かわいさ重視。「中華コスメ」を愛する飯塚みちかさんの場合 #コスメ垢の履歴書
コスメを偏愛する「コスメオタク」が増えている。中でもTwitterの「コスメ垢」は、よりディープな情報発信の場として話題。この連載では、ライターひらりささんがいま気になるTwitterコスメ垢にインタビュー。彼女たちのおすすめアイテムや美容愛、さらには人生までをも覗き見ます。
取材・文:ひらりさ、編集:高橋千里/マイナビウーマン編集部
今回は、韓国の若者文化に詳しく、Twitterで韓国コスメや中華コスメの情報を発信しているSNSマーケター・ライターの飯塚みちかさん(@mmmiiz)にインタビューしました。
品質より「パケ買い」派。コスメの選択基準
――韓国コスメや中華コスメに詳しい飯塚みちかさん。今のTwitterアカウントはいつ頃始めたのでしょうか?
2015年からアカウントを持ってるんですが、ちょうど当時所属していた会社のウェブメディアでライター活動を始めたタイミングでした。
最初は普通に自分の書いた記事や仕事のお知らせがメインでした。ただ、そこからすぐ韓国アイドルの話を中心に、自分の趣味の発信をするブログも始めたんです。そのブログをやっているうちに、TwitterやInstagramで趣味の投稿も増えていきました。
https://www.instagram.com/p/B2RxlkxjpeL/?utm_source=ig_web_copy_link
――Twitterのプロフィールに「キラキラかわいいものあやしいものが好きです」と書いていますよね。コスメを好きになったのも「キラキラかわいいもの」だからなんでしょうか。
そうなんです! 物心つく前からファンシーなものへの憧れを人一倍持っていて、今も女児向けのおもちゃを集めているタイプのオタクなのですが、コスメにハマったのも「かわいい」のがきっかけでした。
ちょうど大学受験が終わった頃だったかな。私たちよりも上の世代 が韓国コスメで盛り上がっていた時代だったんですが、お母さんから「友達が韓国に遊びに行くから、みちかもコスメを買ってきてもらったらどう?」と提案を受けて。
ネットで調べて「ETUDE HOUSEのパッケージがめちゃくちゃかわいい!」と知ってお願いしたのが最初でした。
――過去にこの連載で取材した、韓国コスメ好きの「おめらす」さんも、韓国コスメにハマったきっかけにETUDE HOUSEを挙げていました。
当時、少女漫画に出てくるような見た目のコスメがたくさん出てたんですよ。「こんなのあるんだ!」とテンション上がりました。それからずっと、私がコスメを買う時は「パケ買い」が多いですね。もはや中身が自分に合わなくてもパッケージが良ければいいや、となる(笑)。
とはいえ、何だかんだ色出しが自分に合ってるものも多くて。私、パーソナルカラー診断だとブルーベース冬なんですね。今でこそバリエーションが増えてますけど、以前は日本のプチプラ・ドラコスはイエローベース寄りが多くて。「大丈夫かな」と思って買うと、顔がめちゃくちゃ黄ばむという事故が多発していました(笑)。
その点、韓国コスメはブルベ向けの色が豊富だったので、それは助かりましたね。韓国アイドルを好きになった結果、韓国によく行くようになったので、シーズンごとに現地で新作コスメを買い足していました。
価格帯・品質は? 「中華コスメ」のリアル
――最近は中華コスメに関するツイートも多いようですが、中華コスメにはいつハマったんですか?
2年前くらいでしょうか。2016年から、中国発のECアプリとして有名な「Taobao」を使い始めまして。当初はまだ「中華コスメって品質大丈夫なの?」という空気があって、おもちゃや服を買ってみたのですが、無事届くし、品質もそんなに悪くないじゃんと実感して、コスメの輸入にも興味を持ちました。
ただ、コスメは税関で引っかかりやすいんですよね。Taobaoでの買い物って、日本に直接配送してもらうことができず、海外の倉庫を経由して日本に送ってもらう「転送サービス」を使う必要があるのですが、コスメの転送は受け付けてくれない業者も多くて。
2019年に入ってやっと、ちゃんとコスメの転送をしてくれそうな業者を見つけて、チャレンジしてみたらどハマりした次第です。
――届かないこともあるんですか?
通常はちゃんと届きますね。ただ、お店が善意でおまけの飴とかを付けてくれることがあり……。食品が入ってると転送NGなので、転送業者にコスメ含めまるっと捨てられてしまうこともあります。
――切ない……。Taobaoって全文中国語じゃないですか。買う商品ってどうやって選んでるんですか?
