ネガティブ思考は断ち切るべき? ネガティブのメリットとは
ネガティブ思考な人は、ポジティブになれと言われがち。本当にネガティブ思考にはデメリットしかなく、改善しないといけないのでしょうか? 心理カウンセラーの高見綾さんに、ネガティブ思考の隠れたメリットを紹介してもらいます。
「ネガティブ思考はやめよう」「ポジティブになろう」とよく言われますが、ネガティブ思考のすべてが悪いわけではありません。
じつは仕事においてメリットが多いとされているのです。
今回は、ネガティブ思考について掘り下げて考え、メリットや向いている仕事について紹介します。
ネガティブ思考な人の特徴とは
ネガティブ思考とは、具体的にどういったものなのでしょうか。まずはネガティブ思考な人の特徴を見ていきましょう。
(1)悲観的な未来ばかり想像する
物事を悲観的に捉える癖があるので、将来のことに対しても、「どんどん悪くなるかもしれない」「よくないことが起きる可能性がある」とネガティブに考えます。
常に不安を抱えているため、最悪の事態を想定する癖があります。
(2)心配性
周りの人がうまくいっていなかったり失敗していたりすると、自分も同じようになるのではないかと心配します。そのため新しいことには簡単に挑戦しようとはしません。
慎重に慎重を期して、「これなら大丈夫だろう」と思えたものだけ取り組みます。
(3)悪いことばかり気にする
何事においても良いことよりも悪いことのほうに焦点を当てているため、悪いことのほうを覚えています。そのため、幸福感が少ないのも特徴です。
たとえうまくいっていたとしても「自分はまだまだだ」「うまくいかないことばっかりだ」と思いやすいです。
(4)疑い深い
ミーハーな要素はなく、世間で良いとされているものや常識のようなものについても、「そうかな?」と疑うところから始まります。
周囲の評判を聞いても「本当かどうかは体験しないとわからない」と考えがち。
また、すぐに「何か裏があるのではないか?」と疑うので騙されにくいところもあります。
(5)限定された友人と付き合う
誰とでも仲良くなれるような社交的なタイプではなく、人にあまり心を開かないので、ごく限られた友人たちと付き合います。
ただし一旦心を開いて信頼すれば、その関係を大切にして長い付き合いになることが多いです。

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ネガティブ思考になる原因とは
では、ネガティブ思考になる原因にはどんなことが挙げられるでしょうか?
(1)自信がない
ネガティブ思考の人は、劣等感が強く自信がありません。
手放しで「きっと大丈夫」「なんとかなる」とは思えないので、データや情報をたくさん集めて自分の不安感を打ち消そうとするところがあります。
(2)気が小さい
気が小さい人は、ほかの人から見たら些細なことでも気にします。人からどう思われているのかに敏感で、嫌われることを必要以上に恐れているのです。
基本的に怖がりで、「嫌われたらどうしよう」「うまくいかなかったらどうしよう」という恐れをいっぱい持っているため、発想がネガティブに偏りがちです。
(3)幼少期に否定されて育った
幼少期の過ごし方は、私たちの内面に大きな影響を与えるといわれています。
親からほとんど褒められなかったり、何をしても否定されたりするような環境にあると、悪いことばかりに注目するようになる傾向があるようです。
(4)いじめなどトラウマになる出来事を経験した
学生時代にいじめられたり仲間外れにされたりといったことがあると、自己肯定感が下がって、「自分が悪いからだ」と考えやすくなります。
人が信用できなくなって、心を閉ざしてしまうケースも。
そういったトラウマになるような出来事を経験すると、考え方がネガティブになりやすいようです。
(5)頑張っても報われなかった経験がある
たとえば、受験に失敗した、部活で全国大会に行く目標が叶わなかった、失恋したなど、自分のできる最大限の努力をしても、報われないことが起こると、私たちはひどい挫折を経験します。
努力ではどうにもならないことがあるという事実にひどく打ちのめされてやる気を失ったり、投げやりになったり、やる前から「どうせうまくいかないだろう」と悲観的な発想に陥りやすくなるのです。

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実は必要なもの? ネガティブ思考のメリットとは
「ネガティブ思考は改善したほうがいいの?」と不安になった方、その必要はないかもしれません。
ネガティブ思考にもメリットがありますので見ていきましょう。
(1)物事を慎重に進められる
何事も否定的に考えるので、悪いことが起こることを想定して、保守的に物事を進められます。
ひとつひとつチェックしながら丁寧に取り組むのでミスが少ないことも挙げられます。
(2)新しいものを生み出せる
常に悪いところを見つけては、「もっと改善できるところはないのか」と考えるので、今までにはない画期的なサービスや商品を生み出しやすいです。
いいものを作るためには妥協しないという姿勢が、よりよいアイデアを思いつく原動力になります。
(3)最悪の事態に備えられる
ネガティブ思考の人は心配性なので危機管理能力が高いです。
「最悪の事態を回避するためにはどうすればいいか?」をいつもよく考えて動いています。
もし最悪の事態になったときも、日頃から想定しているので落ち着いて行動することができます。
(4)人とはちがう視点を持っている
ネガティブ思考の人は何事も疑うことから始めます。
世間一般的に良いとされているような物事でも、「本当にそうかな?」と思うので、他の人は気づかないような点に気づけたりします。
慎重に見極めるので騙されにくく、真実を見抜く目を持っていることが多いです。
(5)地道に力をつけていくことができる
いつも危機意識を持っており、保証された未来はないと思っています。
派手なものやハイリスクハイリターンなものには興味がないため、確実にうまくいく方法に取り組み、地力を上げていくことができます。
ネガティブ思考の人に向いている仕事3つ
ネガティブな人に向いている仕事なんてないなんて思っていませんか? そんなことはありません。
世の中にはポジティブ思考の人だとかえって務まりにくい仕事もあります。
ここではネガティブ思考の人に向いている仕事を紹介します。
(1)監査
監査は、会計や経営などを監督し検査するもので、決算書などの資料が合っているのかどうかをチェックします。
たくさんの資料をしらみつぶしにチェックしていき、整合性が取れているのかを見ていくので、疑う発想のあるネガティブ思考の人に向いています。
(2)警察・警備
警察も警備の仕事も、最悪の事態への想定が必要です。
「なんとかなるだろう」と明るく考えていては務まらない仕事なので、ネガティブ思考の人にぴったりです。
(3)作家・クリエイターなど芸術系
ネガティブ思考の人は、一般の人とはちがう視点に気づく力があるので、独特の発想力を生かして新しいものを生み出していく作家やクリエイターなどの仕事に向いています。
また、いいものを作るために妥協を許さない姿勢もメリットとして生かせるでしょう。
「ネガティブ思考」をポジティブにとらえよう
ネガティブ思考は、暗い、自信がなさそう、悲観的など、一般的には悪いイメージを持たれることが多いですが、危機管理能力の高さや、慎重さ、発想力など、使い方次第ではメリットなのです。
特に仕事においてはネガティブ思考が役に立つ場面がたくさんあります。
ネガティブ思考の人は無理に改善しようと躍起になるよりも、発想を転換してメリットを生かしていくようにしてみるといいかもしれません。
(高見綾)
※画像はイメージです
※この記事は2020年02月26日に公開されたものです