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「元カノの話」が出てきたときのベストな切り返し方 #このデートどこがダメですか?

このデートどこがダメですか?

ラブホの上野さん

次のデートに誘われなかった、フェードアウトされた……。そんな女性たちの「デートの失敗談」をラブホの上野さんが分析する連載です。このデートのどこがダメだったのかを、紳士的かつ論理的に解説します。

今回の失敗デート

好きな人と水族館デートに行きました。彼はその水族館が大好きで何度か来たことがあるらしく、「今まで何回来たの?」と聞いたところ「5回かな……」と言われたので、さらに気になって「誰と来たの? 男友だち?」と深堀りしました。

すると「さすがに男同士で来るのはキツいよね(笑)」と濁され、ああ……ほかの女の子(または元カノ)と来たんだ……と勝手にショックを受けた私は、黙り込んでしまい、楽しかった雰囲気が急に気まずいムードに。

私が深掘りしたのがダメだったのでしょうか。うっかり昔の女の話が出てきたときの正しい切り返し方があれば教えてください。

ご質問誠に有り難う御座います。

今回のご質問者さまのデートには、いくつかの問題点があるといえるでしょう。

デートがうまくいかなかった4つの理由

ダメポイント1:「誰と来たの?」と深堀りしたこと

1つ目の問題点は、デート中に“元カノの話になりそうな話題”を深掘りしたこと。

「今まで何回来たの?」という質問はまだしも、そこで「誰と来たの?」と深掘りをしたのは完全に失敗だったでしょう。

今回の彼のように、女性と来たことを匂わせる回答をすれば、ご質問者さまのテンションが下がるのは避けられません。逆に彼が「5回ともひとりで来た」と言ったとしても、ご質問者さまのテンションが上がるわけではありません。

YESでもNOでもメリットのないこの質問は、どっちに転んでもマイナスにしかなりません。非常に極端な例になりますが、食事中に「今日トイレ行った?」と聞いているようなものなのです。

ダメポイント2:彼の回答にショックを受けたこと

次に2つ目の問題点は、彼の回答を聞いてご質問者さまが勝手にショックを受けたこと。

ショックを受けるのは仕方のないことですが、自分から深淵を覗いてショックを受けるのはあまりにも勝手と言わざるをえません。しかも今回の場合、彼は「男同士はきつい」という言葉を使って「元カノ」という言葉を避けたのです。

もちろん状況からして彼は99%元カノとこの水族館に来ておりますが、元カノと明言しないことで1%の余地を残しました。もしかしたら5回ともひとりで来ているかもしれませんし、男女の友達グループや家族と来ているかもしれません。

つまりご質問者さまは彼の返事を聞いて「元カノと来たに違いない」と思うか「もしかしたら家族と来たのかもしれない」と思うか、選択することができました。

状況を考えれば99%以上の確率で元カノとこの水族館に来ているでしょうが、それでもご質問者さまがそれをどう捉えるかは選択することができたのです。

ダメポイント3:黙り込んでしまったこと

しかし、最大の問題点はなんといっても、ショックを受けて黙り込んでしまったことでしょう。

間違えて元カノ関連の話を深掘りしてしまったこと、彼の回答にショックを受けてしまったことは仕方がありません。どれだけ気を使っていても、間違えて元カノ関連の話題を出してしまうことはあるでしょうし、それを聞いてショックを受けるお気持ちもわかります。

ですが、その回答を聞いて黙り込んでしまったことは、今回のご質問者さまの最大の問題点といえるでしょう。

せめてデートが気まずくならないように、明るく振る舞うべきで御座いました。

昔の女の話になったことを察した瞬間にすぐに話題を変えて、その話がなかったかのように振る舞うことこそが、誤って昔の女の話を引き出したご質問者さまがすべきことだったといえるでしょう。

そもそも今回の場合、昔の女の話を引っ張り出したのは明らかにご質問者さまのほうなのです。

彼は「5回くらいね」「男同士で来るのはキツい」というように、嘘にならない範囲でできる限り昔の女の話をしないように注意をしておりました。それにも関わらず、ご質問者さまがしつこく深掘りしてしまったからこそ、今回「昔の女の話」が出てきてしまったのです。

彼の視点で言えば、しつこく聞かれたから仕方なく昔の女の話を匂わせただけなのに、それを聞いて勝手に落ち込んでいるようにしか見えません。

彼が必死で「その話をやめろ」と軌道修正しようとしているのに、ご質問者さまは深淵を自らの意思で覗いてしまったのです。

ダメポイント4:失敗を彼のせいにしようとしていること

また非常に細かい話で申し訳ないのですが、ご質問文の最後にあった「うっかり昔の女の話が出てきたときの正しい切り返し方があれば教えてください」という部分も、ご質問者さまの問題点が表れているように感じます。

今回の状況を考えれば「うっかり昔の女の話を出してしまったときの正しい対処方があれば教えてください」となるべきでしょう。「うっかり昔の女の話が出てきたとき」という言い回しは、「彼が勝手に昔の女の話をしてきた」というニュアンスを感じます。

さらに直前に「私が深掘りしたのがダメだったのでしょうか」とおっしゃっているところからも、ご質問者さまが「彼が悪い」という回答を望んでいるような気がしてなりません。

大変残念では御座いますが、今回の件で言えば、気まずくなった原因の9割くらいはご質問者さまに御座います。

彼の静止を振り切って、ご質問者さまが深淵を覗いてしまったのですから、この問題の責任はご質問者さまが取らなくてはなりません。

最善の対処法は「速攻で話を変える」

それでは最後に、彼の話を深掘りして、彼の元カノの話が出てしまったときの対処法を回答させていただきます。

ご質問者さまはその場を和ませる魔法のようなテクニックをお望みのことと思いますが、そんなものは御座いません。

できる限り早く話題を変え、二度とそのテーマに触れないことこそが、ご質問者さまがとるべきもっとも効果的な対処法で御座いました。

「さすがに男同士で来るのはキツいよね(笑)」

自分「いや、女同士でもキツいよ」

「そうなの?」

自分「いや嘘、女同士は全然平気。というか、いっぱいいるよね」

「だね」

自分「あ、バイカルアザラシだ」

このように、かなり強引に話をぶった切ってしまっても問題ありません。

とにかくどのように上手な返しをしようとも「昔の女」関係の話をしている限り、気まずさが払拭されることは御座いませんので、1秒でも早く話を変えることこそが最善の対処法なので御座います。

もちろん、本当の意味で最高なのは「そもそも昔の恋人の話になりそうな話をしない」ということで御座いますので、くれぐれもご注意くださいませ。

(文:ラブホの上野さん、イラスト:タテノカズヒロ)

※この記事は2019年11月24日に公開されたものです

ラブホの上野さん (恋愛コラムライター・ラブホテル店長)

都内某所のラブホテルスタッフ。

自分のホテルの売り上げを増やすためにラブホテルへの誘い方をツイッターで伝授していたところ、そのテクニックが話題になり漫画原作やコラムの執筆をすることになる。

漫画『ラブホの上野さん』原作。恋愛コラムライター。某ラブホテル店長。

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