昨年くらいから周囲でも中華コスメを輸入してツイートしている人が増えてきたので、ブランド名でツイート検索をかけて出てきた情報の中から、アプリ上でも評価が良いものを買ったり、「コスメ」や「口紅」にあたる中国語の単語で検索をかけてパケ買いしたりしてますね。
値段がびっくりするくらい安いので、失敗してもいいかなという気持ちでアホみたいに買ってます(笑)。詳しい買い方は、私のnoteに書いていますので、興味のある方はどうぞ。
ちな 4pxで入庫失敗したものの具体リストとかトラブル内容とか有料noteにまとめたりしてるんで4pxで安くで個人輸入したい方はもしよければどうぞ……
? -` ̗✩飯塚みちか✩ ̖´- (@mmmiiz) December 23, 2019
taobaoで物を買うコツ&失敗談② 4pxでの転送に失敗した話6選&コスメ輸入の注意点|飯塚みちか @mmmiiz #note https://t.co/BnCGKxJ1jN
――なんでそんなに安いんですかね?
中国のモノづくりノウハウで安価に生産されているんだと思いますが、「居抜きコスメ」みたいなのも結構ありますね。元々OEMで化粧品製造をやっていたような企業から出ているみたいなんですが、ハイブランドのために作られたんだろうなという凝った外箱やパッケージを使ったコスメを見かけることも……。
ただ、そういう商品も完全なコピーではなく、個別にブランド化されていて、コンセプトや中身も全然別のものだったりするんです。不思議ではありますが、日本や韓国では買えないようなエッジの効いたデザインのものもたくさんあるし、ギャンブラー気質なところもあるので、自己責任の元、低価格で良いコスメ探しができるのがすごく楽しいです。
――最近「パケ買い」した中華コスメはありますか?
Twitterでもバズっていましたが、ZEESEA×大英博物館コラボの古代エジプトコスメコレクションですね。リップにヒエログリフ(古代エジプトの象形文字)が刻まれてるのも良かったし、ハイライトのパッケージのオーロラ箔がやばかった……。
一通り買い終わったあとに見つけて大慌てで追加注文したZEESEA×大英博物館のアイテムもゲロヤバすぎるからみんな見て……………🤦
? -` ̗✩飯塚みちか✩ ̖´- (@mmmiiz) August 29, 2019
リップにヒエログリフ刻まれてるの熱すぎだしお粉のパケ全世界に自慢しながら化粧直したいし 天使のハイライトはパケ全体がオーロラ箔みたいな感じで……光る…… pic.twitter.com/BAHbUNxs5b
あと、これも話題になっていたものですが、Flower Knows×Pretty Rock Babyの新作アイテムが先日届きました。こんなに凝ったデザインなのに、Taobaoの公式通販だと、アイシャドウパレットも1,400円ぐらいで買えるんですよ。
バズり散らかしてた中国コスメ・Flower Knows(花知)とPretty Rock Babyのコラボの新コレクション、届いたのだが、もう存在自体が尊くて、言葉はいらない………………と思いました。パケのかわいさがエグすぎる………………🤦♀️ pic.twitter.com/ZR8YhnO419
? -` ̗✩飯塚みちか✩ ̖´- (@mmmiiz) May 23, 2020
――安すぎる!
新型コロナウイルスの感染拡大による流通の混乱もあり、いつも使っている転送業者が使えず、別の業者に頼んだので無事に届くか不安だったのですが、2週間ほどで無事に届いたので安心しました!
――1カ月にどれくらいのお金をコスメに使ってますか?
他の趣味にもお金を使っているので、多く買う時でも1万円くらいですかね。でも中華コスメは本当に安いんで、それでもガンガン買えちゃいます。
――中華コスメの品質はどうなんですか?
私が使った限りだと、アイシャドウの発色やラメの入り方は本当に大満足です。今のところ肌荒れが起きたこともないです。
ただ、リップはマジでピンキリですね。めちゃくちゃ乾燥するマットリップとかもなくはない(笑)。グロスも色がかわいいものは多いけどまだ乾燥する印象があり、韓国コスメの方が使いやすい面はあります。
――そこは使ってみないと分からないと。「オルチャンメイク」とか「中華美人メイク」とか、各国のトレンドは取り入れるんですか?
大学生の頃は当時の韓国っぽいメイクをすることも多かったですが、今はあんまり意識してないですねー。骨格診断を受けた時にメイクのコツも教えてもらったのでそれを取り入れつつ、基本的には個々のアイテムを使うのを楽しんでます。
最近ヘビロテしているのは「PERFECT DIARY(完美日記)」のアイシャドウ。今日も使ってるんですけど、ラメが、目に入ったら死ぬんじゃないかというくらいでかいんですよ(笑)。こんなのまぶたに絶対乗らないでしょと思ってましたが、使ってると結構ノリが良くて最高の一品です。オーロラの破片みたい!
「守り」より「攻め」のコスメが欲しい
――このあたりで、メイクポーチも見せてもらっていいでしょうか?
