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彼女の気持ちがわからない。……それって男だけのせいですか?

平松隆円(化粧心理学者)

「察してほしい」ならこうすべし

彼女の気持ちがわからない

察することができるようにトレーニングされてきた女性に対し、男性はそんなトレーニングを受けてはいないんです。トレーニングを受けていない以上、いきなり「察しろ」と言われても、簡単にはできません。

たとえれば、ずっとフルマラソンのトレーニングをしている人が、走るトレーニングをまったくしていない人に対して、いきなり42キロ走れと言っているのに等しいわけです。

かなり無謀なことを男性に要求していることがわかると思います。いきなり、「もう、私の気持ちを察してよ!」と言ったところで無理なんです。では、一体どうすればいいんでしょうか。

日常的に察する練習をさせる

彼女の気持ちがわからない

女性が小さなときからトレーニングをしてきたのと同じように、男性にもトレーニングが必要です。

もちろん、すぐに男性が察することができるようになるかといえば、ある程度時間がかかるでしょう。ですが、その彼といずれ結婚をして、長く生活をともにしようと考えているなら、早いうちからトレーニングをするに越したことはありません。

そうはいってもなかなかむずかしいですよね。ボクの昔の彼女さんは、デートのときに急に行方をくらまして、ボクを慌てさせるという方法をとっていました。今思えば、いつも自分に注意を向けさせて、何をしようとしているのか、何を求めているのかを考えさせていたんだと思います。いい年をしたオッサンに対して、本当に子どものしつけのような扱いでした。

察することができないんだ、とあきらめて合わせることも

彼女の気持ちがわからない

彼を「察することができる男にしよう」と、あなたは考えるかもしれません。ですが、察することができないのは、けっして悪ではなく、ある意味で個性のようなものです。

もういっそのこと、「男は察することができない生き物なんだ」とあきらめるのもひとつの手です。あきらめるというか、受け入れる姿勢です。相手が察することができないんだったら、自分がどうしてほしいか、ちゃんと言葉にして伝えるようにする努力だって、大事です。

コミュニケーションは一方通行ではダメなことは周知の事実。よく、キャッチボールにたとえられますが、相手が受け止めやすいようにボールを投げることが大事なんです。自分の一方的な気持ちや要求ばかりでは、コミュニケーションはうまくいきません。

求めるばかりでなく、理解と解決策を!

なぜ「男女はすれちがうのか」という理由や原因は、今回紹介したもの以外にもあるでしょう。ですが、一番大事なことは原因や理由を知ることではなく、すれちがいが起こっているという事実を受け止め、一体どうすればいいのかという解決策を知ること。

その解決策とは、「察してよ」と求めるばかりではなく、「接することが苦手なんだ」と理解し、それが苦手な相手に対して適切なコミュニケーションをとる、ということなんです。

(平松隆円)

※画像はイメージです。

※この記事は2019年05月20日に公開されたものです

平松隆円(化粧心理学者) (化粧心理学者)

1980年滋賀県生まれ。2008年世界でも類をみない化粧研究で博士(教育学)の学位を取得。京都大学研究員、国際日本文化研究センター講師、タイ国立チュラロンコーン大学講師などを歴任。専門は、化粧心理学や化粧文化論など。魅力や男女の恋ゴコロに関する心理にも詳しい。日本やタイを拠点に、大学の講義のみならず、テレビ、雑誌、講演会などの仕事を行う。主著は『化粧にみる日本文化』『黒髪と美女の日本史』『邪推するよそおい』など。

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