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「責任感が強い」人はツライ!? 責任感の正体を解剖

平松隆円(化粧心理学者)

マジメ、誠実、しっかり者。責任感が強い人というのは、周囲からの期待や信頼が高く、“そこにいると安心な人”。一方で手を抜かない生真面目さゆえか“適当”を許さなかったり、他人に求めるハードルが高かったり、仕事を他人に任せられず自分で抱え込むといったマイナスの一面もありそうです。この責任感という性質は、いつ、どのように育まれるのでしょうか。責任感が強い人の特徴と上手なつきあい方を、心理学者の平松隆円さんに教えていただきました。

頼んだことを「オッケー、わかった、やっておく~」と返事をしながら、実際にはほったらかしにしている人っていますよね。

そういう人を称して、「責任感がない」といったりします。頼んだ側からすると“困った人”というわけですが、当の本人は「あ、ごめーん、忘れてた~」と軽い感じのことが多く、おそらく気にもとめていないでしょう。

一方で「責任感が強い」人というのは、頼まれたらきちんとやらずにはいられないので、どんなに忙しくても、頼まれた仕事はキッチリこなします。頼んだ側は感謝ですが、やってあげたほうからすると「しんどい」のひとことに尽きますよね。

いったいこの「責任感」というものは、何なのでしょう? 責任感がない人はどうすれば身につき、責任感が強い人は、それとどうつきあっていけばいいのでしょうか。

「責任感」はどのように生まれ、身につくのか

責任感が強い
『デジタル大辞泉』(小学館)によれば、責任感とは、「自分の仕事や行為についての責任を果たそうとする気持ちと記されています。

この場合の「責任」とは、“自分がしなければいけない任務や義務のこと”をいいます。頼まれた仕事はちゃんとやり遂げようという気持ちが、まさに責任感ということになります。

教育学や心理学の世界でも、責任感というのは重要なキーワードになってきます。それは、人が生きていくうえで、他者との関係において無責任でいることはできないからです。

著名な教育学者や心理学者が、責任感について論じていますが、共通していえることは、責任感というのは生まれ持った性格というよりも、人が生きていくうえで身につける“特性”みたいなものだということです。

では、この責任感は、どのように生まれ、そして身につくのでしょうか。

意志の強さ

責任感が強い
責任感は、“意志が強いこと”が必要不可欠になってきます。つまり、一度やると言ったことは、事の重大さにかかわらず、必ず実行する、という強い意思が必要です。

やると言った以上、「ごめーん、忘れてた(テヘ)」では済まないわけです。引き受けたからには最後までやりきるという意志が、責任感を身につけさせます

頼まれごと=“自分の問題”として対応

責任感が強い
たとえば、「悪いけど、この仕事を明日までにやってくれない?」と頼まれたとします。

頼まれた仕事というのは、本来は自分の仕事ではないので、やらなかったところで、自分は困りませんよね。「自分には関係ないや」と思うからこそ、「ごめーん、忘れてた」ということにつながり、まさに無責任な対応をしてしまうわけです。

頼まれた仕事を自分の仕事としてとらえられるかどうかが、責任を持って取り組むことができるかどうかに関わってきます。

約束を守れるか

責任感が強い
そしてなによりも大事なことは、約束を守れるかどうかです。

頼まれた仕事を引き受けたということは、「やる」という約束をしたということ。つまり、「責任を持って仕事をしないということ」=「約束を破る」ということです。

つきつめていくと責任感というのは、“約束を守る気持ち”と同じなのかもしれません。

「責任感が強い」人の長所と短所とは

責任感がないことは、人が生きていくうえで大きな問題です。ですが、責任感が強すぎることも、時として長所になったり、短所になったりするかもしれません。

約束は必ず守るという信念

責任感が強い
頼まれ仕事であろうが、待ち合わせの時間であろうが、責任感が強い人は一度した約束を守ろうとする強い意思があります。

これは、“約束したことは守らないといけない”という信念であったり、破ったら相手に迷惑をかけてしまうという心理が影響しているでしょう。

あきらめない気持ち

責任感が強い
頼まれた仕事はちゃんとやり遂げようという気持ちが責任感であることは、すでに説明しました。

ここで大事なことは、“やり遂げようという気持ち”、つまりあきらめないということです。自分でやると決めた以上、最後まで挑戦するという強い信念が、責任感の強い人にはあります

自分に厳しい

責任感が強い
やり遂げようという強い意思があっても、頼まれごとによっては、最後までやり遂げることが困難なことってありますよね。また、待ち合わせの時間に間に合うよう早めに家を出ても、どうしても事故などで遅れてしまうこともあります。

そんなとき責任感が強い人は、やり遂げられないこと、時間に遅れてしまうことに対して、強い心理的ストレスを感じます。うつ病とまではいいませんが、約束が守れないことに対して、イライラがつのります。

これは、他人に対してというわけではありませんが、短所といえるかもしれません。

他人にも厳しい

責任感が強い
厳しいのは自分に対してだけではなく、他人に対しても同じです。そのため、時には周囲から反感を買ってしまうこともあるでしょう。

たとえば、“自分がした約束を守れないことがストレスになる”といいましたが、同じように、他人が約束を守っていないこともストレスになります。そのため、ストレスを軽減しようと、約束(=社会のルール)を守っていない人に対して注意をする、なんていうことがよくあります。

これも、責任感が強い人の短所といえるかもしれません。

強すぎる責任感をどうにかしたい人は……

責任感が強い
もしあなたが“自分は責任感が強すぎるためにしんどいことがあるので、どうにかしたい”と悩んでいるのであれば、もう少し気楽に物事を考えてみましょう。

もちろん、そうすることができないのが責任感の強い人の特徴でもあるので、むずかしいことかもしれません。

ですが、たとえば“絶対に守らないといけない約束やルール”と、“多少は融通が利く約束やルール”があるんだと理解するだけでも、一歩前進です。

友だちとの待ち合わせの例でいえば、多少遅れたとしても、一本電話をしておけば、どうってことないですよね。つまり、友だちとの待ち合わせの約束は、融通が利く約束ということ。こういう約束は、さほど気にしなくても大丈夫なのです。

責任感は、人が生きてうえでなくてはならないもの。これがないと、誰からも信用されず、また信頼もされません。責任感は少しくらい強いほうが、本当はいいのかもしれませんね。

(平松隆円)

※画像はイメージです

平松隆円(化粧心理学者)

1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、タイ国立チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。日本やタイを拠点に、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。

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