はい。小さいカバンが好きなので、それに合わせて、本当にちょっとしか持ち歩いてないです。実はこれでもかなり多い方で、香水とリップだけ持って出かけるなんてこともザラで……(笑)。
![](https://cdn0.mynvwm.com/wp-content/uploads/2020/06/3-1-600x450.jpg)
上段左から
・dejavu ラッシュ アップ マスカラ
・UZU EYE OPENING LINER GRAY
・CANMAKE ミックスアイブロウ 04 グレイッシュブラウン
・I’M MEME アイム マルチキューブ 001 All About Candy Pink
・Jo Malone イングリッシュ ペアー & フリージア
・COLOUR POP SUPER SHOCK CHEEK PARALLEL
下段左から
・DEAR DAHLIA スキン パラダイス ブルーミング クッション ファンデーション ピーチアイボリー
・Dior Addict LIP MAXIMIZER 009 ホロパープル
・rom&nd JUICY LASTING TINT 06 FIGFIG
・the SAEM Cover Perfection IDEAL CONCEALER DUO 01 クリアベージュ
――本当にミニマム~。
一回出かけたらメイク直しもほとんどしないですね。夏場だとこれに加えてパウダーも持ってるかな。冬は自宅でイニスフリーのノーセバムパウダーをはたいて出かければOKです。パケ買いが多いですが、パッケージがかわいいやつはかさばるのもあって、おうちに置いておくことが多いですね。
――COLOUR POPはアメリカのコスメブランドですね。
そうそう。SUPER SHOCK CHEEKというアイテムのPARALLELという色なんですが、コーラルっぽく見えて実は青みが強く、私の肌に合う色なので助かっています。
I’M MEMEのマルチキューブはポーチを小さくしたい人にはおすすめ! これ一つでカラーメイクが済んじゃいます。
DEAR DAHLIAのクッションファンデは薄付きでもきれいに見えるので、さらっと見せたい人は重宝するかなと。まあ、本当に面倒くさいと、the SAEMのコンシーラースティックでクマを隠すくらいで終わらせちゃうんですけど(笑)。
――the SAEMは万能! こうして見ると、普段使いは韓国コスメが多いんですね。
そうですね。ベースメイクはほぼ韓国コスメです。ただ、長く買ってきたからこそ思うのですが、今の韓国コスメって、特にカラーアイテムは「ミニマル」路線にシフトしすぎて、ある意味「守り」に入ってる印象もあるんです。
色とかパッケージとかが似通ってきていて、それはそれでかわいいんですが、私はもっと変な形のパッケージとか、わけの分からないギミックのコスメを探し求めているんですよね。昔はもっとプレミアムバンダイみたいなコスメがいっぱいあったので……。
――例え方がオタク(笑)。
攻めてるコスメが好きなので、しばらくは中華コスメ主流で買っていこうかなと思っています。
――最後に、コスメに出会って人生変わったと思いますか?
化粧すること自体も好きですが、かわいいコスメで身の回りを固めておくのがとても好きです。かわいい韓国コスメに出会えたことで、人生が変わったと言えるかもしれません。
実は今、友達と「menmeiz」という、アジアを中心に世界の「かわいい」を集めたブランドを立ち上げたところなんです。
クリエイターとコラボしてオリジナルアイテムを作るのと、Taobaoなどで買い付けたアイテムをセレクトして売るのを両軸にしているのですが、趣味で中華アイテムやコスメをdigっていた(探しまくっていた)経験が生きて楽しいです。
あっという間に最終日です〜こんな状況で色々アレがアレでしたが、、楽しかったし色々学びがありました〜!!!
? -` ̗✩飯塚みちか✩ ̖´- (@mmmiiz) March 31, 2020
今日も一応19時までお店やってます。
そして4月からはECもやる予定です〜❣️引き続きメンメイズをよろしくお願いいたします💖 pic.twitter.com/1XBEUTCNc2
――すごい! ゆくゆくはコスメも販売するんですか?
やりたいんですけど、コスメを海外から仕入れて販売するには特別な許可が必要なんですよね。専門企業に頼んでオリジナルで作るのとかも興味はあるんですが、めちゃくちゃお金がかかる(笑)。そこをどうクリアするか、ちょっと考え中です。
――楽しみにしています。ありがとうございました!
コスメ垢「飯塚みちか」さんの履歴書
※写真のコスメはすべて本人私物です
『だから私はメイクする』漫画:シバタヒカリ、原案:劇団雌猫
『浪費図鑑』の劇団雌猫が贈る話題書をコミック化!
メイク道を爆進するうちにあだ名が「マリー・アントワネット」になった女、“推しネイル?にハマって猛練習する女、仕事場での“アドバイス?にうんざりしている女など、メイクを通して見えてくる、「社会」や「自意識」と戦う女たちの悲喜こもごも。
「自分がどうありたいか」と向き合う、共感必至のオムニバス・ストーリー!
※この記事は2020年06月13日に公開されたものです