わたしって都合のいい女? 曖昧な関係を続けようとする男性の本音 #オンナの敵が教えるオトコの本音
「もう少しだけいまの距離感のままがいい」「まだ知り合ったばかりだし」……それって本当? 女の敵のような数々の暴言で知られるロマンチックプランナーの朧さんが、男女間の綺麗ごとに斬り込み、オトコ側のエグい本音を大暴露。夢見がちなアラサー女性のための連載「オンナの敵が教えるオトコの本音」、クレーム覚悟で連載2回目です。
マイナビウーマン読者のみなさま、こんにちは。
ロマンチックやさぐれ中年の朧です。
連載2回目は、前回の記事でもふれた「セフレから正式な恋人になる方法」について書け、とのオーダーです。身もふたもないことを最初に書いてしまうと、セフレから正式な恋人に成り上がることは至難です。
セフレから本命になるにはどうすればいいと思いますか。 — いちどセフレに落ちた女が本命に上がるのは無理。おまえだって昨日まで無料だったメシ屋が金とるようになったら行かないだろ? https://t.co/zgUIi20QFM
? 朧 (@OB_RT) April 7, 2016
とはいえ、正式な交際のまえに体の関係があることはいまやふつうの話です。
だいたいの恋愛模様は「正式な恋人」になるまえに恋人未満の微妙な関係を暗黙のうちに通過しているものですが、この恋人未満の微妙な関係のまま、女性側が不本意ながらセフレの関係に留められているケースはよくあります。というか、ごくありふれた光景です。
なぜ、このようなミスマッチが生じるのでしょうか。
恋愛市場でのヒエラルキーの差が男女の関係性を決める
よく言われることですが、マッチングアプリでマッチングしやすいのは、恋愛市場ヒエラルキーにおいて自分よりもやや下位にいる相手だといわれています。
これは現実の出会いでも同様で、男女ともに恋愛では自分よりも市場価値の高い相手に目が向く傾向があり、ここに力学的な不均衡を生じています。
もうお気づきかと思いますが、女性がセフレの関係で停滞しているケースは、図の「モテピラミッド」で女性側が下位にあるケースがほとんどです。端的にいえば相手と市場価値が釣り合っていないわけですね。
ところが、女性側には「体を許す」というカードがあるため、こうした釣り合いを無視して関係が成立してしまうことが多々あります。ただし、正式な恋人ではなく、セフレとして。
恋愛市場における女性の市場価値は若さや容姿などさまざまなパラメータの足し算ですが、このときの男性心理は「ひとまずセフレは確保しておいて、より上位の女性とのマッチングを期待している状態」にあります。
以上はごくあたりまえの一般論ですが、まずはこのむごい現実を正しく認識してください。話はそこからです。
男性の「モテヒエラルキー」に応じたセフレ脱却戦略
では、セフレの劣位を覆すためにはどのような戦略があるのでしょうか。
今回はアラサー独身女性の視点から男性を4パターンに分類して考えます。
(1)ふつう上位ゾーン男性(ほかに女の影がない)
ターゲットは20代後半から30代半ばまで、可もなく不可もなく、客観的に見れば特別モテる印象でもない男性です。
このゾーンにいる男性にセフレ扱いをされている状況は、完全に女として舐められている状態です。ぶっ飛ばしましょう。
具体的には、ほかの男性からも思いを寄せられていることをほのめかします。ほかの男にとられるかもしれない危機感を煽る方法ですね。マイナビウーマン読者の女性にはおなじみの「駆け引き」を使うべき状況です。
この戦術には「ふつう下位ゾーンの男性」をうまく利用するのがいいかもしれません。女性としての自尊心も補給できるので長期戦にも対応できそうです。
ただし、ヤッていることだけはバレないようにしてください。即座に放流されます。
(2)ふつう上位ゾーン男性(ほかに女の影がある)
デモグラフィックは似ていますが、こちらはほかに女の影があるパターンです。
このタイプの男性の特徴は、せっせとジムなどに通いながら自分磨きに余念がなく、ろくに本を読みもしないくせにビジネス啓発書の引用などが大好きなやつです。
東カレあたりで仕入れたデートの品質はまあまあ高い一方、女性のいないところでは恋愛工学などを吹聴していることでしょう。
どちらかといえば男を見る目を養うのが先になるケースなんですが、この手の男性にとっての「正式な恋人」は本人のステータスや資産と同等であるため、せっせと自分磨きに勤しむしかありません。女性側の市場価値向上に課題があります。ただし、内面を磨く必要は一切ありません。外見のみ、ひたすらに磨いてください。
(3)モテゾーン男性(ほかに女の影がない)
