距離を置くべき「優しくない人」の特徴5つ
「優しくない」と思う人が周りにいる。それが上司、同僚、はたまた恋人だった場合、どのように付き合っていけばいいのでしょうか? 恋愛コラムニスト兼催眠心理療法士の浅田悠介さんが「優しくない人」の心理と絡めて解説します。
「もっと、こう、優しくするとか、あるでしょ!!」。
お嬢さん。こんなふうに心のなかでキレた経験はございませんか。
その悩み、分かりますよ。なぜかこの世の中って、優しくない人が多いですから。なぜなんでしょうね。ちょっと悲しい事実です。
今回のテーマは「優しくない人の心理と特徴」です。
とにかく優しさについて本気出して考えてみましょう。その先に見えてくることもあるはずです。貴女の人生を良くするためのアイデアがね。
そもそも「優しさ」とは?
優しさの定義は人それぞれです。
個人的には「許すこと」だと思います。
もちろん許す方法はさまざまです。中には正反対に見えるものもあるでしょう。
しかし大事なのは心の中のありさまです。心の底で、他人に対する“許し(赦し)”があるかどうかです。そう信じています。
「優しくない人」5つの特徴と心理
ここでは「優しくない人」の特徴と心理に迫ります。
彼らの性質を学んでみましょう。相手を避けるのではなくて、知ろうとすることで見えるものもあるはずです。
(1)常に自分を最優先させる
優しくない人はどんなときも自分が最優先です。
利己主義といってもいいかもしれません。他人に分け与えることをしません。いかに自分が得するかを考えるのです。その勢いで、時にはアンフェアな精神を突き付けることすらあります。
これは、今まで「他人も(自分と同じように)ものを考えて傷付く存在だ」と実感せずに生きてきたのが原因だったりします。生まれつきの性質や、過保護に育てられてきたということもあるでしょう。
優しくない人の世界には「自分の気持ち」しか存在していないのです。
(2)他人に関わろうとしない
優しくない人は他人に関わろうとしません。
不干渉なのです。無反応といってもいいかもしれません。人が悲しそうにしていたら声を掛けたり、自分が持っているものを欲しそうにしていたら分けてあげたり、困っていたら助けてあげるということがないのです。他人にアクションをしないのですね。
これは「他人に興味がない」のだといえます。そもそも他人のことをさほど気に掛けていないのですね。
では、何に興味があるかというと「自分」です。上に書いた利己主義と原因は似ていますが、その表れ方が異なるわけです。
(3)「いや、でも、だって」と否定をする
優しくない人は否定をします。
相手の話を聞く時に「いや、でも、だって」と否定するのです。もはや否定のスタンスを取らなくては話を聞けないというくらいです。
これは「他人を受け入れられない」ということです。
さらに言えば「他人を受け入れる強さがない」ともいえます。会話やコミュニケーションは、自分の考えを捨てて、いったん相手を受け入れるところからですよね。それができないのです。
そもそも人間関係を「どちらが上で、どちらが下か?」というパワーゲームとして捉えているとこうなりがちです。子ども時代、親に安心感を与えられてこなかった可能性があります。
(4)いじわるをする
優しくない人はいじわるです。
もはや同義語のようなものですよね。わざわざ親切をもったいぶったり、悪口を言ったり、してあげられることをしなかったり──いじわるなのです。
これは「そういう他人との関わり方しか知らないのだ」と読み解くことができます。
あえて大ざっぱにいいますと、まだ子どもなのか(ある種の甘えです)、親や友達にそういうふうに対応されてきたかのどちらかです。いずれにせよ、大人でないことは確かです。
冷静に考えると「いじわるな人」でいるメリットはないのですから。
(5)相手を許さない
優しい人は相手を許しません。
あらゆる意味での“許し”です。他人がミスした時の対応もそうですし、そもそもの人生に対するスタンスもです。
声を荒げて非難したり、いつまでも突いたり、ブスッとした表情をしたり、否定したり──さまざまな面に表れます。
本人も心は穏やかではないはずです。許せないということは、心の中に抱えるということだから。不完全燃焼の気持ちを。
他人を許せているかどうかって、すごく大事なことなんですよ。
関係性別「優しくない人」との付き合い方
ここで本題です。
そうした「優しくない人」とは、どのように付き合うべきなのでしょう?
人生に関わる、すごく重要な問題です。相手との関係性別に、真剣に考えてみましょう。
優しくない「会社の上司」との付き合い方
とにかく「波風を立てないように」スルーです。
なぜなら他人は変えられないから。
仕事が穏やかにこなせるならそれでOKだと考えましょう。その上司の性格は、本人の問題です。貴女が頭を悩ませることではありません。
とにかく仕事上の付き合いだけに徹しましょう。
精神的には近寄らないことです。心もシャットアウトです。でないと、いつも傷つくのは貴女になってしまいますよ。
優しくない「同僚・友達」との付き合い方
たしなめながら距離感を調整するのが大事です。
ここでも他人は変えられないという原則が当てはまります。しかし自分がどう接するかは変えられますよね。大事なのは、これを理解する(受け入れる)ことです。
友達だからというレベルでたしなめることはできます。
それで変わらなければ深入りしないこと。それも友達本人の問題だから。基本的に、私たちは、相手の人生に深入りする権利を持っていないのですね。
もちろん友達をやめる必要はありません。ただ、適切な距離を保てばいいのです。
優しくない「恋人」との付き合い方
この場合だけは事情が異なります。
なぜなら「離れない約束」をしているわけだから。簡単に距離を置くわけにもいきませんよね。相手が優しくないのであれば真剣に考えなくてはなりません。
恋人(彼氏)の心理別に、付き合い方を2パターンに分けて解説します。
(1)どう振る舞えばいいか分からないだけの場合
これは「優しくない」というより「異性との接し方が分からないだけ」のパターンです。初めての恋人であったり、もともとシャイであったり、他人への興味が薄い男性にありがちです。
その場合は「こう接してほしい」と伝えることです。
ご存じのように男性は言葉にしないと分からない生き物です。コミュニケーションの正解を教えてあげましょう。なるほど、と直してくれるかもしれません。
(2)本当に冷たい場合
二人の関係を見つめ直す時かもしれません。
彼は元から優しくなかったのでしょうか。それとも変わってしまったのでしょうか──だとすると、何が彼を変えたのでしょうか。
彼自身の問題かもしれません。貴女にも改善できることがあるかもしれません。とにかく「今までと同じようにしても、今までと同じことが起こるだけ」だと心してください。
何かを変える時なのでしょう。健闘を祈ります。
そして──考えたくもないことですが──もう恋が終わっているのだと気付くこともあるかもしれません。受け入れがたいことに。
その場合、少しでも早くさよならするのも必要でしょう。悲しいですが、それも人生なのです。
優しくない人とは適度な距離を保とう
最後に大事な話をさせてください。
それは「人間関係で大事なのは“近付くこと”でなく“適切な距離を保つこと”である」というもの。
ここがブレると人間関係のミスは起こります。
誰とでも仲良くならないといけない気がするのは分かります──学校でそう教わりましたから。しかし現実はそううまくはいきません。全員と打ち解けることは不可能です。
これは悲しいことですが、救いにもなります。
ここからスタートできる人間関係もあるはずだから。むしろ、これくらいの方が大人のコミュニケーションといえるかもしれませんね。考えてみるとしましょうか。
貴女のもとに幸せが舞い降りるように祈っております。
(浅田悠介@令和の魔法使い)
※画像はイメージです
※この記事は2020年04月21日に公開されたものです