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「差し出がましい」の意味とは? 使い方と類義語【例文】

吉田裕子(国語講師)

似た意味を持つ言葉

「差し出がましい」と似た意味の言葉を紹介します。同じメールや会話の中で、何度も「差し出がましい」を使うのはしつこくて不自然なので、言い換え表現も覚えておきましょう。

(1)「厚かましい」

恥知らずで遠慮がないこと。無理を言うとき、図々しいお願いをするときによく使われます。

例文

・「厚かましいお願いですが、しばらく預かっていただけませんか?」
・「ただでさえお世話になっている上に、厚かましいことを申し上げますが……」
・「手取り足取り面倒を見てもらおうというのは、厚かましいんじゃないかな?」

(2)「おこがましい」

「差し出がましい」と意味はほぼ同じですが、謙遜によく使われます。また、少し強い言葉なので、指摘に使うときつく聞こえます。

そもそも、「おこ」は古語で「バカ」という意味で、「バカげている」が転じて「生意気だ」「しゃくにさわる」「身の程知らずに思い上がっている」という意味になったものです。

例文

・「こんなことをお願いするのも、おこがましいのですが」
・「私がリーダーだなんて、おこがましいです」
・「結果も出せていないのに、待遇ばかり望むなんておこがましいよ」

(3)「僭越ながら」

自分の立場や資格を越えて、出過ぎた真似をすること。「僭」も「越」も、自分の分際を越えることを意味します。

固い言葉なので、もっぱら結婚披露宴や授賞式などのスピーチ、司会の挨拶で使われています。

例文

・「僭越ながら、乾杯の音頭を務めさせていただきます」
・「僭越ですが、本日の司会を務めます」

謙虚な姿勢を伝える「差し出がましい」

誰に対しても、何かを頼むのは気を使うものです。特に、顧客や上司・先輩などに協力をしてもらわなくてはいけないときは、言い出しづらいですね。

そんな場面で、「差し出がましい話ですが」というクッション言葉を付けるようにしましょう。「目上の人に無理なお願いをして申し訳ないのですが」という謙虚な姿勢が伝わります。

(吉田裕子)

※画像はイメージです

※この記事は2020年05月12日に公開されたものです

吉田裕子(国語講師)

国語講師。塾・カルチャースクール・企業研修などで講師を務める他、書籍執筆などの活動に取り組んでいる。著書に『美しい女性をつくる言葉のお作法』(かんき出版)などがある。執筆・監修書籍は30冊以上。

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