まずはおめでとうございます。客観的に見ると、いい男をつかみかけている状態です。
一見誠実にも見える男性が「正式な恋人」をまえに煮え切らない場合、そこにはなにか理由があることが大半です。
まずはその理由を探るために、まえの女についてそれとなく聞いてみるのがいいでしょう。その点について口を閉ざすようならほぼ確定です。男がまだむかしの女を引きずっているパターンです。
女性側からすると、むかしの女の面影と戦うはめになるウザさ極まるシチュエーションですが、「もう少しだけいまの距離感のままがいい」「まだ知り合ったばかりだし」、冒頭に示した言いぐさが文字通りの意味なのはこのケースのみです。
ゆっくりと時間をかけて攻略したいところですが、アラサー女性の婚期同様、あまり時間的な余裕はありません。なにしろ相手はモテる男なわけですから。
日本の少子化傾向に歯止めをかける強引な打開策もありますが、ここはひとまずセフレであることは忘れ、一緒に過ごす時間と密度をできるだけ増やす戦術を取ってください。
男の女々しい感傷を「事実上の恋人」として新しい記憶で上書きしていく戦略です。ただし、ほんとうにモテる男は自分がモテることさえ巧妙に隠蔽できるので、その場合は次の可能性を疑うことになります。
(4)モテゾーン男性(ほかに女の影がある)
さて、とんでもないクズにつかまってしまいました。ご愁傷様です。
この手の男性の特徴は、海水で渇きを癒すような不毛をずっと続けてきた女性遍歴で、女性にモテながらも一方では女性への不信感も募らせてきた深い孤独にあります。
どこか世を拗ねたような独特の雰囲気にも特徴がありますが、正体は単なる甘えたマザコンです。
次々と女の影が途切れないのは反面、それだけ女性への依存が強いという弱点でもあり、ようするにこの手の男性は、自分を受け容れてくれる女がいなければ生きていけない無能者なのです。では、どのような戦略がありえるのでしょうか。
それは、ひとことでいえば都合のいいセフレをひたすら続ける戦略です。
「はぁ? セフレから脱却する方法がセフレを続けるってどういうこと!?」
なるほど当然の疑問ですが、黙って聞けババア。
この手のマザコンにとってはどんな自分でも受け容れてくれる慈母のような母性が重要で、若さや容姿などは実は二義的な要素として見られているに過ぎません。
つまり長期的な戦略が有効で、また、長期的な戦略のみ有効なのです。よその女に目を移そうが泰然と待ち構えていてください。
だいたいこの手の男性は素行の悪さから女に愛想を尽かされることがしばしばです。なにやら失恋のたびに甘えにくるようになったらしめたもの。ここぞとばかりに甘やかしましょう。最終的にはあなただけが残った状態になるはずです。
反撃の狼煙を上げるのはここからです。
実はこんな話があります。
伝説の遊び人をついに陥落せしめた慈母戦略
あるところに外道の限りを尽くしている遊び人がいました。
彼には5人のセフレがいて、当時流行っていたセーラームーンのコスプレ下着をそれぞれセフレに配り、自分だけのセーラー戦士を日替わりでニヤニヤ眺めて楽しんでいたそうです。
とはいえ、そのような外道がいつまでも許されるはずもなく、次第に正気に戻ったセーラー戦士たちは次々と卒業し、最終的にはいちばん地味なセーラージュピターですか? 緑色のパンツをあてがわれた女の子だけが残ったそうです。
そこでジュピター(仮)は遊び人に言いました。「もうわたしも諦めるわ」と。
たっぷりと依存を強めた遊び人から、彼女自身を奪い去る選択をしたんですね。
LINEも電話もSNSも、とにかくすべてブロックしたそうです。
しかしその理由を訊けば「大好きだから」というものでした。
ジュピター(仮)は、遊び人がいつまでもさいなまれる依存と孤独から開放してあげたかった、と説明しています。彼女自身が終止符を打ってあげたかった、とも。
そこからの展開は早かったようです。すっかり改心した遊び人は、ジュピター(仮)と真面目に付き合うようになりました。めでたしめでたし。
一途に追いかけられていた女の子が消えると、たとえそれがセフレでも男は脆いものです。けれどもこの話のポイントは、セフレとしてぞんざいな扱いを受けていた女の子が、実は最後まで男の更生と幸せを願っていた献身にあるのではないでしょうか。
好きならつべこべ言うなババア。今回の結論はこちらとなります。
ほんとうの愛情は、自己犠牲の行動規範のなかにあります。
世の中に美談は多くありませんが、一途な献身が報われる美談も、たしかにあるのです。
(ロマンチックプランナー 朧)
「オンナの敵が教えるオトコの本音」バックナンバー
※この記事は2019年07月25日に公開されたものです