれるでしょう。
☆例文
・「○○さんはいつも冷静な判断をしてくれるので、同じチームだと心強いです」
・「○○さんは業界での経験が豊富なので、○○さんがいてくれると心強いです」
▶次のページでは、「心強いです」を使う時の注意点について解説します。
■「心強いです」を使う時の注意点
「心強いです」という言葉は、「心強い」という形容詞に「です」をつけた表現です。この「形容詞+です」という表現に対し、稚拙な印象を抱く人もいます。
文化庁の国語審議会では「平明・簡素な形として認めてよい」とされているため、かしこまった場面でなければ問題になることはないかもしれません。
しかし、気になる時は「心強い限りです」など、後に紹介する言い換え表現を使うと良いでしょう。
▶次のページでは、「心強いです」の言い換え表現を紹介します。
■「心強いです」を別の敬語表現に言い換えると?
ここからは、「心強いです」の言い換え表現を紹介します。
◇(1)「心強い限りです」
「心強い限りです」の「限り」とは「際限」のこと。つまり、「心強い限りです」は「この上なく心強い」といったニュアンスを持ちます。相手に強く頼もしさを感じていることを表現できるフレーズといえるでしょう。
◇(2)「心強く存じます」
「存ずる」は「思う」の謙譲語です。「心強く思います」をより丁寧にすると、「心強く存じます」となります。
■「心強いです」は感謝や賞賛を伝える言葉
「心強いです」は、相手に感謝したい時や誰かを褒めたい時に使える言葉です。例えば、先輩が助け舟を出してくれたり、上司が励ましてくれたりした時に使えます。
「心強い限りです」「心強く存じます」と言い換えることもできるので、併せて覚えておくと良いでしょう。
(にほんご倶楽部)
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